ドクターベルモンテが教えるウェルネス道

カイロも鍼も「体丸ごとケア」

カイロも鍼も「体丸ごとケア」(Vol.50)

現代に生きる老若男女が健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


便秘と不眠と交感神経日本式鍼のアプローチ

当院の医療チームにこのほど、鍼灸師・小塚陽子が加わりました。同じ鍼でも、中国式とはアプローチが異なるそうです。小塚が行う日本式は「圧痛」という、押して痛みがある場所(腹部や手足など)を探し、それを基に体の状態を判断し、最適なツボを探して治療します。「鍼を打っている最中もあれこれ質問するので、アメリカでは馴染みが薄いかもしれません」と小塚は話しています。

ストレス/熱性の便秘

今回は、小塚が当院に入って早々に行った便秘と不眠の治療例をご紹介します。私のカイロの患者さんで、中年の女性とだけ言っておきましょう。昨年暮れにカイロ治療で来院され、ひょんなことから便秘の話になったので、小塚を紹介しました。

「秋口から急に便秘に。1週間以上出ていない。水もたくさん飲み、野菜も食べているのに。原因がわからない」ということでした。小塚は触診で腹部に圧痛があることを確認すると、消化器系のツボと、ストレス管理のツボを同時に治療したそうです。するとこの方から翌日「快調だ!」と連絡があり、1週間後にメンテに来られた時には「排便のリズムが戻った」そうで、実質一回だけの鍼治療で問題解決となりました。

私も驚いたので、随分前から便秘に悩んでいる友人に頼み、この日本式鍼を試してもらいました。60代の女性です。大喜びで実験台になりにやってきましたが、よりによって市販の下剤を飲んで来たので、腹部の圧痛もほとんどなし。小塚がさらに突っ込んで聞くと、「毎年秋口から便秘になる」と言い出しました。

小塚曰く「最初の患者さんもそうでしたが、ニューヨークは秋口から極端に乾燥します。体に熱がこもると、体内の水分が蒸発して便が固くなるという典型的なパターンです。この場合、消化器系のツボ以外に、体内の水分バランスを整える治療と、体内の熱を取る治療をします」とのことでした。結果、友人はこの後「毎日のように飲んでいた下剤が必要なくなった」と大喜びでした。

睡眠の質向上に鍼

さてこの友人、「歳をとって寝つきが悪くなり、眠りも浅い」とも常々言っていたので、便秘と合わせて不眠の鍼治療も試してもらいました。睡眠不足で現れる痛みのポイント(圧痛)は必ずあり、どこが痛むのかによって対応するツボを判断します。

また、ニューヨークという多忙な街では交感神経と副交感神経のバランスが崩れ、交感神経過多になっている人が非常に多く(「今週のポイント」参照)、それが原因の不眠が多いそうです。夜になっても交感神経が働きすぎるために、不眠になるケースが多いということです。

小塚の行う日本式鍼の不眠治療は、必ずと言っていいほどこの交感神経と副交感神経のバランスを調整するそうです。「交感神経過多の人は、お腹の一部に圧痛があります。実は便秘とも関連しており、交感神経を緩める治療をすると、不眠と便秘の両方に効き目があることが多いです」とのこと。

日本式鍼灸師・小塚陽子さん(PacificCollege of Healthand Science卒業、NY州認定・NCCAOM認定鍼灸師)。ベルモンテ先生と

さらにいえば、便秘や不眠だけでなく、腹痛や頭痛、肩凝りなど、あらゆる体の問題の治療に、交感・副交感神経のバランスのリセットは非常に効果的です。「問題だけを解決しても、体全体を調整しておかなければ、またすぐに問題が再発するからです。東洋医学は体全体を見る医療です」と小塚。私の専門であるカイロプラクティックとの大きな共通点であり、当院が鍼治療に注目する理由でもあります。

ちなみに私の友人、お試し治療で便秘と不眠を解消し「ラッキー!」と言っていますが、次はきっちり払っていただきます。

 

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

E. 53 Wellness

211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
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