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今、米国の若い世代の間で1970年代後半から80年代にかけて日本で大流行したシティーポップを中心に熱狂的なファンが増えている。ブルックリン区に店を構え、レアものを揃えるフェイスレコードの間宮さんが選ぶ名曲を通して、その魅力を探ってみたい。
幻のジャパニーズフュージョンにシティポップファンも注目
カルト的な人気を博したレコードがついに今年の夏に再発される。当店には過去に一度しか入荷したことがない、幻のジャパニーズフュージョンである。今では、帯付きのオリジナルは10万円以上で取引され、過熱が止まらない。
昨今の高中正義、カシオペア、スペクトラムなどの日本の80年代フュージョンブームを代表する一枚となっている。世界的な女性キーボーディスト・菊池ひみこによる本作は、『A Seagull & Clouds』をはじめとする洗練された和フュージョンや、ベースがブリブリの『Baby Talk』といった好内容で、もはやシティポップかと思わせるほど。当店にも少量入荷される予定だが、人気殺到で再発のオーダーがストップしており、今後も希少になる可能性が高いので、ぜひ入手してほしい。また、菊池ひみこは90年代に人気のあった『Don’t Be Stupid』も必聴のアルバムである。
フェイスレコード■
2018年にウィリアムズバーグ地区にオープン(営業は木曜日から日曜日の午後1時〜7時)。シティーポップをはじめ、山下達郎、竹内まりや、坂本龍一、YMOなどに代表される日本の音楽を中心に、ヒップホップや日本盤のジャズロックなども豊富に取り扱う。在庫数は8000枚、新入荷は毎週金曜日。レコードの買い取りも受け付け中。1994年に東京で創業し、現在は日本全国に全6店舗展開中。
間宮祐一
横浜市出身。脱サラし、2015年からニューヨーク在住。18年に同店をオープン。自身も筋金入りのレコードコレクター。また、ヒップホップの楽曲制作も行い、2020年に客演に『Freddie Gibbs』(グラミー賞ノミネーター)を迎えたシングルレコードを発表。座右の銘は「NO VINYL NO LIFE」。