ドクターベルモンテが教えるウェルネス道

赤ちゃんのカイロプラクティック治療=後編=

今月のテーマ:赤ちゃんのカイロプラクティック治療 =後編=(Vol.22)

現代に生きる老若男女が健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


コリックもカイロで原因により改善可能

新生児・乳幼児へのカイロプラクティック治療が、カイロプラクティック大学のカリキュラムに含まれ、薬剤を使わないカイロプラクティック治療が妊婦さんや乳幼児に適していることは、先月お話ししました。赤ちゃんが生まれたその日から安全に受けることができるのが、カイロプラクティック治療です。

当院で長年勤務するラルフ・キャスティオグリオーニ先生は、新生児・乳幼児向けカイロプラクティック治療のエキスパート。そのため、当院には実にたくさんの妊婦さん、新生児・乳幼児の患者さんが来られます。私自身は、妊婦さんの安産を支援する治療が得意分野で、ラルフ先生と連携し、母子をリレー診療しています。新生児のカイロプラクティック治療は、当然ながら大人のそれとは全く異なります。

指でかるーく触るだけ

赤ちゃんの治療では、カイロプラクターが2本の指で首や背骨、骨盤などを軽く触り、構造に問題がないかを確認します。新生児の場合は通常、仰向けに寝かせ、体の下に指を入れ、首から背骨を軽く触ります。生後数日から数カ月の乳児になると、お母さんに縦に抱っこしてもらい、乳児の背中をカイロプラクターが触って診察することもできます。

何を診ているかというと、首から尾骨にかけての構造に問題がないかどうか。ラルフ先生くらいのエキスパートになると、指の感覚で、軽く触っただけで異常の有無が分かります。

異常がなければそれでよし。では、例えば少し背骨にズレがあるような場合はどうするのでしょうか。これもご心配なく。赤ちゃんの骨や靭帯は柔らかい分、一度の治療で矯正できることもあります。難産のケースでは、数回通院してもらうこともあります。

 

ベルモンテ先生(左)と、新生児・乳幼児カイロプラクティック治療のエキスパート、ラルフ先生

乳首への吸い付き矯正

実際、どんな理由で親御さんから相談を受けると思われますか? 頭の形

が変だとか、実に色々な理由で来られますが、意外に多いのが母乳育児をするお母さん方からの相談で、「赤ちゃんが乳首に吸い付けない」というものです。妊婦時代から、安産支援のカイロプラクティック治療を受けているお母さんは、真っ先にうちに来られますが、そうでない場合も、母乳育児の支援グループや、ラマーズクラスのママ友から勧められ、相談に来られるケースが多いです。

読者の皆さん、カイロプラクティック治療で本当に赤ちゃんがお母さんの乳首に吸い付けるようになるのか、「ウソだあ」って思っているのでは? もちろん、乳首に吸い付けない原因、理由はさまざまで、全てのケースをカイロプラクティックで解決できるわけではありません。しかし、吸い付けない原因が赤ちゃんの神経系にある場合、カイロプラクティック治療で神経系統の機能を回復することで、吸い付けるようになることがあります。実際に、そうしたケースを何度も見てきました。

そして、最も多い相談はコリックの改善です。コリックというのは、赤ちゃんが何時間も泣き続ける状態のこと。これも理由はさまざまで、栄養や消化機能の問題などがありますが、とにかく何らかの問題で気分が悪いから泣くわけです。こちらもカイロプラクティックで全部治せるわけではありませんが、赤ちゃんの気分が悪い原因が首や背骨の状態にある場合、それを微調整することで、コリックが改善することがあります。もちろん、こうした場合は、小児科医とも連携して治療をしますのでご心配なく。

さらに、新生児と一緒に産後のお母さんも一緒に治療することもしばしばです。出産で開いてしまった骨盤を、元の位置に戻すことは、カイロプラクティックの専門分野でもあります。

 

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

E. 53 Wellness

211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com


今月の教訓!

「コリックの原因、背骨にあるかも」

前回に続き、今回も記事を読んでびっくりされた人は多いのではないでしょうか? 母乳育児の問題や、赤ちゃんのコリックを、カイロプラクティックで改善できることがあるなど、考えたこともない人は多いはず。こうした問題はまず小児科医師や、母乳育児コンサルタントに相談しますが、それでも改善しない場合は、乳幼児専門のカイロプラクターに相談すべし、です。薬も使わず、柔らかいタッチの乳幼児向けテクニックは、とても安全です。

リクエスト募集中▶ドクターベルモンテへの質問や取り上げてほしいテーマについてはeditor@nyjapion.comまで!

 

               

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