巻頭特集

激動のコロナ禍教育 リモート授業に自宅学習…利点と弊害とは

学習サポートするお役立ツール一覧

Student Learning Standards

日本にも文部科学省の定めた学習指導要領があるように、各州も学年ごとに、学習内容の大まかな基準「スチューデント・ラーニング・スタンダーズ(SLS)」を設けている。親がクラス学習のサポートを考える際は、まずこのSLSを確認してみるといい。

ニューヨーク州「engage ny」

engageny.org

 

 

 

▶ニュージャージー州教育局

nj.gov/education/cccs/2020

 

 

 


カーンアカデミー

 

ハーバード大学経営学修士出身の創業者が、2005年に自身のいとこ向けに始めたオンライン学習ツール。今ではNASA、ニューヨーク近代美術館、MITなどの各機関と提携して、高水準の授業を展開している。ビデオや解説画像を交えながら、数学、美術史、物理学などをレクチャー。日本語を含め36言語で展開されており、ブラウザ利用できるので専用ソフトウエアのインストールも不要。何より、全て無料で利用できるのがすごい!

ja.khanacademy.org

 

 

 


WNET

 

幅広い年齢の子供の学習サポートとして、ビデオやインタラクティブ・プロジェクトを、さまざまなプラットフォームで展開している。プリK向けに情操教育を育むオンラインゲームや、米国史を学ぶ7〜12歳向けのビデオなど、対象年齢やメディアの種類もバラエティーに富んでいる。家族で学ぶコンテンツには、自宅でできる科学実験シリーズなどもあるので、年末年始の休暇中に子供と取り組むのもいいかもしれない。

wnet.org

 

 

 


SimplyE

ニューヨーク公共図書館(NYPL)が運営する、無料のデジタルブック&オーディオブック利用サービス。スマホアプリをダウンロードして使う。絵本からティーン向け小説、そして大人向けの一般書までが自由に閲覧可能! ただし、それぞれの本は「貸し出し期間」があるので注意。利用には同館のカードが必要だが、持っていない人もアプリ内で簡単に登録できるので安心だ。

nypl.org

 

 

 


家庭学習に疲れたら「音読」
「オケどく」ってなんだ?

現在の学習形態では、ビデオ授業やドリル解きが中心。先生が直接指導できない分、親が子供に物事を説明する機会がグッと増えた。子供の理解力を鍛えるためには何が有効だろう?

収録の様子

今月にオープンしたばかりのオンラインサイト「オケどく」(okedoku.com)がたどり着いた答えは「音読」。「脳トレ」で一世を風びした、東北大学の川島隆太教授が推奨していることで知られている。「オケどく」は、BGM付きナレーション音源と、ナレーション不在のカラオケ音源のセットで、音読を楽しく効果的に行うことを目的とする。

日本の保護者らによって開発され、現在、一部の都内小学校で導入されていて、好評を得ているそうだ。

ドラマや舞台で活躍する現役俳優が情感たっぷりに読み上げ、BGMは舞台音楽のプロが作成。弦楽器の繊細な音色と、感情の込もったストーリーテリングが、物語の情景を鮮明に描き出す。内容を十分理解したら、今度はBGMに乗せて自分で音読してみることで、キャラクターの心情や言葉の持つ意味を一層深く理解できることだろう。

現在、オノマトペが印象的な詩文「やまなし」(作=宮沢賢治)と、「ごん、おまえだったのか」で有名な「ごんぎつね」(作=新美南吉)の二つの名作を販売中。今後、教科書指定作品を中心に、レパートリーの拡大を目指している。

発売中の音源のアートワーク

 

 

 


座学以外科目大変!

ところで、実技を伴うパフォーミングアーツ教育は今どうなっているのだろう? グリニッジハウス音楽学校に勤める、この道20年以上のベテランピアノ講師、カリーン・イッツェンさんに話を聞いた。

 * * *

現在の勤務状況は?

3〜6歳を対象とした、幼児向け音楽クラスを受け持っています。教室で6フィートずつ離れ、マスク必須の状態で対面授業を行います。クラス前後にはピアノの鍵盤ひとつひとつを徹底消毒。手も1クラスにつき4回洗いますよ。数カ月ごとに検査も受けています。

私は対面授業の方が好きですが、教員によっては感染を懸念して、完全リモート授業に移行しています。

生徒の参加状況は?

概算ですが、4分の3以上の生徒が受講を中断してしまっています。郊外・州外に引っ越したためにクラスに通えなくなった子や、生活環境の変化からオンライン参加も難しくなった子がいます。

音楽教育をリモートで行うと、どんな弊害があるのでしょう?

まず、生徒全員が自宅で楽器を演奏できるわけではありません。ピアノやその他の楽器が自宅にない状態で授業を受ける子もいます。

ビデオ通話では、音質が変わったり、音が遅れて聞こえたりするので、合奏ができませんね。また、生徒の手元を見ながら、あるいは自分の演奏している手元を見せながら指導できないと、通常より時間が掛かるのも困ります。動画など教材になるものをオンラインで探すのですが、ぴったりのものはなかなかないですし。

グループ指導の音楽クラスでは、同じ空間で、同じアクティビティーを行うことに意義があると思うので、それができない現状に寂しさも覚えます。

保護者の反応は?

この状況に理解を示していて、協力的なことがありがたいですね。ただ、特に幼児クラスでは授業中付ききりで子供をサポートする必要が出てきて、大変です。子供に、45分間クラス画面を見せるのはなかなか難しいですしね。

 

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