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春到来とともにグリーンマーケットには、さまざまな春野菜が勢揃い。ニューヨークの短い春を彩る旬の味を堪能しよう。
(取材・文/加藤麻美)
収穫前に急速に成長し、新芽が「木質化」しない春野菜は、他の季節に収穫される野菜と比べて柔らかくみずみずしいのが特徴。料理家の小松平ゆみさんに、ニューヨーク市内のグリーンマーケットで手に入る春野菜の効能と調理方法を聞いた。
─グリーンマーケットに出回る春野菜にはどんなものがありますか?
代表的なものに、菜花、ダンデリオン(タンポポ)、春キャベツ、チャイブやソレル、ピーシューツ(エンドウ豆の芽)、グリーンオニオン、パースニップス、ランプス(ラッキョウ)、スパウト、ウォータクレソン、アスパラガス、レッドラディッシュなどがあります。
ニューヨーク市環境評議会(CENYC)が運営するグリーンマーケット(GrowNYC)のホームページには、各月の収穫物が表になって出ているので、興味があったらチェックしてみてください。
─春野菜にはどんな効能がありますか?
葉野菜を含む緑黄色野菜は低カロリーで食物繊維が豊富なので自然なデトックスの手助けをしてくれます。食物繊維を十分に摂取するとまず便通が良くなります。満腹度も高まるので体重をコントロールできます。もちろん血中コレステロールも減少します。
春野菜に含まれる栄養素としては、葉酸、鉄、ビタミンC、カルシウム、ビタミンK、抗酸化物質のカロテノイドやフラボノイドなどがあります。水溶性ビタミンの一種である葉酸が欠乏すると、心臓病や脳卒中、うつ病になるリスクが上昇するといわれています。
濃い緑色の葉野菜は、細胞のエネルギー産出を助けるミネラルである鉄分やビタミンCを豊富に含んでおり、ビタミンCは鉄分の吸収を促進する働きがあります。
カルシウムを豊富に含む食物というと、牛乳やチーズなどの乳製品を思い浮かべますが、植物性カルシウムは、牛乳からのカルシウム吸収率と「同等かそれ以上」との研究報告もあります。また、肉や乳製品などの動物性タンパク質を多く含む食事は体内を酸性にして骨を弱くしますが、葉野菜など植物性カルシウムを含むアルカリ性の食事を摂ることで、骨量減少を防ぐことができるといわれています。
カロテノイドに代表される抗酸化物質は活性酸素(フリーラジカル)の発生を抑制し取り除く作用があります。活性酸素の働きで作られる過酸化脂質が引き起こす動脈硬化を予防したり、老化やがん発症の抑制に対しても効果があるとされています。
─春野菜の効能を生かす調理法は?
葉酸とビタミンCは熱で破壊されやすいため、サラダなどにして生で食べるか、軽く蒸す程度がいいでしょう。一方で黄緑色野菜に含まれる抗酸化力は、炒めたり煮たりしたときに栄養の吸収率が最大化されるので、食事には生野菜と調理した野菜の両方を取り入れるといいでしょう。
生野菜でもケールやスイスチャードなど葉がゴワゴワしている野菜は消化不良を起こすことがあります。これらの細胞壁が厚い葉野菜は薄いリボン状に切りボウルに入れ、オリーブオイルとレモン汁、塩とコショウを少々振りかけて、清潔な手で優しくマッサージするように揉んであげましょう。オリーブオイルと塩の摩擦で細胞壁が破壊され、消化しやすくなります。また、抗酸化力を高めるには、少量の水でさっと蒸し煮にしたり、少量の水またはオリーブオイルで軽く炒めること。くれぐれも火を通し過ぎないことです。
─春野菜を美味しく調理する際の注意点は?
春野菜は手早く調理するのがコツ。先述したように長く煮たり焼いたりしないことです。茹で具合は「まだ生かな?」と感じるぐらいで十分。さっと湯通しした後、薄味で調理すると、春野菜ならではの美味しさを楽しめますよ。
お話を聞いた人
小松平ゆみさん
料理家、フードスタイリスト兼写真家。和食育インストラクター。創業60年の小松平海草株式会社・米国法人代表。スタテン島にあるレストラン「エノテカ・マリア」の和食部門調理人を務める。今年1月には初のレシピ集「Japanese Superfoods」も出版。
インスタグラム@K_seaweed
ニューヨーク州の月別収穫物
grownyc.org/greenmarket/whatsavailable
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