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屋外でランチを楽しめる季節になってきた ニューヨーク。テイクアウト需要が高まり、ますます進化を遂げているのがフードトラックだ。今号ではパンデミックの影響や近年のトレンドについて解説し、ニューヨークで楽しめるおすすめ のフードトラックを紹介する。
ニューヨークのフードトラック事情を解説
ホットドック、プレッツェル、アイスクリームにハラルフード。ニューヨークの街を歩くと、昼夜問わず至る所でフードトラックを見つけることができる。実はこの街で初めてのフードトラックが、カキを売っていたことをご存知だろうか。
1800年代のニューヨークは世界随一のカキの産地だった。価格が手頃で、誰もが気軽に食べられる食材だったという。20年代にはカキ専門レストランがオープンし、店先に出て手押し車で売られるようになる。これが、ニューヨーク初のフードトラックだといわれているのだ。その後、80年代には多くの移民が流入し、ローワーイーストサイドに住むユダヤ系移民たちが近隣の路上でコーシャフードを売り歩くように。彼らの習慣が後に、この街のフードトラック普及の一端を担ったそうだ。
最新のトレンドは?
カキから始まったフードトラックは、コーシャフードを売る手押し車に代わり、ホットドック店へと姿を変えた。ここ20年を振り返ると、人気店「ハラルガイズ」を筆頭にハラルフードを販売する店が目立つようになった。また近年の健康志向の高まりに伴い、ベジタリアンメニューやグルテンフリーを売りにしたフードトラックも増えている。
ニュージャージー・フード・トラック・アソシエーション(NJFTA)会長のジョン・ヘプナーさんによると、最新のトレンドはケータリングと前払いシステムの導入だという。従来フードトラックといえば、決まった時間に特定の場所で営業する店が多かったが、結婚式や企業主催のイベントに出店し、団体客に向けたケータリングをメインに営業する店が増えているのだそう。現金だけでなくクレジットカードやベンモでの支払い、オンラインオーダーで前払いできる店も多く見られるようになった。
パンデミックの影響は?
相当数のフードトラックが、コロナ禍で閉店を余儀なくされた。ジョンさんいわく、オープンしたばかりのトラックにはPPPローン(給与補償プログラム)の条件を満たせず、営業再開を断念せざるを得ない店も多かったという。
「コロナ禍を生き抜くためには、集客の見込めるフェスやイベントを見極め、それらに積極的に出店していく必要がある」とジョンさんは言う。メニューの購買層を把握し、提供する時間と場所について考えるのも重要なポイントなのだそう。昼間の高級住宅街で評判になるトラックがあれば、夜遅くに繁華街で成功するトラックもある。ターゲット層、時間、場所の全てがフィットしなければ、競争の激しいフードトラック業界で生き残るのは厳しいとのことだ。
フードトラックは今後どうなる?
ジョンさんは、「おいしい料理を納得のいく価格、かつ安全な環境で提供できるフードトラックは、コロナ禍の影響を受けながらも今後どんどん成長していくだろう」と話す。パンデミック後、インドアダイニングの業績が伸び悩む一方で、フードトラックの需要は増加傾向にある。暖かい季節が到来し、屋外イベントの増加も追い風となっているそうだ。次頁では、コロナ禍を耐え抜き、ニューヨークで営業するおすすめのフードトラックを紹介する。