ニューヨーカーも絶賛 日本人オーナーの古着屋さん
日本人ならではの感覚や知識、審美眼を活かしたビンテージショップが、ニューヨーカーや観光客から人気を集めている。おしゃれが楽しくなる秋、お散歩がてら出かけてみよう。
「アメリカらしさ」「ニューヨークらしさ」が揺らいでも、ピザのうまさは揺らがない。ピザ激戦区・ニューヨークでも「名店」とうたわれる店を食べ比べて、その奥深さに思いをはせてみよう (取材・文/南あや)
米国だけでも、年間30億枚を消費するといわれているピザ。1人あたり9枚という脅威の数字だ。
その歴史は諸説あるがかなり古く、紀元前29〜19年ごろに執筆された叙事詩アエネーイスには、勇者アエネアスが、マッシュルームとハーブをトッピングした「薄い小麦でできたケーキ」を食したという、ピザらしき記述がある。
ピザ専門のオンライン注文サービス「スライス」(slicelife.com)のディレクター、ケイトリン・ノースコートさんにいわせると、ピザは米国人にとって、「思い出」の象徴。
「金曜夜の家族とのディナー、スポーツゲーム観戦、そして誕生日や人生の節目のお祝い。みんなの人生の中にある、社会の動きを思い起こさせるから、誰もがピザを求めているのでしょう」とケイトリンさん。
米国では驚異の消費量
「スライス」はニューヨークにある約1万5000軒のピザ店に、ウェブサイトをはじめとしたオンラインリソースを提供したり、独自のロイヤリティープログラムを展開したりすることで、地元の小規模ピザ店と顧客をつなぐ。サービスは全米各都市で展開中。
同社サービスを通して、1日で最も注文が多いのは午後5時。一番人気の具材はもちろん、米国でのピザの代名詞的存在、ペパロニだ。それと同時に、2020年は動物性食材を使わない「ビーガンピザ」の注文が前年比106%を売り上げたそうだ。
ケイトリンさんの分析では、ニューヨークでは産地を明確にした新鮮な食材を使ったピザを売りにする店が増えている。また最近では、ピザ生地や具材(あるいはその両方)にホットハニーを入れ、味にピリッとしたアクセントを付けるという流行もあるそうだ。
一言でピザを語るなかれ
ニューヨークでピザといえば、激安ピザ店でおなじみの巨大なうすーいスライスを、紙皿にのせてかぶりつくイメージだが、これはピザの一種に過ぎない。
ところ変わればピザも変わる。有名なシカゴピザ以外にも、セントルイスやコロラド、カリフォルニア、ハワイなどさまざまスタイルのピザが存在する。またピザの本場と称されるイタリアでも「ナポリ」「シチリア」など多様な種類のピザがあるように、世界に目を向ければそのバラエティーの多さにはめまいがする。
最近、ニューヨーク市内でじわじわ人気が高まっているのが、デトロイト発祥の四角い「デトロイトピザ」。フカフカな生地は、ニューヨークピザのあの薄さと比べると驚いてしまう。
ニューヨーク生活が長くなり、「せっかくの外食で、今さらピザ?」なんて思っている人にこそ、市内の多種多様なピザ店の味を、その奥深さを堪能してみてほしい。
〈参考文献〉
Elliot, T., & Elliot, J. (2020). Pizza: History, recipes, stories, people, places, love (A book by Pizza Pilgrims). Quadrille.
TasteAtlas. (2021, January 13). 50 Most Popular Pizzas in The World. https://www.tasteatlas.com/50-most-popular-pizzas-in-the-world
現代ピザの起源はナポリにあるといわれている。もし「本物」を名乗りたいのであれば、同地にある「真のナポリピッツァ協会」が、材料や制作方法を厳しく査定して認定する。伝統的には、モッツァレラチーズとトマトをトッピングし、まきオーブンで焼く。「みみ」に空洞があり、サクサクしているのが特徴
おそらく世界で最も流通しているスタイルのピザ。ニューヨークに最初に普及したナポリピザをアレンジしたもので、一切れが大きい。モッツァレラチーズとトマトソース、そしてニンニクパウダーがスタンダードな具材
ニューヨークにやってきたシチリア系移民が作ったピザ。四角くカットするのが特徴。火が通りやすいよう、分厚い生地の上にチーズを敷き、上からたっぷりトマトソースをのせる。本場シチリアではモッツァレラチーズを使わないようで、そこは当地で進化したポイントだ
深皿の形をした生地で作る、ユニークスタイル。生地がカリカリに仕上がるのがポイント。ウィスコンシンチーズ、ソーセージ、玉ネギ、ピーマン、トマトなどを入れて、45分ほどゆっくり焼く
四角い生地に直接チーズを敷き、その上にたっぷりのトマトソースや具材をのせる。厚みがあり、食べ応えはディープディッシュにも似ているかも。ペパロニがスタンダードなトッピング
直訳すると「おばあちゃんのパイ」。ピザ生地を発酵させる時間を短縮し、鉄のパンに入れて焼くので、薄くて固めの生地がカリカリに仕上がる。ロングアイランドでポピュラーなスタイル。ちなみに、ピザ全般を「パイ」と称するのは米国だけのようだ
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