巻頭特集

今年の冬休みは日本で過ごす!

コロナの規制が大幅に緩和され、帰国・入国がだいぶスムースになったこの冬。久しぶりに日本で年末年始を過ごそうと計画している方も多いでしょう。今回はそんな帰省事情をリサーチ。(取材・文/伏見真理子)


燃油や物価の高騰、円安など気になる日本への帰省・旅行の現状

HISの内村圭作さんにインタビュー

10月11日より日本政府の水際対策が大幅に緩和され、入国制限の撤廃に続きビザの不要と個人旅行の解禁、全ての帰国者・入国者の入国時検査の実施の取りやめを開始した(新型コロナ感染の疑いがある者を除く)。また、全国を対象とした「観光需要喚起策」の全国旅行支援も開始され、今年の冬は日本国内、旅行者で賑わうことが予想される。

━例年に比べると今年の冬に帰省される方の割合は?

昨年冬の帰省シーズン、そして今年の夏休みと比べると今年の冬はコロナへの規制が緩和され、日本へ帰省、旅行される方が増加傾向にあります。

10月11日以降、外国籍の方の観光ビザ取得が不要になりましたので、国際結婚をされている方は外国籍のご家族を伴って日本への帰省、そしてこれまで日本への旅行を待ち望んでいたローカルの方々から渡航に関して数多くのお問い合わせをいただいております。

━平均滞在日数は?

コロナ前と比べると皆さん長めの滞在を希望され、3〜4週間を考えています、という方が多く、コロナを機にリモートワークが出来るようになった方やワーケーションを取りやすくなった方もいらっしゃいます。

━この冬の帰省に関して何か特徴はありますか?

第一に入国規制緩和がありますが、急激な円安という状況もあり、航空券や燃油サーチャージは高額になるけど、「円安だから今行かないと」と思われる方が多い様です。

コロナと経済の動きが重なり、この冬は稀に見る状況かと思います。航空券予約においては、エコノミーとプレミアムエコノミーの料金差が数百ドルという場合もあり、機内でゆっくりと過ごしたいと、プレミアムクラスを購入される方もいらっしゃいます。

━この冬の帰省時期、何か懸念されることや期待されることはありますか?

規制緩和がされ日本に帰りやすくなることは良い点なのですが、その反面、ご高齢の方の入国手続きへの不安もあります。日本政府が水際対策で推奨している「My SOSファーストトラック」は11月1日から「Visit Japan Web」(※1)というものに変わります。どんどんデジタル化が進み、スマートフォンで操作していかなければならない現状についていくことが困難だと言うお声も聞いております。

私たち旅行会社側も政府がその都度、推奨している内容を常にフォローしていても、現在私どもは、ご来店での接客は行っておらず、電話での対応になりますので、お客様のお手伝いにも限度があり、ご高齢のお客様へのお手伝いが難しい場合もあります。

また、日本の空港の混雑も懸念されますので、早くパンデミック以前の状況に戻ってくれることを願います。そして、懸念されている長引く円安ではりますが、同時にインバウンド消費額の伸びが期待できますので、そこにあやかり、きっかけとして日本が世界から遅れをとっている分、「安い国」としてではなく、しっかりと世界標準に対応されるように経済が回復されることを期待しております。

 

内村圭作さん
アウトバウンドリテールマネジャー

法人から一般予約まで幅広く担当。プライベートでは気ままな1泊2日の一人旅を楽しむのが趣味。

HIS ニューヨーク支店
TEL: 877-447-8721
tour.his-usa.com


Visit Japan Web(※1)

11月1日から日本へ入国・帰国される方は「検疫」「入国審査」「税関申告」を一貫してウェブで行うことができるサービス。詳しくはコチラから。

vjw-lp.digital.go.jp

【入国(帰国)前に行うこと】
STEP0▶︎アカウント作成を行い、ログインしてください
STEP1▶利用者情報の登録(同伴する家族の情報も登録できます)
STEP2▶スケジュール(入国・帰国)予定を登録
STEP3▶必要な手続きの情報登録

【日本到着時に行うこと】
入国・帰国の手続きでQRコードを表示して提示するだけ

利用可能空港:成田空港、羽田空港、関西空港、中部国際空港、福岡空港、新千歳空港、那覇空港

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