今週からプロリーグの新シーズンが始まったアイスホッケー。スピーディーな試合展開とフィジカルテンションが最大の魅力だが、TVで観るのと実戦をナマで観るのがこれほど違うスポーツもない。今年こそ、アリーナに足を運んでアイスホッケーを観戦してみよう。
読書と本が好&#
毎年6月はプライド月間。NYジャピオンでも、今月第1週号でニューヨークのプライドムーブメント特集が組まれ、LGBTQ+の声を届けるアートやカルチャー、各地のコミュニティーが紹介された。
当事者たちの声を響かせたり居場所となるスペースとして、書籍の存在も大きい。中でも、若い層を含め幅広く読まれるグラフィックノベルや漫画のフォーマットには、多様なLGBTQ+の姿を色彩豊かに伝える作品が豊富にある。一方で、皮肉にもそれを理由に禁書の標的にされやすい。
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想像を広げ、理解をじっくり深める
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LGBTQ+理解には向上が見られるとはいえ、禁書に象徴されるように、存在を排除したり孤独にさせる動きは今も大いにある。であれば、その存在と経験を社会の中で可視化する役割を持つ本をなおのこと積極的に読もう・・・その思いを込めて、おすすめのグラフィックノベルや漫画をいくつか紹介したい。
■『塩とコインと元カノと』
ヒロミ・ゴトー、訳:ニキ・リンコ
レズビアンの元カノを持つバイセクシュアルのクミコは、76歳の日系カナダ人女性─北米文芸ではかなり珍しい主人公の設定だ。クミコは夫に先立たれ、娘たちに高齢者ケアホームに入るよう強引に説得される。抵抗する彼女は、老いに悔しさを覚えつつ一人暮らしを続け、「死の影」と闘う。悠々自適に生きようとする、一筋縄ではいかないクミコのキャラクター描写が実に魅力的。
■『スピン』
ティリー・ウォルデン、訳:有澤真庭
アイススケートに青春を捧げた著者・ティリーの回顧録。しかし競技に情熱は持てず練習に疲弊し、さらに母親とのぎこちない関係性や、学校や練習場でのいじめなどから、不安と自信のなさが育つ。加えて、ティリーは自分がレズビアンであることに怯える。好きな女性と相思相愛とわかっても恐怖を抱く様子や、カミングアウトに対する周りの反応の描写は、10代の当事者が抱くやりきれない思いを想像させる。
■『弟の夫』
田亀源五郎
日本で娘と暮らすシングルファーザーの弥一は、カナダに移住した双子の弟を亡くしている。その弟の夫である白人カナダ人男性マイクが、日本を訪ねてくる。弥一と娘の夏菜、そしてマイクは、日本で共に時間を過ごす中、同性愛や外国人、父子家庭といった「普通じゃない」要素を理由に偏見や差別を受ける場面をそれぞれ経験する。三人が周りの人たちと対話を続け、自分たちを含め人々が持つ凝り固まった考え方をほぐしていく様が印象的。
■『The Third Person』
Emma Grove(日本語訳未発表)
こちらも回顧録。就職に苦心したトランス女性の著者・エマは、医学的トランジションであるホルモンセラピーの前段階として、心理セラピーを受ける。しかし心理セラピストは、面会ごとに人格が変わるエマの様子から解離性同一性障害の可能性を疑い、その治療が完了するまでホルモンセラピーの処方箋は出せないと判断する。エマは、ジェンダーが異なる三つの人格が医学的トランジションの決定について葛藤する状況、さらに解離性同一性障害の原因と考えられる過去のトラウマとも向き合わなくてはならなかった。その苦難の実体験を綴った、900ページに及ぶ大作。
■『R o a m i n g 』
JillianTamaki, Mariko Tamaki(日本語訳未発表)
カナダ出身の大学1年生、ダニ、ゾーイ、フィオナが、2009年の春休みにニューヨーク市内を巡る物語。大学進学を機に髪を刈ったり、自分のバイセクシャリティーを解放するようになったゾーイは、ダニが大学で出会った新しい友人でレズビアンのフィオナと恋に落ちる。一方で、高校時代の親友ゾーイが変化していく様にダニは戸惑う。自立と冒険を象徴する旅行を舞台に、繊細なキャラクター描写と感情表現が溢れる作品。
グラフィックノベルは比較的短時間で読める上に、読者の想像を広げ、理解をじっくり深める力を秘めている。是非その豊かさに触れてみて欲しい。
COOKIEHEAD
東京出身、2013年よりニューヨーク在住。ファッション業界で働くかたわら、市井のひととして、「木を見て森を見ず」になりがちなことを考え、文章を綴る。ブルックリンの自宅にて保護猫の隣で本を読む時間が、もっとも幸せ。
ウェブサイト: thelittlewhim.com
インスタグラム: @thelittlewhim
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