巻頭特集

H、E、L、Oビザなどの非移民ビザや永住権に関する最新情報を紹介

ビザ別最新情報

各ビザの最新の状況はどうなっているのか。セラウロ弁護士に引き続き聞いた。


H-1ビザ

Q. バイデン政権になってからH-1bビザの取得に関する制度は変わりましたか?

A.

今のところ変わっていません。移民局(USCIS)は、トランプ政権のH-1bに関する最後の規制措置の一つとして今年1月7日、H-1bビザの合格者を決定する際、従来のランダムな抽選制度を廃止し、労働局(DOL)の職業別雇用統計(OES)の賃金構造に従って申請者をランク分けし、各業種において提示された給与が最も高い外国人にH-1b選考の優先権を与える方式に変更すると発表しました。

一方、バイデン政権は、この規制の実施を延期、さらにDOLは6月23日の裁判所命令を考慮して同29日、運用方式は従来通りの方式とすると発表。商工会議所の訴訟を受けて9月15日、賃金規制は取り消されました。DOLが今後、この春に実施したパブリックコメントの募集で寄せられた意見を参考にして、新たな賃金規則を打ち出す可能性はありますが、現在実施されているH1-bの抽選方式がいつ終わり、新しい方法に置き換えられるかなどについては、現時点では不透明です。

 

Q. 修士号(マスター)保持者は、学士号(バチェラー)のみの人より抽選で優遇されると聞きました。それは変わりませんか?

A.

移民法上の2022年度枠のH-1bビザ受付数は、学士号を含む一般枠が6万5000、米国の大学で修士号以上の学位を取得し、同学位が職務に必要な場合の修士号枠が2万です。まずは全体の登録者で6万5000の枠を抽選し、それに落選した修士号以上の学位保持者は2万の枠の抽選にかけられます。

 

Q. 今年の12月31日まで抽選制度が延長されましたが、H-1bビザの取得状況は変わりましたか?

A.

新規H-1bビザおよび延長(エクステンション)の認可(アプルーバル)数は向上しています。トランプ政権は延長の申請を新規の申請と同様に厳しく再審査していたため、却下されることがあリましたが、バイデン政権は、この政策を廃止しました。延長時に状況の変化がなかったら、比較的簡単に更新できます。


E-1、E-2ビザ

Q. Eビザの認可状況は、新型コロナウイルスのパンデミックで変わりましたか?

A.

その前にEビザについて簡単に説明します。Eビザには3種類あり、米国が通商航海条約を結んでいる国の国民が対象です。そのうち日本人が関係するのはE-1とE-2です。E-1ビザを取得するには、スポンサーとなる会社の50%以上の株式などを日本国籍の個人または企業が所有していること、およびその会社の取引額の50%以上が日米間で行われていることが主な条件です。「投資駐在員」ビザと呼ばれるE-2ビザも、投資する企業の少なくとも50%の株式などを日本国籍の個人または企業が所有している必要があります。投資は実際に運営されている企業であり、活発な商業または起業的事業で、投機的または遊休の投資には資格がありません。

E-1とE-2ビザの認可率は2国間の商取引の実績によって異なり、日本国民の認可率は、オバマ、トランプ、バイデン政権いずれにおいても良好です。新型コロナウイルスのパンデミックにも影響を受けていません。


Lビザ

Q. LビザはEビザ同様、比較的短期で取得できると聞きましたが、その状況は変わっていませんか?

A.

Lビザは、現在の雇用主の会社から米国の親会社、子会社、支店または関連企業に赴任する人に発行されるビザです。

現在の雇用主が赴任先の会社の50%以上の株式などを所有していること(またはその逆の関係)が必要となります。赴任者には赴任直前3年間のうちの最低1年間、管理職や幹部職または専門的な知識を必要とする職務経験が要求され、赴任先でも同様の職務に就くことが条件となります。

米国企業の年間売り上げが2500万ドル以上など、その他一定の条件を満たして、移民局から「ブランケットL会社」の承認を得た企業の従業員は、比較的簡単にLビザ取得ができますが、そうでない場合の審査はここ何年間か厳しい状況です。

なお、LビザはEビザと同様、永住権申請をする際、「マルチナショナルトランスファーのカテゴリー」に分類される可能性があり、その場合は労働局を通さずに直接、移民局に申請できる可能性が高いため、永住権取得にかかる期間は比較的短く済むと思われます。


Oビザ

Q. Oビザの取得は年々難しくなっていると聞きました。最近の状況を教えてください。

A.

Oビザは、科学、教育、ビジネス、スポーツの分野(O-1a)または芸術の分野(O-1b)で「並外れた能力」を持つ人物として認定された人が取得できます。

並外れた能力を持っていると認められるには「出身国および国際的に持続的な評価を受けている」ことが条件となります。過去に簡単に取得できた時期もありますが、現在は大量の証明書類の提出を求められることがほとんどです。それに追い討ちをかけるように新型コロナウイルスのパンデミックが起こり、取得はさらに困難になっているようです。

例えば、音楽や演劇、ダンスなどのパフォーミングアーツの分野では、カンパニーやエージェントに雇用され、申請者の今後3年間の公演予定を移民局に提示しないと認可されないこともあります。雇用されず、アーティストとしての活動による収入がなく、税金も払っていないといった状況の場合は推して知るべしでしょう。パンデミックの間に仕事をしていなければ、実質的には「資格外」となり得ます。

パンデミックを乗り切るためには、Bビザ(商用や旅行または治療を目的として米国に短期入国する人が対象)を取得する手段もありますが、Bビザの有効期間は商用や治療に要する一定期間のみです。トップクラスのアーティストや科学者などは、自分がスポンサーになって永住権を申請することも可能です。

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