

NY州認定弁護士。幼少時から20年以上にわたり神戸に住む。オーストラリア、マクエアリ大学法科大学院卒。日米両国の大学で法科の専任講師を勤めた経験もある。主に、家族法、移民法、傷害、軽犯罪を専門とし、法廷経験豊富。2002年、妻のスザンヌ・ウエイン弁護士と法律事務所を設立。
今月は「医療過誤」。第1回目は、医療過誤の被害に遭ってしまった場合の、訴訟手続きなどについて聞きます。
「医療過誤」とはどのようなケースを指すのか教えてください。また、医療過誤の被害者数は、アメリカではどのくらい報告されているのでしょうか。
アメリカの医療過誤には様々なケースがあります。統計の一部を紹介すると、毎年、アメリカ全土で医療過誤によって亡くなる人の数はおよそ次のとおりです。
・病院内における投薬ミスによる死亡者数/7000人
・病院内における、その他の医療ミスによる死亡者数/2万人
・不必要な手術による死亡者数/1万2000人
・院内感染による死亡者数/8万人
・薬の副作用や中毒など、薬の処方や量が不適切だったことによる死亡者数/10万6000人
医療過誤の被害者になってしまった場合、どうしたらいいでしょうか。また、訴訟を起こすことになった場合、どのような書類が必要ですか。
医療過誤は難しいケースが多いので、訴訟を起こす場合はまず弁護士を雇うことが必要です。診断書その他の必要書類は弁護士が入手してくれますが、弁護士に相談に行く時に、診断書の写しを持って行くと、とても役立ちます。
その後、弁護士によって訴訟が起こされ、交渉が始まりますが、アメリカの病院は医療過誤などの問題が起きた時のために、医療機関専門の保険に加入しているので、後は病院側の保険会社との交渉になります。このため、医療過誤のケースでは弁護士費用はほとんどかかりません。ただし、場合によっては、他の医師などの専門家から意見を聞くことが必要になってくることもあるので、解決までに時間がかかることもあります。
もし、被害者が医療保険に加入していなかったら、訴訟を起こす際に不都合なことはありますか。
医療過誤の交渉は病院側の保険会社と被害者側の弁護士によって進められるので、医療保険に加入していなくても問題はありません。
日本との医療制度の違いから、日本人が巻き込まれやすい医療過誤といったものはありますか。
そういうケースは特にありません。しかし、アメリカでは使用が許可されていて、日本では許可されていない薬品があったりするなど、医療制度が日本とアメリカでは違うことは間違いありません。そういう意味でも、自己管理を行うことはとても大事です。
(おことわり)
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