巻頭特集

  昨年の振り返りと共に、最新サマーキャンプ情報をチェックしよう!

去年はどうだった?
サマーキャンプ体験談をレポート

オンラインが主流となった昨年のサマーキャンプ。その中で対面式、オンライン、セルフサマーキャンプに参加したという3人のお父さん、お母さんから体験談を聞いてみた。今年のサマーキャンプ選びの参考にしよう。


自宅で初のオンラインキャンプに参加
子供が主体的に選べることがメリット

何から何まで異例だった昨年は、全米の子供たちが待ち望むサマーキャンプも例外ではありませんでした。滞在期間が限られた駐在員家族にとって、かけがえのない米国暮らしを存分に楽しむためにも、普段の学校生活とは異なった環境で、新たな友達と出会えるサマーキャンプを経験させて、最高の思い出を作ってもらいたいというのは共通の思いでしょう。

そのため例年通り、わが家は対面式で行われるサマーキャンプへの参加も検討しました。ただ、夫婦で話し合い「オンラインで通常授業を受けている段階で、いくらサマーキャンプでもリスクを冒す必要はない」との結論になりました。結局参加したのは、長女、長男とも週末補習校に通っていたニューヨーク育英学園のオンラインサマーキャンプです。一言で言えば、これが大正解でした。

 

一昨年に参加した現地校でのサマーキャンプ。子供たちは元気いっぱい体を動かした

 

学園側は創意と工夫を凝らし、ヨガなどの室内運動やアート、音楽、さらにGoogle Eeathを使った世界旅行、書道や英語など多種多様なプログラムを短期間で用意。大学の授業を選択するように、子供の好みに合わせて、1日数コマのプログラムを自宅で受講しました。

長女の思い出に残ったのは、NY在住のプロ画家が熱心に教えてくれたアートをはじめ、レジン作り、YouTube動画の作成、絵本作りです。どれも普段は経験できない内容ばかりでしたので、心底楽しんでいましたし、得たスキルを今も生かしています。

毎週水曜、金曜夕方にはアクティビティーとして、先生方がBBQやお化け屋敷などを学校からオンラインで中継。子供と夕食を共にしながら、大人も楽しめました。

参加児童の最大公約数が楽しめるように主催者側がプログラム内容を組むのが対面だとすると、子供が主体的に興味あること、未体験のことなどを自由に選べるのがオンラインの良さでしょう。片や、大人にとっては、夏休み期間中も子供がずっと家にいるのは、少しばかりストレスにはなりましたが(笑)。

 

昨年のオンラインサマーキャンプでアート授業に取り組む様子

 

【参加したサマーキャンプ】ニューヨーク育英学園のオンラインサマーキャンプ
【お子さんの学年】1年生(長女)、プリK(長男)
【参加期間】2020年6月末〜7月末

 

 

 

 

小西一禎(かずよし)さん

慶應大卒業後、共同通信社入社。
同行休職制度で、17年から政治部記者を休職し来米。
20年退社。
この間、コロンビア大客員研究員。
駐夫・主夫として日経DUALなどで執筆、21年春に本帰国。現在はジャーナリストで、キャリア形成やジェンダー、海外育児などを専門とする。


マスクをしながらの対面キャンプ
期間と人数を制限しての実施に

NJ在住のA・Kさん

息子が毎週通っている日本語補習校の対面式サマーキャンプに参加しました。毎年2週間開催されますが、昨年はコロナの状況を考慮して1週間に短縮。マスクを付けながらの参加で、今回は1クラス4人の少人数での実施でした。

幼児部〜小学校6年生までが対象のキャンプで、息子もクラスメートと一緒に参加できて喜んでいました。

基本的に午前中は国語と算数の勉強が中心で、一学期の学習の復習ができました。午後は書道や理科の実験、外遊びなど五感を使った体験をしました。書道の作品に押す自分の名前のハンコも彫って作り、持ち帰って来た作品は今も部屋に飾っています。

日本語の学習以外の事でお友達と一緒に取り組めて、日本の文化をじっくり体験できるのでサマーキャンプは貴重な体験です。ただ、例年ですと浴衣や甚平を着て夏祭りのイベントでおみこしを担いだり、調理実習ではカレーライスとそうめんを作り、本物の竹をつないで流しそうめんを体験できたりともっと内容が充実していて子供たちは大喜びなのですが、残念ながら去年はそれが叶いませんでした。今年は通常通りのサマーキャンプが復活してくれることを願っています。

 

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書道のクラスではお題となる漢字を習字。理科のクラスでは酸性パウダーの実験を行った

 

 

【参加したサマーキャンプ】キッズ国際学園のキッズサマースクール
【お子さんの学年】3年生
【参加期間】2020年8月24日〜28日


自宅でプライベートキャンプ
お手製プログラムで充実の経験に

NJ在住のN・Hさん昨夏はコロナ禍で、サマーキャンプの選択肢が非常に少なかったこと、子供がまだ幼く安全面でもやや不安が残ったことから、サマーキャンプの参加は早々に断念しました。そこで発想を変え、バックヤードにスポーツコーチを招き、プライベートのキャンプを組むことにしました。

雇ったのは、地元の子供向けスポーツクラブのコーチと地元のサッカーリーグで活躍する高校生、そしてライフガードの資格を持つ高校生。各コーチがそれぞれ教えられる内容をパズルのように組み込み、ラクロス、フットボール、バスケットボール、スイミングなどで構成しました。

コロナ禍を踏まえ、コーチも参加者も対策を徹底し、高校生がどれほど責任感と衛生観念を持って務めてくれるかやや心配でしたが、しっかり守ってくれて感謝でした。

プライベートでスポーツキャンプを組むメリットは、不特定多数との接触を最小限にしつつ、体力維持ができたことだと思います。長男にとっては友達と夏の間に会えていたことがメンタル面で大きな支えになりました。同じお友達と毎日一緒にいるという体験もまた新鮮で楽しい経験になったようです。

 

子供たちはバックヤードでコーチの指導の元、フットボールなど楽しんだ(イメージ写真)

 

【参加したサマーキャンプ】 自宅でスポーツキャンプ
【お子さんの学年】1年生(長男)、プリK(次男)
【参加期間】 2020年7月初旬〜8月末

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