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今月25日に開催される、「第93回 アカデミー賞授賞式」。新型コロナウイルスの影響で、同授賞式も例年と異なる形で開催される予定だ。俳優のスピーチや衣装など、何かと話題になる同授賞式の見どころを、徹底紹介していく。(取材・文/音成映舞)
アカデミー賞の進化
映画界の最高賞ともいわれる、「アカデミー賞(Academy Awards)」。同賞は、米映画の発展を目的に、俳優や監督、衣装や音響など制作に関わったスタッフなどを表彰し、その成果を讃えるため、映画芸術科学アカデミー協会(AMPAS)主催で行われる映画賞である。別名、「オスカー(The Oscars)」としてもよく知られており、その歴史は長く、今年で第93回を迎える。
近年、男女雇用均等の権利や、「#Me too運動」、「白すぎるオスカー」などの人種多様化問題などもあり、会員数は9600人を超えるほど増加した。
コロナで変わる授賞式
新型コロナウイルスのまん延で、昨年2月に辛うじて開催されたことが奇跡のように思われる中、今年も対面式での開催を計画する同協会は、開催時期を2月から4月に変更して様子を見ていた。ワクチン接種も拡大し、昨年3月より閉鎖中だったロサンゼルスやニューヨークの映画館も、約1年ぶりに再開。
先月15日にノミネートが発表されると同協会は、「対面式での開催に変更はない」と発表。ハリウッドにあるドルビー・シアターに加え、ロサンゼルスのダウンタウンにあるユニオン駅の他、海外にいる候補者のために、ロンドン、パリも会場(場所不明)に加え、同伴者1人と限定して小規模で開催する予定だ。
同授賞式のプロデューサーには、ロックダウン直後に話題となった、ウイルスを題材にした映画「コンテイジョン」の監督、スティーブン・ソダーバーグが務める。授賞式は25日(日)、ABCにて世界中に中継される。
9月オープン
アカデミー映画博物館
授賞式とは別に、同協会が「映画の芸術と科学に特化した世界最高の施設」を目指して建設したという、「アカデミー映画博物館」が今年9月30日(木)、オープンする。
建築家にはプリツカー賞を受賞した、レンゾ・ピアノを起用。ロサンゼルスのウィルシャー大通りとフェアファックス通りの角にある、歴史的なサバン・ビルを修復し、博物館として生まれ変わらせた。
同施設内は、展示スペース、シアター、教育スタジオ、特別イベントスペース、カフェ、店舗などを含む、7階建てで構成。特徴的な球体空間は、ガラスの橋を介してサバン・ビルと接続しており、1000席あるシアターと、ハリウッド・ヒルズを一望できる屋上のファミリー・テラスを併設。その他、映画産業のリーダーを招いたパネル・ディスカッション、ギャラリーツアー、映画上映、ワークショップの他、教育プログラムなども予定。あらゆる年齢層が楽しめる空間となっている。
また、オープニングには、「宮崎駿展」が決まっており、宮崎氏の全ての作品を日本語、英語字幕、英語吹き替え版で上映。作品の絵コンテ、背景画、ポスターなど、約300点以上を展示する、北米初の展示会となる。映画好きなら興味をそそられる博物館となりそうだ。
次ページからは、今年の主要ノミネートについて詳細を伝えていく。