巻頭特集

コロナウイルスと 戦うニューヨーク

タイムラインで振り返る  2020年前半と新型コロナウイルス

新型コロナウイルス(以下コロナ)による米国での感染者数は、185万人(累計)。ニューヨーク州は中でも最多の感染者数37・6万人超を記録した。感染の脅威だけでなく、失業(全米で4000万件超の失業保険が申請された)や生活環境の変化など、読者には数多の試練が降りかかった。

いまだに終息には至っていないが、今回は発行再開を記念して、これまでのコロナ騒動の変遷(せん)を、ニューヨークと日本、そして世界の三軸で振り返る。

始まりは人知れず

「中国の一部地域で、肺炎の症状が出る感染病が流行している」と最初に世界保健機構(WHO)が認識を示したのは1月9日。そのわずか14日後には、中国政府が武漢の封鎖に踏み切った。改めて振り返ると、米国と日本でも同時期に、初感染者が確認されている。

ちなみに、左のタイムラインで、米国初の死者(カリフォルニア州在住)は2月6日と記載したが、死亡当初はコロナと認定されておらず、4月になって初めて訂正された。それまでは、2月29日にワシントン州で死亡した患者が1人目だと考えられていたのだ。

「あの時」の沈黙が再び

日本で感染拡大する様子を見守っている間に、パンデミックの波は、3月にニューヨークに到来。またたく間にトイレットペーパーや石けんが街から消え、スーパーには入店待ちの長蛇の列ができる事態に。

増え続ける死者数の報道と、静まり返って気落ちする街を、在住歴の長い日本人たちは「9・11(同時多発テロ事件)の時のようだ」と評した。この虚しさと悲しさ、もう味わいたくないものだ。

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1255

夏の和野菜

盛夏のニューヨーク。色鮮やかな野菜たちが街中に溢れ、目を奪われるが、私たち在留邦人はどうしても和野菜が恋しい。実は、よく探せば、こんなアウェーな土地でも本格的な日本の野菜が手に入る。グリーンマーケットや野菜宅配サービスの賢い利用法など、今回の特集ではとっておきの和野菜情報をお届けする。