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チャイコフスキー3大バレエの名作『白鳥の湖』。1月下旬から市内で順次観ることのできる三つのバレエ団による公演と、その見どころを紹介していく。(取材・文=音成映舞)
ロシアの作曲家、チャイコフスキーについて、「曲は分からないが名前は聞いたことがある」という人は多いだろう。または、『白鳥の湖』の作曲者といえばピンとくるだろうか。だが、チャイコフスキー本人については意外と知られていないことも多い。
チャイコフスキーの生涯
本名はピョートル・イリイチ・チャイコフスキー。1840年5月7日、ウドムルト共和国ボトキンスク市(ロシアの内陸部)に一家の次男として生まれた。当時、父親は鉱山の冶金(やきん)技師で、地元の工場長を務めていた。
幼少期から音楽の才能があったが、両親は音楽家ではなく法律家になることを願い、寄宿学校に入学させた。卒業した59年から法務省で働き始めたものの、音楽への情熱を捨てられず、23歳のときにキャリアを捨て、音楽の道に。ペテルブルグ音楽院で作曲活動に取り組み始めた。チャイコフスキーが最初に作った本格的な楽曲は、54年に亡くなった最愛の母親への想いを込めて作った楽曲だそうだ。
また一家は、チャイコフスキーが幼い頃から転々と住居を変えていた影響で、大人になったチャイコフスキーも1カ所に留まらず、欧州や米国で過ごした時期もあったという。結局、最後はモスクワに戻り、93年に病死。未発表や紛失した楽曲もあるが、生前に80曲の楽曲を完成させ、53年の生涯に幕を閉じた。
ピアノ協奏曲『悲壮』でも泣きながら作曲したというエピソードがある、繊細なチャイコフスキー
3大バレエとは?
チャイコフスキーは交響曲や協奏曲、バレエ音楽など、さまざまな曲を作ってきたが、中でもバレエ音楽は『白鳥の湖』(77年)『眠りの森の美女』88年)『くるみ割り人形』(91年)が、「チャイコフスキー3大バレエ」といわれている。
その中で最初に作られた『白鳥の湖』は、ロシアのボリショイ劇場の依頼により作られた。楽曲が出来上がる途中で妻のアントニナ・イワノヴナと離婚し、深く傷ついたチャイコフスキーは、モスクワ湖で自殺を図るほど精神的に追い詰められたエピソードが。そんな中で楽曲は完成したものの、初演時はダンサーやスタッフに恵まれず、評価も得られなかった。次のバレエ音楽を作曲するまでに12年も間が開いたそうだ。
実際に評価されたのは没後2年(95年)、サンクトペテルブルクにあるバレエ団で蘇演されてから。現在では、世界中のバレエ団で上演されている本作のラストは基本、アンハッピーエンド。しかし時代と共に、バレエ団によってはハッピーエンドのバージョンもあるというから面白い。
次からは、『白鳥の湖』の見どころを紹介していく。
『白鳥の湖』のあらすじ(オリジナル版)
序奏、第1幕: ある日、オデット姫が花摘みをしていると、突然、悪魔ロットバルトが現れ、彼女を白鳥に変えてしまう。一方宮殿では、ジークフリート王子が21歳の誕生日を迎える翌日の舞踏会で、母親に花嫁を選ぶよう告げられる。まだ結婚したくない王子は、友人らと白鳥が住む湖に狩りへと向かう。
第2幕: 湖で、夜になると白鳥たちが人間の姿に変わるのを見た王子。中でもオデットの美しさにひかれた王子は、オデットの呪いを解く方法が「愛を知らない男性から愛を誓ってもらうこと」だと聞き、翌日の舞踏会にオデットを誘う。
第3幕: 舞踏会当日、世界各国から祝いに来た人々が踊りを披露する中、王子は悪魔の娘オディール(黒鳥)の舞を見て、彼女をオデットと勘違い。オディールを花嫁に選んでしまう。オデットは王子の裏切りにショックを受け、湖へ。悪魔にだまされたと気づいた王子は、オデットのいる湖へと向かう。
第4幕: オデットに許しを請う王子の前に現れたロットバルト。激しい戦いの末、打ち勝った王子だが、オデットの呪いは解けなかった。絶望した愛する2人は、湖に身を投げ、来世で結ばれることを願うのだった…。
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