巻頭特集

文化震源地 サウスブロンクス

 

今行くべき文化施設3選

サウスブロンクスから世界に発信!
趣向を凝らした活動で地元を盛り上げている、三つの施設を紹介。

 

 01 アンドリュー・フリードマン・ホーム

アンドリュー・フリードマン・ホーム(AFH)の建物は、かつてニューヨーク・ジャイアンツのオーナーも務めた当地出身の富豪、アンドリュー・フリードマン(1860〜1915)の自宅として、1920年代に建てられた。

フリードマンの死後、一時はミッド・ブロンクス・カウンシルが老人ホームを運営していたりもしたが、現在はカルチュラルアート&メディアセンター、また小企業のインキュベーターとして機能している。

地下鉄4、B、Dラインの167ストリート駅から徒歩5分という好立地に位置する。次ページで紹介するブロンクス美術館からも程近い。

敷地内で多様な試み

広大な敷地を囲む塀には、AFHの支援を受けるアーティストのグラフィティーが入れ替わりで展示されており、道行く人の目を楽しませている。

玄関をくぐると、ルネサンス建築様式の展示室が左右に分かれる。右手の展示室は、AFHのレジデンスアーティストの作品が3、4カ月ごとに展示され、大きなシャンデリアがある左手の展示室では、主に企画展が開かれる。

天井が高く、開放感のある各展示エリアでは、ブロンクスのカルチャーやライフスタイルを色濃く反映したアート作品を、間近で見ることができる。

また彫刻作品が置かれる広い前庭には、エサをもらいにやってくる猫たちが住み着いていて、猫好きの間では隠れた癒やしスポットとして有名だ。

 

所属アーティスト、アリス・ミズラチさんの個展「SEA: My Journey」より(展示期間終了)

 

日本との意外な関係

シニアディレクターのウォルター・パーイヤー3世さんは、20代のころを日本で過ごした経験があり、日本語も堪能だ。

ウォルターさんによると、AFHからスタジオの無償提供を受けているアーティストは現在18人いる。彼らはスタジオを利用する代わりに、地元ブロンクスのコミュニティープログラムにボランティアとして参加することになっている。

長年ニューヨークで活躍する山口歴(めぐる)さんもその一人。山口さんは、ユニクロやナイキといった大企業ともコラボレーションしたことがある、実力派ペインターだ。AFHは意外と日本とつながりが深い。

ウォルターさんは「アーティストの支援を通して、コミュニティーにより良い地盤をつくること」を目指しているという。

 

広々とした展示スペースで、のんびり観賞

 

アーティストこん身の力作、壁画は定期的に入れ替わる

 

アーティストこん身の力作、壁画は定期的に入れ替わる

 

社会問題に切り込む作品もある

 

荘厳で趣のある建物外観

 

まだ入れる!

スタジオの無料提供はまだ余裕があるそうで、現在、新しいレジデンスを受け付けている。現レジデンスの一人はAFHについて、「さまざまなジャンルのアーティストたちが、制作活動を通してお互いに刺激を与えるコミュニティーだ」と評する。興味がある人は、AFHの公式ウェブサイトをチェックしてみよう。

 

 

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