お洒落を楽しむ秋 ニューヨークのメンズファッション
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摩天楼や住宅街の一角にひっそりと佇む緑の園。今号では、時代の荒波を生き抜いてきたコミュニティーガーデンの歴史と現在の姿を紹介する。(取材・文/加藤麻美)
ニューヨーク市のコミュニティーガーデンの歴史は1960年代にまでさかのぼる。市の財政は当時、白人富裕層の郊外転出と企業の倒産による税収の減少、汚職などで崩壊直前だった。ローン不履行を理由に多くの建物が市に差し押さえられ、解体や放火などによりがれき化、約1万1000以上の空き地が市の管轄下に置かれていたという。これらの空き地の一部を利用して始まったのが、地域住民が参加するコミュニティーガーデンである。
始まりは「種爆弾」
コミュニティーガーデンの立ち上げを担ったのは、都市における庭園の保護を行う非営利の環境団体、グリーンゲリラだ。園芸や造園、植物学、農学、生物学、建築など、緑化運動の専門家で組織された同団体のメンバーたちは、放置され犯罪の温床になっていた空き地のフェンス越しに植物の種や肥料、水を詰めた袋を「爆弾」として投入。まさにゲリラ的手法で空き地を緑の園へと変えていった。これらはやがて、地域住民をも巻き込んだ草の根運動へと発展していく。
グリーンゲリラの活動を語る上で忘れてはならないのが創設者のリズ・クリスティーだ。コロンビア大学やニューヨーク大学で園芸を学んだクリスティーは73年、仲間と共にマンハッタン区のバワリーとハウストンストリート北東の角にあった空き地のごみを撤去。土を追加し、フェンスを設置するなどして1年かけて美化に取り組んだ。翌年4月、市住宅保護開発局は、「バワリー・ヒューストン・コミュニティー・ファーム・アンド・ガーデン」に対し、公有地を月額1ドルで貸与することを承認。ここに市が認可した初のコミュニティーガーデンが誕生した(写真左下)。
1985年に肺がんのため35歳で亡くなったリズ・クリスティーを記念し、現在は名称を「リズ・クリスティー・ガーデン」と変更。交差点を隔ててホールフーズの前にある
「緑の指」プログラムの開始
ニューヨーク市所有の空き地を有効活用すると同時に地域を活性化する取り組みとして、市は78年、グリーンサム(緑の指)プログラムを開始した。しかし、空き地のコミュニティーガーデンとしての利用は一時的なもので、市は空き地を開発する権利を留保していた。
84年、グリーンサムはガーデン保存計画の下、10年間の貸与を開始。 89年には市の土地委員会が「活発に維持されている」と認めた場合に限り、「コミュニティーガーデンとして恒久的に使用可能」のお墨付きを与える「保存地指定制度」を導入。グリーンサムが市公園局の管轄下に置かれた95年からこの縛りは不要となり、コミュニティーガーデンとして永続的に使用できるようになった。
存続の危機を克服
しかし誕生から25年後の99年、コミュニティーガーデンは存続の危機に直面する。犯罪撲滅とホームレス対策、公有地開発を推進したルドルフ・ジュリアーニ市長(当時)が114のコミュニティーガーデンを競売にかけると発表したのだ。
反対運動に立ち上がったのが地域住民と非営利団体ニューヨーク修復プロジェクト(NYRP)だ。NYRPは、歌手のベット・ミドラーが市内の貧困地域にあり荒廃状態だった公園の活性化を目的に創設。最終的にエリオット・スピッツァー州司法長官(当時)が仲介し、400以上のコミュニティーガーデンを保護するとの合意に至った。
現在グリーンサムは、市が所有する空き地をコミュニティーガーデンとして貸与する際の調整業務の他、コンポスト(堆肥)の作り方や雨水タンクの設置方法といった農作物の栽培、グリーンコミュニティーの組織および運営方法を指導。また、必要な物資を提供するなどして持続的な緑化活動を支えている。
時代の荒波を生き抜いた「緑の園」は現在は550にも上る。これらの歴史を知って、改めてニューヨークのコミュニティーガーデンに目を向けながら街を歩いてみるのも楽しいだろう。
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