巻頭特集

新しいノーマルに向けて活況を呈する理容の世界をのぞいてみよう

市内のバーバーに行ってみよう!

ニューヨークは理髪店の数や種類も豊富だ。日系バーバーを含む、街の床屋をスタイルやシーンによって活用しよう。


QBハウス
コロナ禍でさらに強化「クリーン&ファースト」

徹底的に時間短縮とコスパを追求したヘアカット専門の理容で大躍進するQBハウス。ニューヨークには2017年に進出した。今年6月の営業規制緩和後は、市内4店舗がほぼ通常営業に戻っている。

グランドセントラル駅近くの店舗をのぞくと、平日午後3時台なのに、順番待ちのお客が店外に溢れるほど繁盛していた。

サービスはカットのみで洗髪や顔剃はなく、整髪は1人平均15分で仕上げる。接客距離が極めて近い理容だけに、コロナ禍を受けて「狭い空間を嫌い、なるべく短時間で済ませたい」というお客が多いようだ。

多いときには1日30人以上カットする同店ヘアスタイリストのアッコさんは、「特にPRしているわけではないけど、女性の利用も急増しています」と言う。

 

衛生面を何よりも優先

また、「今は速さよりも衛生面の『安心安全』を最優先で考えています」と語るのは現地法人社長の古谷亮二さん。お客ごとの理髪椅子消毒はもとより、はさみ、くし等器具の消毒など、同店がモットーとするクリーンな姿勢をさらに強化している。

ひっきりなしに訪れるお客の顔ぶれはアジア系ビジネスマンが多いが、アッコさんの言葉通り5人に1人は女性客だ。「技術も値段も美容院よりずっといい」と言い切る。半年前に同店を発見して以来病みつきという白人男性客もいた。

「当店の場合、一般のバーバーと違い、客層も人種、年齢の幅も非常に広く男女の境もありません。求められているのは安全性と確かな技術、そしてどんなスタイルにも対応できる柔軟さでしょう」と古谷社長。

東京発の新型理容が、ニューヨークのノーマルになる日も近そうだ。

自宅勤務で伸び放題になりがちの髪をクイックカット。整髪が終了すると、プラスチック製のくしはすぐに滅菌消毒される

 

QB House Tokyo(Midtown East)

【営業時間】
平日午前9時〜午後7時
(土、日曜は午後6時閉店)

【料金】
25ドル(30分)

151 E. 43rd St.
info@qbhouseusa.com
qbhouseusa.com


今すぐ真似できる!?
人気の「フェード」スタイルをチェック!

ここ数年当地で流行っている男性のヘアスタイルといえば「スキンフェード」だ。サイドやバックを短く刈り込み、トップへ向かってグラデーションにしたり、刈り込み部分に幾何学模様を入れるなど、バリエーションは無数。

ハイスキンフェード(ミディアム)

ベーシックな刈り上げ。下から上に向かっていかに滑らかに「ぼかすか」が腕の見せ所。


アンダーカット

上部を長めに残し、揉み上げを鋭角的に残すのが特徴。癖毛の人にもおすすめ。


サイドパート

上部を思いっきり横分けにし、レザーでラインを入れて分け目を強調するスタイルだ。


デザイン

スキンフェードの進化系。幾何学的な模様を剃りこむ感覚はグラフィティーに近い。


キッズ専門バーバーも営業中!

この夏、子供用バーバーがクイーンズに初登場した。その名も「キディカッツ」。コロナ禍で一旦閉店したが、今年6月に規制緩和されると地域の親たちからオープン要請が殺到し、新学期が始まる直前の8月に新住所のサニーサイドで再スタートが実現。

店内で使用するバリカンは低ノイズのもので、鏡台横のモニターではアニメ放映、散髪が終了した後はあめや風船のお土産など、子供を喜ばせる工夫も随所に見られる。

お客の年齢は生後7日からティーンまで。男女どちらも歓迎とのこと。オーナー理容師のジェニファー・カサスさんは、「床屋が苦手な子供はとても多いですが、私たちの店では、子供を怖がらせない配慮を第一に考えています」という。子供におしゃれヘアを取り入れたい親におすすめの理容室だ。

Kiddy Kutz

【営業時間】月〜金:午前11時〜午後7時、土日:午前10時〜午後5時
【料金】20ドル〜
50-04 Skillman Ave.
Queens, NY 11377
TEL: 718-301-5852
kiddykutz.com

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