巻頭特集

肌に直接つけるものだからこだわりたい自然派スキンケア

新型コロナの影響で心身ともにストレスフルな生活が続く日々。スキンケアこそ肌に優しい自然素材のものを使って、ストレスを少しでも軽減したい。そこで手作りを実践する職人(生産者)に、自然派スキンケアの魅力を聞いた。(取材・文・写真/安部かすみ)


自宅で少量生産するせっけん
肌に優しく、人気商品に

キム・クンミさんの自宅裏庭にある家庭菜園ではトマト、ケール、ブドウ、ナシなどが栽培されている。採れたブドウでワインまで手作りすることもあるとか。

市内に住みながら、可能な限り手作り&自然派生活を実践中の彼女。その中でも一つ一つ丁寧に作るせっけんは、植物系アロマケア商品を扱うウェブサイト「ブルーム・アンド・ベリー」(bloomandberry.com)のベストセラーだ。

おしゃれでカワイイ見た目で、栄養価の高い材料を使って低温で作るコールドプロセス製法によるもの。高温処理しないので植物の力がそのまま生かされ、洗浄後も素肌を潤す優れものだ。

 

自然派スキンケアを手作りして15年になる、キム・クンミさん

 

彼女が手作りに目覚めたきっかけでもある、自身の翻訳本『環境思想入門』(2000年)

 

冷蔵庫のもので作れる!

手作りに目覚めたきっかけは、地元の京都精華大学で2000年、環境社会学科が誕生した時にさかのぼる。新設前より準備室で働いていた彼女は、グリーンやサステイナブルなど、当時としては時代を先行く環境系の文献の翻訳を担当。05年から4年間、同大学による社会人向けコースの講師も務めた。

「暮らしを見直そうという趣旨のコースでした。環境問題といえば消費問題と関連します。歯磨き粉や化粧水は一体どんな素材からできているのか、普段何気なく使っているけど、本当に買わないといけないの? など、今一度立ち止まって考えようというものでした」

在職中は調理後の油を使って、せっけんの作り方も教えた。手作りを始めたころ、世界観が変わった瞬間があると言う。「せっけん、化粧水、洗剤など、ほとんどは『食べられるもの』から作れるではないか」と。

09年に来米後、手作りせっけんを友人におすそ分けしたところ気に入ってもらい、もっとほしいと頼まれたのが、本格的に作るモチベーションにつながった。

肌トラブルとは無縁に

大量生産された市販品には防腐剤などが入っている。しかし手作りは当然ながら自分で素材を選べるし、香りの強さも自由に調整できる。

「料理と同じで、基本的に食べられるものを素材として使いますし、何がどのくらい入っているのかを分かっているので、安心感もあります」

せっけん作りの作業中は集中力が必要なものの、材料を混ぜる作業はストレス解消にもなる。何より最大の利点は、肌トラブルが改善されることだ。

「娘は移住後、乾燥で肌トラブルに悩んでいましたが、手作りのせっけんやスキンケア品を使うようになって問題が解決しました」

販売はしていないが他にも化粧水、クリーム、歯磨き粉、除菌ジェル、顆粒の洗濯せっけんなども日ごろから手作りを実践中。次ページで、超カンタンにできるレシピを教えてもらった。

 

まるでケーキのような見た目のせっけん。使用後はしっとり潤いが残る。bloomandberry.comでは1個3000円〜で販売。米国内での購入は代理店ワンネス(onenessSession@gmail.com)まで

 

 

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