今週のニュースダイジェスト<〜5月17日>

1週間のNY近郊の話題をチェック


<ニューヨークシティー>

「サミー法」に署名 速度引き下げ可能に

ニューヨーク州のキャシー・ホークル州知事は9日、「サミー法」に署名し、ニューヨーク市内の道路の制限速度を時速20マイルに引き下げる権限を市に与えた。10日付NY1が伝えた。法は2013年にブルックリン区パークスロープ地区でスピード違反のドライバーにはねられ死亡したサミー・コーエン・エクスタイン君(当時12歳)にちなんで名づけられた。一部の地域で制限速度を引き下げることにより、自動車事故で亡くなる人や重傷者を減らすよう目指す。サミー君の母親のエイミー・コーエンさんは討論番組で、長い年月がかかったが遂に法の実現ができたと喜びを語った。

<マンハッタン>

ジャパンパレード 今年で3回目の開催

11日、マンハッタン区で日本文化を祝うジャパンパレードが行われ、沿道に多くの人々が詰めかけた。12日付FOX5ニューヨークが伝えた。文化交流と日米の友好を深めようと2007年にセントラルパークで始まった祭りは、約100団体が参加するアッパーウエストサイド地区のパレードに拡大した。今年のグランドマーシャルは、パラリンピックで4度金メダルを獲得した元車いすテニス選手の国枝慎吾さんが務め、人気アニメ『鬼滅の刃』のキャストらも列に加わった。72丁目ではストリートフェアが開かれ、屋台の食べ物や日本の伝統文化を紹介するブースが人々を楽しませた。

「ザ・ポータル」 ライブで2都市交流

フラットアイロン・サウスパブリックプラザに8日、「ザ・ポータル」と呼ばれるオブジェクトがお目見えした。アイルランドのダブリン市にも同じものを設置、視覚ライブストリームで2都市を繋ぐ。同日付ABC7ニューヨークが伝えた。発案者のベネディクタス・ギリスさんは「国境やレッテルを越え、フィルターのかからない出会いを提供する」と述べ、音声はないが、手を振り、ダンスを見せ合うなど、移民や文学などで結びつきの強いダブリン市と交流ができる。ポータルの設置はリトアニアとポーランド間に続く二つ目で、この先6カ月間、毎日24時間開かれる。

<ニュージャージー>

トランプ氏が大集会 ビーチに10万人

ニュージャージー州南部のワイルドウッドビーチで11日夕方、トランプ前大統領が10万人近くを集める大規模集会を行った。12日付ABC7ニューヨークが伝えた。選挙キャンペーンと刑事裁判が同時に進行中のトランプ氏がワイルドウッドで集会を行うのは2020年以来初。裁判は刑事司法制度を利用した攻撃であるとバイデン大統領を非難するトランプ氏は、現政権の国境問題への対処、大学の抗議活動、経済などに言及、自分なら増税ではなく、全階級に大幅な減税を提供できると述べた。取材に応じた有権者の大半は、選挙の最大関心事に国境警備と経済をあげている。

<ロングアイランド>

ベテラン教官 訓練中に大火傷

ナッソー郡の消防アカデミーで9日、インストラクターが訓練中に重度の火傷を負った。同日付CBSニューヨークが伝えた。同郡のマイケル・ウタロ消防署長によると、ベテラン副主任教官が訓練用に火を準備していた際、可燃性の液体に引火して燃え上がった。火は実習生により消し止められたが、副主任教官は両手、両足、胴体の一部に第1度から第3度の熱傷を負った。気道は確保されていたが、感染症を防ぐためナッソー大学医療センター熱傷病棟で厳重に隔離され、皮膚移植が必要となるかはまだ不明だという。医師は、教官が生きていられて幸運だと語った。

<ブロンクス>

クジラの死骸 クルーズ船の船首に

ニューイングランドとカナダへ向かうクルーズ船、MSCメラビリア号は4日、船首に44フィートのクジラの死骸が引っ掛かっているのが見つかったことから、ブルックリン港に停泊した。8日付FOX5ニューヨークが伝えた。国立海洋大気局によると、死んでいたのは海岸線から離れた深海で見られる絶滅危惧種のイワシクジラで、解剖のためにニュージャージー州のサンディフックへ移された。MSCクルーズの広報担当者は、航海士にクジラとの衝突を避ける訓練を行ったり、特定の地域で旅程を変更するなど、海洋生物保護のための規則に従って運行していると語った。

レイプ犯逮捕 不穏なビデオ公開

1日午前3時頃、ブロンクス区で45歳の女性が襲われた事件で、NYPDは11日、カシャーン・パークス容疑者(39歳)を逮捕、起訴した。同日付ABC7ニューヨークが伝えた。警察は、被告が女性を尾行し、首にベルトをかけ車の後ろへ引きずり込む動画を公開して指名手配していた。被告は意識を失った女性をレイプしており、強姦、暴行、性的虐待罪などに問われている。被害女性は被害届を出していなかったが、ビデオの公開で捜査が始まると、軽犯罪で署内に拘束されていたことがわかった。警察の調べで、被害者と犯人は面識があったとされている。

<クイーンズ>

若者の犯罪増加 15歳が罪状認否

クイーンズブルーバードと46ストリート近くの地下鉄の駅の外で17歳のサラ・リベラさんが刺殺された事件で、10日、殺人罪で起訴された15歳少女への罪状認否が行われた。同日付CBSニューヨークが伝えた。被害者の交際相手は、少女らはクラスメートで友人だったと述べ、喧嘩をしている2人の姿が監視ビデオで確認されている。NYPDの統計によると重罪を犯す若者が増えており、2023年には逮捕者数が40%急増した。ケビン・オコナー元警視総監補は、移民問題、交通機関での犯罪、抗議活動などの対応に追われ、警官が手薄になっていることを事態の背景に挙げた。

<コネティカット>

沼地に馬2頭 40人が救出作業

レバノン市のボランティア消防隊は11日、レバノン農場の裏手で深い沼地にはまり動けなくなった2頭の馬を、レスキュー隊40人で救出したと発表した。13日付ニューヨークポストが伝えた。隊員はトラックでロープ、木材、ベニヤ板などの機材を運び、馬を乗せるそりを作成。膝まで浸かる泥の中から1頭目を引き上げてそりに乗せ、約30分かけて固い地面へ移動。さらに30分かけて2頭目を運んだ。アクセス道の設置から馬の健康状態の確認まで、救出を終えるまで5時間を要した。1頭は7時間も沼にはまっていたが、救出後立ち上がり、すぐに干草を食べたと報告された。

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