今週のニュースダイジェスト<〜4月5日>

1週間のNY近郊の話題をチェック


<ニューヨークシティー>

駅に銃スキャナー 法律扶助協会ら反対

ニューヨーク市は地下鉄の安全性向上を目指し、銃スキャナーを一部の駅に試験的に導入する。先月29日付PIX11が伝えた。移動式のスキャナーは市内5区のどの駅にも設置可能で、法が義務付ける90日間の規定とガイドラインの掲示期間を経て6月末から試験を始める。一部の市議会議員は精神衛生サービスに充てられるべき資金の誤った使用だとこれを批判、法律扶助協会もプライバシーの侵害にあたると反対しているが、エリック・アダムス市長は、スキャナーは記録を残さず、人工知能や顔認識も使わないとして、この治安対策に国土安全保障省からの資金提供を望んでいる。

 

<マンハッタン>

バイデン陣営 2600万ドル超調達

バイデン米大統領陣営は先月28日、ラジオシティー・ミュージック・ホールで5000人を超える支持者を集める大型資金調達イベントを開催、バラク・オバマ、ビル・クリントン両元大統領も参加して2600万ドル以上の選挙資金を集めた。同日付NBCニュースが伝えた。女優のミンディ・カリングさんが司会、トークショーホストのスティーブン・コルベアさんが3大統領の対談を進行した。チケットは50万ドルまで跳ね上がり、著名写真家アニー・リーボヴィッツさんが大口寄付者らを大統領全員と写真に収めた。会場の内外では親パレスチナ派の抗議者による妨害も起きた。

シャキーラ、新盤 ポップアップに4万人

先月26日夜、歌手のシャキーラがタイムズスクエアのTSXステージでポップアップショーを行い、4万人のファンを沸かせた。先月27日付ニューヨークポストが伝えた。ビルボードによると、動画配信プラットフォームで7年ぶりの新盤『ラス・ムヘーレス・ヤ・ノ・ジョラン』(女性はもう泣かない)がヒットしたのを記念して、自身のソーシャルメディアでわずか数時間前にショーの開催を発表。2022年のジェラール・ピケ選手との破局後のアルバム制作について、「自分を再建しようとしていた。音楽がその接着剤となった」と出演番組で語っている。

 

<ブルックリン>

教会礼拝中に火災 イースターサンデー

先月31日、イーストウィリアムズバーグ地区のカトリック教会で大規模な火災が起き、約150人が避難した。同日付ゴッサミストが伝えた。火は午後1時47分頃、ポンペイのロザリオ聖母教会でイースターサンデーの礼拝中に発生、1階の牧師館から2階と屋根裏へ急速に広がった。FDNYによれば、消防士と民間人の少なくとも6人が軽症を負い、何人かは現場で手当てを受けた。夕方までに鎮火され、出火原因の調査が始まった。市の緊急事態管理システムは周辺住民に煙を避け、窓を閉めるよう警告、また心臓や肺疾患のある人は症状が現れたら医療機関で受診するよう指示した。

 

<クイーンズ>

ハサミで攻撃 警官が19歳射殺

オゾンパークで先月27 日、精神を病み自ら911通報した19歳の男性が警察官に撃たれ死亡した。先月28日付NY1が伝えた。NYPDは、警官と口論になった男性は一度テーザー銃で取り押さえられたがハサミを握り突進してきたと説明。混乱した危険な状況下で、自己防衛のため射撃する他なかったと報告した。ニューヨーク市では警察の介入が必要な場合を除き、救急救命士または救急隊員と精神保健専門家で構成されるチームがメンタルヘルスの緊急事態の対応にあたるプログラムを試験的に実施しているが、同地区を含む第102署には拡大されていなかった。

 

<ロングアイランド>

殉職警官の通夜 トランプ氏も参列

クイーンズ区で交通取締中に射殺されたNYPDのジョナサン・ディラー巡査の通夜が先月28日、ロングアイランド地区のマサペクア葬儀場で行われ、家族や友人、同僚ら数百人が参列した。同日付NBCニューヨークが伝えた。市警に3年勤務して4度の表彰を受けた31歳の巡査は妻と1歳の息子を残し亡くなった。ドナルド・トランプ前大統領は葬儀場を訪問して遺族と面会した後、法と秩序を取り戻すため別の対策を講じる必要性があると記者団に語った。同日、市内で選挙資金調達イベントを行なったバイデン大統領はエリック・アダムス市長を通じて遺族に哀悼の意を表した。

 

<コネティカット>

ベテラン元上院議員 リーバーマン氏死去

コネティカット州のジョー・リーバーマン元上院議員が先月27日にニューヨーク市内での不慮の転倒事故により82歳で死亡し、同月29日に故郷スタンフォード市のシナゴークで葬儀が行われた。同日付CBSニュースが伝えた。同氏は2000年、ユダヤ系初の副大統領候補に選ばれ、民主党のゴア大統領候補と共に米大統領選を戦った。リベラル派だが、国家安全保障にはタカ派の政策姿勢を持つことで知られ、上院議員を4期務め、うち1期は民主党予備選でラモント現州知事に敗れた後に無所属で選出された。近年はノーラベル党を設立し、超党派主義の推進に尽力した。

 

<ニュージャージー>

9歳が車で焼死 放火罪で父親起訴

先月28日、焼けた車の中から9歳の少年の遺体が見つかった事件で、少年の父親が放火罪に問われている。先月29日付PIX11が伝えた。検察当局によると、警察は夜10時45分頃、セイレビル高校近くのワシントンロードで火傷を負い、自傷したマヌエル・リベラ(43歳)を発見。近くにはガソリンがかけられて燃える車があり、車中から息子が見つかったと発表した。リベラ被告は家庭内で揉め事があった後、息子を連れ家を出たと見られ、検死報告次第でさらなる罪に問われる可能性がある。被告は公立高校に勤務し、息子は町の小学校に通っていた。

 

<ブロンクス>

老女刺傷事件 仮釈放中の犯行

先月31日朝、モリスアベニューにあるアパートのエレベーター内で75歳の女性を襲った男が逮捕された。1日付ABC7ニューヨークが伝えた。エドウィン・リオス容疑者(38歳)はゼノナ・ラモスさんをアパートまでつけ、エレベーターに乗り込むと手と頭を繰り返し刺した。犯行は無差別と見られ、ラモスさんは片手を40針縫う怪我を負ったが容態は安定している。同容疑者は2012年にも女性を尾行し刺しており殺人未遂の前科があるが、昨年8月に仮釈放となっており、ラモスさんの娘は「法のシステムが機能していない」と怒りをあらわにした。

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