今週のニュースダイジェスト<〜3月1日>

1週間のNY近郊の話題をチェック


<ニューヨークシティー>

ニューヨーク市の貧困 子供4人に1人

コロンビア大学と慈善団体のロビンフッドがまとめた「貧困トラッカー」の年次報告書によると、ニューヨーク市民の半数以上、子供全体の4分の1が貧困か低所得の状態にあることがわかった。先月21日付ABCニュースが伝えた。市の貧困率は2021〜22年の1年間で18%から23%に上昇、米国全体の数字のほぼ2倍となり、貧困層は150万人から200万人に増えた。上昇傾向はマイノリティーや女性に顕著にあらわれ、過去10年で最も著しく増加した。また、子供の貧困率は前年比の66%増で、児童税額控除や給付金などパンデミック期の連邦政策が終了したことが影響した。

<マンハッタン>

人気のフクロウ ビルに衝突死

野生生物保護協会は先月23日、昨年セントラルパーク動物園から逃げてマンハッタン区の空を自由に飛び回っていたユーラシアワシミミズクのフラコが、西89ストリートのビルに衝突して死亡したと発表した。先月24日付ゴッサミストが伝えた。衝突したビルの住人で野鳥観察者のアラン・ドロギンさんが中庭に通じるドアの外にうつ伏せに落ちているフラコを発見。何者かが壊した動物園の囲いから飛び去った後、狩りをして都会で生き残るのは不可能だという予想を覆し、何度も目撃され、写真に収められてきたフラコは困難を克服するニューヨーカーの象徴とされていた。

アパート大火災 ロープによる救出劇

先月23日午後、ハーレム地区のアパートビルで火災が起き、消防士がロープを使って燃え盛る建物の窓から3人の住人を救出した。同日付ニューヨークポストが伝えた。火は6階建ての3階部分から発生し廊下へ広がったため、逃げ場を失った上階の住人が窓にぶら下がる様子も目撃された。救出が難航し、消防士がロープを自分の体にくくり付け、別の隊員がそれを伝ってビルの脇を降り住人を抱え出す珍しい救助法が取られた。FDNYのホッジンズ消防署長は、勇敢に、安全に任務を遂行した3人の消防士を称賛した。この火災で18人が負傷し、男性1人が死亡した。

<ブロンクス>

元教授が巨額寄付 授業料無料へ

ブロンクス区にあるアルベルト・アインシュタイン医科大学の元教授、ルース・ゴッツマン博士は、同医科大の全学生の授業料を無料で提供するために10億ドルの寄付を行った。先月26日付NBCニューヨークが伝えた。在任中は学習障害治療などの研究を重ねたゴッツマン博士は、投資家だった夫のデービット氏の遺産により、国内で医学校に贈られた過去最大額の寄付を実現させ、「価値ある目的に寄付できることを幸運に思う」と述べた。ニューヨークタイムズによると、同医科大の年間授業料は5万9000ドルを超え、多くの学生たちが20万ドル以上の借金を抱え卒業している。

切断された足 9マイル先の線路に

ブロンクス区の地下鉄線路で先月17日に見つかった人の左足は、5日前に起きた電車事故で死亡した男性のものである可能性が高いことがわかった。先月21日付FOX5ニューヨークが伝えた。MTAの作業員が4ラインの167ストリート駅と170ストリート駅間の線路上にあるのを発見し、捜査当局は先月12日、ローワーマンハッタン地区のスプリングストリート駅の人身事故で死亡した男性の足が、約9マイル離れたブロンクス区まで電車に引きずられてきたものとみて捜査している。男性の身元は未だ不明だが犯罪性はないとしている。

<クイーンズ>

被告に最高刑 飲酒で警官ひき逃げ

2021年にロングアイランド高速道路で事故処理中のNYPDの警官を飲酒運転でひいて死亡させ、後に有罪判決を受けたジェシカ・ボーバス被告(35歳)に先月21日、最高刑が言い渡された。同日付NBCニューヨークが伝えた。被告は免停中にもかかわらず、飲酒しマリファナを吸った上で運転し、血中アルコール濃度は法定飲酒許容量の2倍近かった。刑期は懲役27年に5年間の監視付き釈放。過失致死罪で20年、事故現場から立ち去った罪で2年4カ月から7年の懲役刑が科され、最低でも22年間の服役となる。被告は昨年9月、懲役16年を求刑する司法取引を拒否していた。

<ウェストチェスター>

手作りプレッツェル アカデミー賞授賞式へ

タリータウンの手作りチョコレートがけプレッツェルがアカデミー賞授賞式へ向け出荷された。司会者や賞の候補者に贈られるギフト袋の商品に採用されて6回目となる。先月25日付PIX11が伝えた。「ポッシュ・プレッツェル」のオーナー、アンマリー・デモラスさんは離婚を機に起業、広告費がなくアカデミー賞のギフト袋の担当会社に売り込みをしたのがきっかけ。今年のプレッツェルは人気映画『バービー』を意識してピンク色に仕上げた。「闘病、子育て、パンデミックを乗り越えられたのは人々に喜ばれる質の高い商品を作れているから」と語り今後全国展開を目指す。

<ロングアイランド>

トランスジェンダー 女子競技に参加禁止

ナッソー郡のブルース・ブレークマン郡執行官は先月22日、郡の施設でトランスジェンダーの選手が女子のスポーツ競技に参加することを禁止する行政命令に署名した。混合チームや男子スポーツには適用されない。同日付CBSニューヨークが伝えた。郡執行官は、体格が大きく、強く、スピードに優る生物学的男性と共に競技するのは生物学的な女性に対し不公平だとした。批評家らはトランスジェンダーの選手から競技の場を奪うと非難、レティシア・ジェームズ司法長官も行政命令は差別であり危険だとし、権利の侵害に対する法的手段を検討することを発表した。

<スタテンアイランド>

パレード別途開催へ LGBTQ+差別なく

ニューヨーク市長室はスタテンアイランド区において、3月2日に行なわれる恒例のセントパトリックスデーパレードとは別に、LGBTQ+コミュニティーにも開かれたもう1つのパレードを3月17日に初開催することを発表した。先月23日付FOX5ニューヨークが伝えた。同区の既存のパレードでは長年にわたりLGBTQ+グループの参加が拒否されてきた。市の広報担当者は、街の祝祭は歓迎され包括的であるべきで、性的指向、性自認、人種、信条を問わず、参加を望む全ての人が行進できるパレードの開催を心待ちにするアダムス市長のメッセージを伝えた。

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