ニューヨークの2020年ニュースを振り返る<後編>

2020年のニュースをダイジェストでプレイバック!


バイデン勝利に街にぎわう 米大統領選挙

昨年11月7日午前11時30分ごろ、米大統領選でジョー・バイデン前副大統領の当選確実が報じられた。ニューヨーク市では多数の人々が街頭に出て、バイデン氏のトランプ大統領に対する勝利に祝杯を挙げ、車のクラクションを鳴らした。同日付NBCニューヨークが伝えた。

バイデン氏の当確が報じられるやいなや、マンハッタン区のタイムズスクエア、コロンバスサークル、ワシントン・スクエア・パークなどには、接戦となった選挙の緊張から解放された無数の市民が集まり出した。

人々は歓声を上げ拍手喝采し、鍋をたたいてバイデン氏勝利の喜びを分かち合った。

街頭でバイデン氏の勝利を祝う市民の姿も多く見られ、ブルックリン区フォートグリーンでは、映画監督のスパイク・リーがシャンパンのボトルを開けて、群衆を驚かせた。


レジ袋の使用禁止 紙袋は有料で提供

ニューヨーク州では昨年3月1日、小売店などで使用されていた、使い捨てプラスチック製レジ袋の提供を禁止する法令が施行された。同日付NBCニューヨークが伝えた。

2019年4月に可決された法案の施行で、紙袋の提供は継続されたが、1袋につき5セントを課す選択肢が、各郡に与えられた。飲食店からの持ち帰りや、肉・魚・加工食品を入れるプラスチック袋の使用はこれまで通り可能。再利用可能なプラスチック袋の提供も可能。

昨年3月いっぱいまでは猶予期間とし、違反でも罰金は発生しなかった。4月1日以降は最初の違反に対して250ドル、同年内のさらなる違反には500ドルの罰金が科せられるとした。

ただし、新型コロナウイルスの感染拡大では再利用可能なエコバッグの衛生面を心配する声が多く上がり、3月以降も暫定的に、プラスチック袋の提供が継続された。

州環境局は、キャンバスやポリエステル製の、再利用可能なエコバッグの使用を推奨している。


警官と市民、一触即発 300人近くを逮捕

昨年5月25日にミネソタ州ミネアポリスで起きた、黒人男性のジョージ・フロイドさんの死に対する全米規模の抗議運動に、ニューヨーク市内では同月27〜28日の夜にかけて数千人が参加。300人近い逮捕者が出た。28日付NBCニューヨークが伝えた。

フロイドさんの首を膝で押さえつけた、元警官のデレク・ショービン被告が第三級殺人および過失致死罪で逮捕・起訴されたわずか数時間後には、抗議活動が全米に波及。ニューヨーク市では同月28日午後から、ユニオンスクエアに集まった群衆が、スローガン「息ができない」を唱えていた。

NYPDは逮捕した参加者から、銃器、れんが、ナックルなどを押収。抗議運動に乗じて市内では略奪行為などが激化し、6月1日から数日間は夜間の外出禁止令が発令された。


米連邦最高裁判事、死去 追悼式に市民集まる

昨年9月18日に87歳で亡くなった米連邦最高裁のルーズ・ベイダー・ギンズバーグ判事の追悼式が同月20日、ブルックリン区ダウンタウンの区庁舎前で行われ、多数の市民が集まった。同日付amNYが伝えた。

1933年にブルックリン区で生まれ、同区ミッドウッドで育ったギンズバーグ判事は、米法曹界のトップとして30年近くも女性や少数者の権利を擁護した。フェミニストの象徴および男女平等の権利の擁護者として広く知られていた判事の死は全米に衝撃を与え、ニューヨークでは市と州の指導者らが追悼式の開催を呼び掛けた。

追悼式を主催した同区のエリック・アダムス区長は、ギンズバーグ判事のレガシーに敬意を評して、同区庁舎を改名するよう呼び掛けた。追悼式には、ニューヨーク市のジュマーニ・ウィリアムズ市政監督官、ニューヨーク州選出のチャック・シューマー上院議員、ニューヨーク州女性法曹協会のジョイ・トンプソン会長らが参加し、ギンズバーグ判事にちなむ同区庁舎の改名に同意した。


「犬のひも」巡り騒動 女性が黒人男性を不当通報

マンハッタン区セントラルパークで昨年5月25日朝、黒人男性から飼い犬にリードを付けるよう求められた白人女性が警察に通報し、人種差別問題に発展した。女性はその後起訴された。同28日付NBCニューヨークが伝えた。

同公園内「ランブル」と呼ばれるエリアでバードウォッチングをしていたクリスチャン・クーパーさんは、犬に付ける決まりとなっているひもを付けずに散歩させていたエイミー・クーパー被告を注意。同被告が無視し、クリスチャンさんがその様子を動画撮影した。動画内で同被告は「アフリカ系アメリカ人が私の命を脅かしている」と警察へ通報を数回繰り返した。

BLMの抗議活動が加熱すると共に、動画はツイッターに投稿され、拡散していった。ニューヨーク市のビル・デブラシオ市長は「単純明白な人種差別だ」とツイッターで批判。後に同被告はクリスチャンさんに謝罪した。

BBCの報道によると、同被告は2回通報を行っており、うち1回はクーパーさんからの暴力を訴える、虚偽の通報だった。


10億ドルを削減 21年度NYPD予算

ニューヨーク市議会は昨年6月30日夜、NYPDの予算10億ドル削減を盛り込んだ、2021会計年度予算を可決した。予算規模は880億ドル。7月1日付CBSニューヨークが伝えた。

市庁舎前では警察予算の削減を求める抗議運動が数日前から行われ、バリケードを築くも警察が撤去。数人の逮捕者が出た。デモ参加者らは、「NYPDの予算削減は会計操作であり、実質的な削減ではなく、新規雇用凍結が実現しなかった」と不満を表明した。

コーリー・ジョンソン市議会議長もデモ隊の主張を支持し、今回の予算案可決は「始まりにすぎない」とツイッターに投稿した。

NYPDの予算から削除されたうち、4億ドル超は夏の青少年プログラムや教育、社会事業などに、5億ドルは青少年レクリエーションセンターや、市公営住宅の高速通信回線の拡大などに充てられる。学校の安全監督業務やホームレス支援などの業務は、市の他部門に振り分ける。


最高裁判事に敬意 大学建物の名称変更

ニュージャージー州のラトガース大学は17日、今年9月に亡くなった米連邦最高裁のルース・ベイダー・ギンズバーグ判事に敬意を表して、ニューアーク校の建物を改名すると発表した。同日付NBCニューヨークが伝えた。

同大学の理事会は、1963年から72年まで同大学法科大学院で教えていたギンズバーグ氏に敬意を表して、ネオクラシック様式の17階建て住居用ビルの名称を「ルース・ベイダー・ギンズバーグ・ホール」に変更することを決定した。

このビルには以前、法科大学院が入っていた。現在は330人の学部生、大学院生、法科大学院生の住居となっており、ニューアーク校総長の住居でもある。

同大学のジョナサン・ホロウェイ学長は、「ギンズバーグ氏のことを考えるとき、将来の世代が彼女の忍耐力、明確な目での正義と公平性の追求、そして声なき者や歴史のない者として見られることが多い人々への配慮を理解してくれることを願っている」と声明を発表した。


IEC逮捕を制限 州知事が署名

ニューヨーク州のアンドリュー・クオモ知事は15日、移民関税捜査局(ICE)の職員が州裁判所で、州民を移民法違反で逮捕できる状況を制限する法律に署名した。同日付NBCニューヨークが伝えた。

連邦裁判官は今年6月、当局が同州の郡庁舎で民事逮捕を行ったり、訴訟のために同庁舎へ行く人を逮捕したりすることを阻止した。7月に同州上院と州議会で可決された今回の法律では、ICEが移民を逮捕するためには、裁判官が署名した令状が必要となる。裁判官の署名のない行政令状での逮捕や、令状が全くない場合の逮捕は許可されない。

同法を支持した議員らは、「近年、トランプ政権下では裁判所内での移民逮捕が増加しており、他の問題で出廷すると移民法の執行で逮捕される可能性を懸念している」と述べた。

同知事は、「連邦政府とは異なり、ニューヨークは常に移民コミュニティーを保護してきた。この法案は全ての住民が、ICEや他の当局から不当に標的にされることを恐れず、法廷での一日を過ごせることを保証する」と語った。


年間最注目ワードを発表 グーグル社の恒例ランキング

グーグル社は昨年12月、1年で最も検索された(急上昇した)言葉をまとめた「イヤー・イン・サーチ」を発表した。

米国の総合ランキングの1位は、「選挙結果(election results)」。次点が「コロナウイルス」、そして1月に他界した、バスケット選手の「コビー・ブライアント」が3位だった。

また人物部門では、昨年12月に次期大統領に正式に認定された、ジョー・バイデン氏が1位に選ばれた。その他の部門の1位は次の通り。

▽スポーツ選手=ライアン・ニューマン

▽スポーツチーム=ボストン・セルティックス

▽定義=WAP(歌詞部門でも1位)

▽俳優=トム・ハンクス

▽映画=『パラサイト』

▽レシピ=サワードウ・ブレッド

▽テレビ番組=『タイガーキング』

▽〇〇はどこにあるのか=給付金(stimulus money

▽〇〇の作り方=ハンドサニタイザー

▽コロナウイルス中の〇〇=買うべき株

▽〇〇への募金方法=ブラック・ライブス・マター

▽〇〇を助けるには=オーストラリア火災

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