心と体のメンテナンス

甲状腺疾患と妊娠 低下症と亢進症の治療法(後編)

低下症と亢進症の治療法
年齢など条件考慮し判断

Q. 妊娠前に甲状腺機能低下症と診断されたら?

A.

母体の甲状腺から分泌される甲状腺ホルモンが、妊娠と出産、胎児の発育、特に妊娠12週目までの臓器の発達に不可欠なことは、前回お話ししました。

甲状腺機能低下症(以下、低下症)とは、甲状腺機能に異常が生じ、甲状腺ホルモンの分泌が不足した状態です。母体はもとより胎児への影響が心配なので、産婦人科や内分泌内科などで治療を始め、妊娠前にホルモンバランスを整えておきましょう。適切な治療と管理によって、大抵のケースで問題なく妊娠と出産が可能です。

「橋本病」は、低下症を引き起こす代表的な病気です。本来体を守るはずの免疫が甲状腺を攻撃し、甲状腺に慢性炎症が起こる結果、生じます。 

Q. 低下症はどのように治療しますか?

A.

不足分を、甲状腺ホルモンの錠剤で補います。治療は長期間になることも多く、腫瘍が原因で甲状腺の摘出手術を受けた場合など、薬を一生飲み続ける必要があります。

薬の副作用を心配する人もいますが、もともと体にあるホルモンを合成したものなので、医師の指示通り服用していれば問題ありません。妊娠前や妊娠中に服用を続けても、妊娠・出産、胎児への影響もありません。個人差はありますが、服用開始から約4~8週間でホルモンレベルは正常値に回復します。

産婦人科では、妊婦の甲状腺機能検査を定期的に行います。妊娠中は母体の甲状腺に負荷が掛かるため、妊娠前や初期に正常だった甲状腺機能も、妊娠してしばらくすると低下することがあるからです。妊娠中でなければ様子を見るような軽症のケースでも、妊婦、特に妊娠12週目までは、胎児への影響を避けるため、すぐにホルモン剤による治療を検討します。

妊娠前から低下症や橋本病治療のためホルモン剤を服用していたケースでは、妊娠中にホルモン不足になるのを避けるため、妊娠が分かった時点で薬の量を増やすのが一般的です。定期検査で様子を観察し、用量を細かく調整します。

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1245

春到来! 週末のプチお出かけ 〜ハドソン川流域・キャッツキル山麓編〜

桜の花も満開を迎え春の行楽シーズンがやって来た。ニューヨーク市内から日帰りできるハドソン川流域・キャッツキル山麓の人気のスポットを紹介しよう。

Vol. 1244

オーェックしよ

コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。

Vol. 1243

お引越し

新年度スタートの今頃から初夏にかけては帰国や転勤、子供の独立などさまざまな引越しが街中で繰り広げられる。一方で、米国での引越しには、遅延、破損などトラブルがつきもの、とも言われる。話題の米系業者への独占取材をはじめ、安心して引越しするための「すぐに役立つ」アドバイスや心得をまとめた。