~New Yorker’s English Expressions~ ニ&
元NFLチアリーダーが、海外に住む子育て世代の読者に向けて、ポジティブなマインドセットを養うメソッドを紹介する連載。
【今週の語り手: 橋詰】
他人と自分を比べてしまうことはありませんか? 私はつい、周りを気にしてしまうことがあります。人はみんな違う人間で、それぞれの特徴や良さがある中、人と比べて優越感に浸ったり、上には上がいると思って劣等感を覚えるなど、比較してしまう生き物だと思うんです。普段からその傾向がある人は、「自分は自分」と周りを気にせずにいることは難しいのかもしれません。このまま比べ続ける人生で良いのか、一度立ち止まって考えてみましょう。
他人との比較は自己肯定感を下げる一要因
とある別のダンス教室に通っている知り合いの娘さんが、私にこんなことを言いました。「踊る時、後列の後ろの真ん中になったの。後列の中では一番うまいんだ」これを聞いた時、他人と比べて自分のうまさを確認するのは、少し悲しいなと思いました。どんな立ち位置でもみんなで一丸となり作り上げるパフォーマンス、それがチアであると思うからです。
しかし私も人と自分を比べてこなかった訳ではありません。バレエを幼い頃から習ってきた私は、中学校に入った頃から周りとの体型や配役を比べてしまい、自己肯定感がどんどん下がっていきました。
その考えを改めるきっかけになったのがNFLのオーディションです。容姿淡麗で魅力溢れる何百人もの女性たちの中で、どう自分の良さを出していくか試行錯誤をする中、プロアスリートのマインドセットについての本を読みました。その本の中で、「仮に身体能力が同じくらいの選手がいたとしても、本番でのパフォーマンスに差をつける要因が他にある。それはメンタルの強さだ」という言葉に出会いました。そして優れた一流のスポーツ選手ほど、他人と比べるのではなく、常に自分と向き合うことで、他人からの評価に惑わされずに高いパフォーマンスを発揮していることを知りました。
そこから、周りと比べることが少なくなりました。オーディションの際、自分の今までの練習や準備を信じてその場を楽しむ。すると、自然に自信に満ち溢れたオーラが相手にも伝わっていくのです。NFLの最終オーディションでは、合否の結果を気にせず心の底から楽しんで踊ることができ、結果運良く合格することができました。
過去の自分と今の自分を比べる
生徒の皆さんには、他人を軸に自分の成長を図るのではなく、過去と今の自分を比べて、成長を見つめてもらうようにしています。私たちはみんなが同じように踊れることを目標にはしていません。それぞれダンスを始めた年齢や環境が違う中、一人ひとりの成長度合いを見ています。生徒の皆さんにもそこに集中してもらうために、去年に比べてどれだけ成長したか、自分自身に対して感じたことを共有する機会を設けています。だからこそ、レッスン中も周りを気にせず、自分がうまく踊れなかった所をどうやって克服していこうか思考を巡らせ、行動に移していけるのだと思います。
これを読んでいる読者の方々も、「他人と同じでなくても良い、私には私なりの色がある」と、周りと比べることを少しお休みして、リラックスしてみてくださいね。
講師プロフィール
河田侑子
6歳から新体操、高校からチアダンスを始める。
日本代表として出場した全米チアダンス大会で準優勝。
大学卒業後、NFL Dallas Cowboys Cheerleadersで活動する。現在、夫と息子とアリゾナに在住。
橋詰あずさ
5歳よりクラシックバレエを習い、高校でバレエ留学する。
大学卒業後、IBM BigBlue Cheerleadersに在籍。2016年に来米し、NFL Washington Redskins Cheerleadersで活動。
現在、夫と息子とタイで3人暮らし。
夏のオンライン発表会を開催!
6月17日(金)に夏のオンライン発表会を開催しました。各クラスの生徒が家族や遠方に住む親戚の方に向けてパフォーマンスを披露。特別ゲストには、現在NBAオクラホマシティ・サンダーのダンサーとして活躍中の平田恵衣さんを招き、ダンスレッスンを開催。生徒も刺激を受けた発表会となりました。
毎月月初に体験会を開催中!クラスの詳細、最新の情報はこちらから
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