~New Yorker’s English Expressions~ ニ&
元NFLチアリーダーが、海外に住む子育て世代の読者に向けて、ポジティブなマインドセットを養うメソッドを紹介する連載。
【今週の語り手: 河田】
〝ありのままの自分を受け入れる〟
私はこの一言にたくさんの意味が込められていると思います。一つ目は、感情を殺さずに自分が感じるありのままの感情を受け入れること。「悲しい」「つらい「寂しい」といったマイナスの気持ちを抱くことは誰しもが避けたいことですが、マイナスな気持ちになっても良いんだと、自分の気持ちを受け入れて正直になれることが〝ありのままの自分〟でいることの一つなのです。
ネガティブな感情との
付き合い方
特に子どもにとって「楽しい」などのポジティブな感情は、言葉にしたり態度で見て取れたりするものですが、一方で「悲しい」「寂しい」と言った感情に関しては、まだ自分でもこの気持ちが何なのか、どう向き合えば良いのかが分からず、攻撃的な態度を取ってしまうということも十分あり得ますよね。その行動だけを見て、つい怒ってしまうこともあるかもしれません。けれども、その行動の裏にある感情を引き出して受け入れてあげることで、その子自身がネガティブな感情との付き合い方について学ぶ一つのプロセスになるのではないかと思っています。
「アンガーマネージメント」という言葉がありますが、ネガティブな気持ちの発散方法を知っているということは、ストレス発散方法を知っているということにもつながり、生きていく上で大切なスキルになります。私たち大人にとっても同様で、マイナスな感情を受け入れてもらえる人がいるという安心感は大きいですよね。子どものマイナスな感情に寄り添ってあげることが、ありのままの自分自身でいられる一つの要素なのだと思います。
いろんな価値観を
受け入れる
二つ目は人種、文化、宗教から生まれる違いを受け入れることです。海外生活では、この3つの違いを感じる機会が特に多いと思います。 チームによって違いがあるので一概には言えませんが、私はNFLチアリーダーとして活動する中で、マイノリティーであるアジア人だからこそぶつかった壁がたくさんありました。また〝人種〟という価値観の少ない日本で生まれ育った私にとって理解できないことも多く、悔しい思いをしたこともたくさんあります。
アメリカで数年暮らしてみて今言えることは、この国ではいろんな宗教や文化の中で育った人が生活をしていて、いろんな価値観や正義の形があるということです。何が正しいのかさえ、文化や宗教によって差がある中、自分軸の価値観だけで相手をジャッジするのはとても難しいと感じます。来米してからその違いを自分の中で整理して受け入れるようになるまでは、私も苦労しました。ある意味で、「私は私」「あなたはあなた」、そんなスタンスで相手をリスペクトしながら自分自身を肯定することで、ありのままの自分でいられるのではないかと感じます。
〝ありのままでいる〟ということは、自分の人生を作り上げるということ。周囲の顔色や評価を気にして合わせることばかりしていると、周りに合わせた人生になってしまいますよね。自分の人生は自分が主役です。〝私〟はどうしたいのか〝私〟はどう感じているのか、常に主語は自分であるということを自覚する必要があるのです。また、自分の感情や考えていることを理解する力が身に付いているからこそ、周りとの違いに気付き、リスペクトすることができるのだと思います。まずは自分と向き合うことが大切ですね。
講師プロフィール
河田侑子
6歳から新体操、高校からチアダンスを始める。
日本代表として出場した全米チアダンス大会で準優勝。
大学卒業後、NFL Dallas Cowboys Cheerleadersで活動する。現在、夫と息子とアリゾナに在住。
橋詰あずさ
5歳よりクラシックバレエを習い、高校でバレエ留学する。
大学卒業後、IBM BigBlue Cheerleadersに在籍。2016年に来米し、NFL Washington Redskins Cheerleadersで活動。
現在、夫と息子とタイで3人暮らし。
インスタグラムを更新中!
YAチアダンスでは、生徒たちの活動をインスタグラムに投稿しています。ワシントンD.C.在住でYAチアダンスの生徒であるYちゃんが、高校のチアリーディング部のトライアウトに合格しました。「チア部はみんな仲が悪い!?」、そんな印象を持っていた彼女が、チアリーディング部に入る前と後の心境、レッスンで学んだことを紹介しているので、ぜひご覧ください。
Instagram: @ya.cheer
海外での子育てに関する相談や、チア教室についてなど、講師への質問を大募集。お問い合わせは editor@nyjapion.comまで。