YAチアダンスのポジティブマインド教育学

~第3回~ 目標の設定方法

元NFLチアリーダーが、海外に住む子育て世代の読者に向けて、ポジティブなマインドセットを養うメソッドを紹介する連載。


【今週の語り手: 河田】

何をすればいいのか、またどうすれば達成できるのかわからないことを目標にするのは、とても難しいことです。特に年齢を重ねれば重ねるほど、無謀な夢物語のように思えてためらいがちになり、目標を持つことさえ諦めてしまう人も多いのではないでしょうか。

私の場合、目標を決める時に大事にしていることが二つあります。一つは達成できないかもしれないと感じてしまう、大きな目標を設定することを恐れないこと。二つ目は、目標を具体的に設定することです。何歳の時に、どこにいて何をしているのか。目標を達成した自分を鮮明にイメージできると、何をしなければいけないのかがわかってくると思います。

NFL Dallas Cowboysのチアリーダー1年目の時のオーディションの時の写真

目標までのタスクを
可視化する

この「何をしなければいけないのか」というのが目標への過程になるわけですが、私はこの過程の中にABCと小さなゴールを複数作るようにしています。Aゴールは過去に経験したことがあり、やり方も知っているもの。Bゴールはやったことはないけれど、どうすれば達成できるかわかるもの、といったように達成すべきゴールを細かく作り、最終的な目標までのタスクを可視化するのです。そうすることでその目標は、「夢物語」ではなく現実味を帯びたものになっていきます。

このことは大人だけではなく子供たちにも言えることだと思います。何をすればいいかな? とやるべきことを一緒に考えながら一つ一つクリアすることで、夢をただの夢にするのではなく具体的な目標として取り組ませることができるのです。私がチアダンスの指導で意識しているのは、とにかく具体的に話すこと。 例えば「ダンスが上手になる」というワード一つ取っても、「ダンスが上手」とはどういうことを指すのかを明確にします。答えは年齢やダンス歴によって変わってきますが、それぞれに合わせて、「笑顔で踊ることだよ」「しっかりと腕を伸ばすことだよ」などと具体的に話すようにしています。

目から入る情報は頭に入りやすいので、実際に私が体を動かして良い例と悪い例を見せるようにもしています。また発表会で生徒たちが、他のクラスの友達やお姉さんのダンスを見ると、「自分もこういう風になりたい!」と意識を上げてレッスンに取り組  んでくれるようになることも多いです。最初に話した、「目標を達成した自分が鮮明にイメージできること」という点が他の生徒たちのダンスを見ることで、クリアになっていくのだと思います。

目標を持つことの
楽しさを見出す

長年の夢だったNFLダラスカウボーイズのチアリーダーを引退した後は、 同じように夢中になれる目標を持てるのかと、空っぽな気持ちになった時期もありました。目標を持つこと、自己実現に向けて努力をすることは、決して楽なことではありません。けれどもやはり楽しいもので、今は私自身、次の目標を見つけて進んでいるところです。

子供が産まれて生活がガラッと変わり、毎日を過ごすのが精一杯という日が続いています。きっと私だけじゃないですよね。今までとは違って思うようにならないこともたくさんありますが、アリのように少しずつでも目標に向かって進んでいきたいものです。そしてそんな私を見て息子にも、目標を持つことに楽しさを見出してくれたら良いなと思います。

 

 

 

講師プロフィール

河田侑子

6歳から新体操、高校からチアダンスを始める。
日本代表として出場した全米チアダンス大会で準優勝。
大学卒業後、NFL Dallas Cowboys Cheerleadersで活動する。現在、夫と息子とアリゾナに在住。

 

橋詰あずさ

5歳よりクラシックバレエを習い、高校でバレエ留学する。
大学卒業後、IBM BigBlue Cheerleadersに在籍。2016年に来米し、NFL Washington Redskins Cheerleadersで活動。
現在、夫と息子とタイで3人暮らし。

 

オンライン教室の生徒募集中!

YAチアダンスではオンライン教室の生徒を募集している。年齢やレベルに応じてクラスを幅広く設けており、オンラインで世界中から受講できる。月に一度の体験会もあるので下記のQRコードかURL、インスタグラムからチェックしてみよう。

Instagram: @ya.cheer
yacheerdance.com

 

 

 

 

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