YAチアダンスのポジティブマインド教育学

~第2回~ 目標を達成するためのプロセス

元NFLチアリーダーが、海外に住む子育て世代の読者に向けて、ポジティブなマインドセットを養うメソッドを紹介する連載。


オンライン教室は、アメリカで日本語を使って習い事をさせたい、元プロチアリーダーからの指導を受けさせたい、家事をしている間にアクティビティーをさせたいといった人におすすめ

河田&橋詰:第2回目のテーマは子供が掲げた目標を達成させるために、どのように導けば良いのかについてです。私たちがNFLチアリーダーになったプロセスを例に挙げてお話ししたいと思います。

橋詰:私の場合、26歳でチアを始め、その後すぐにNFLチアリーダーになりたいと思うようになりました。しかしずっと夢だった英語を活かして海外を飛び回れる仕事に、当時はやりがいを感じていました。そのため会社を辞めて渡米することについてはとても悩みましたが、一度きりの人生、やりたいことに挑戦してみようと決心したのでした。

NFLチアリーダーに挑戦するに当たっては、自分の得意分野と全チームの特徴を照らし合わせ、最終的にワシントン・レッドスキンズ・チアリーダーズ(現ワシントンコマンダーズ)のオーディションを受けることにしました。ダンスの他に面接、ウォーキング、写真撮影などを経て、一般公開されるファイナルオーディション終了後にその場で合格を通達されました。

社会人7年目でチアリーダーになることについて、金銭面を含め少なからず不安はありました。しかし迷うくらいなら一度挑戦してみることが大切だと実感したのです。頭で考えているだけでは実際に動き出すのは怖いもの。少しずつでも行動に移すと、頭で考えていた以上のことができるようになります。ダンス教室で指導する上でも、生徒たちが自ら行動できるようにポジティブな言葉をたくさん投げ掛けるようにしています。少しずつ自信を付けてあげることで、その一歩を踏み出す手助けをするのです。

河田:私は18歳でダラス・カウボーイズのチアリーダーになることを志し、大学の卒業式を待たずして渡米することになりました。そしてオーディションが始まる3カ月前には、現地での人脈作りとトレーニングをスタートさせました。

ダラスカウボーイズのオーディションにはダンスと面接、筆記テストがあり、それらに合格するとトレーニングキャンプが待っています。本当のオーディションはここから。練習は毎日夕方から日付が変わるまで行われ、約2カ月の期間中に10人が落とされます。次は誰がクビになるのかという不安の中、ドキュメンタリーショーの撮影も入り、「どの瞬間も撮られている」という精神的にも肉体的にも辛い地獄のような日々を過ごします。緊迫した状況でいかに結果を残せるかが重要となり、トレーニングキャンプを終えて無事に勝ち残った人だけが正式なメンバーとして迎えられるのです。

ここでの経験はダンス教室での指導にも活きています。私の場合、NFLチアリーダーになるという大きなゴールを達成するために、進むべきステップを細かく分けて一つ一つクリアしていくことを積み重ねました。それを教室でも意識し、生徒たちがゴールを設定した後は小さなステップをいくつも踏ませることで、たくさん達成感を感じてもらえるような指導をしています。ただ大きな夢を語り漠然と前に進もうとしても、結果を出すのは難しいもの。成功体験を積み重ね、自己肯定感を増やしてあげることが重要なのです。ダンスの経験値や年齢、性格に応じてアドバイスのレベルや声の掛け方を変え、自信を付けながら目標に向かえるような指導を心掛けています。

次回は今回の話を踏まえ、そもそも目標をどのように設定すれば良いのかについて、具体例を挙げながらお話ししていきたいと思います。

 

 

講師プロフィール

河田侑子

6歳から新体操、高校からチアダンスを始める。
日本代表として出場した全米チアダンス大会で準優勝。
大学卒業後、NFL Dallas Cowboys Cheerleadersで活動する。現在、夫と息子とアリゾナに在住。

 

橋詰あずさ

5歳よりクラシックバレエを習い、高校でバレエ留学する。
大学卒業後、IBM BigBlue Cheerleadersに在籍。2016年に来米し、NFL Washington Redskins Cheerleadersで活動。
現在、夫と息子とタイで3人暮らし。

 

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