グローバル時代の子育て

英語力上達の秘訣はインプット

日本人は英語下手な国民と言われます。それを解消するために日本でも小学校3年生から英語の授業が始まっています。しかし年間の35コマ(26時間)程度の授業時間で英語ができるようになるのでしょうか?

日本人に英語が身に付かない理由

日本人に英語が身に付かない最大の原因は英語のインプット量が少ないことです。日本人だけが「英語できないDNA」を持っているわけではありません。日本で暮らし、両親とも日本人でも、子どもがインターナショナルスクールに通えば英語がペラペラに育ちます。

日本人はシャイな人が多く、自分から英語を話そうとしないから身に付かないという説も眉唾です。私の運営するTLC for Kidsに通学する日本人生徒は、誰もが日本語と英語を自在に操るバイリンガルです。シャイで積極的に英語を話さない子どももいますが、英語の先生やネーティブの友達と話すときは流暢な英語でコミュニケートできます。

日本人だから英語が身に付かない、英語を話さないから身に付かないというのはウソです。インターナショナルスクールや英語圏の学校に通って、英語に触れる量(インプット)が増えれば日本人でもバイリンガルになれるのです。

どれだけのインプットが必要なのか?

アメリカ国務省の付属機関FSI(Foreign Service Institute)が行った調査によると、英語を母語とする研修生が、日常生活に差し支えない日本語力を獲得するために要した平均学習時間は2400〜2760時間でした。

日本人が英語力を身に付けるにも「2500時間前後」の学習時間が必要と言えます。この調査は大人を対象としていますが、子どもであればさらに短い時間、私の経験から1500〜2000時間程度のインプットで、日常英語を身に付けることができます。

英語圏に移り住んできた子どもが現地校(プリスクールやキンダーガーテン含む)に通い始めてから英語でコミュニケーションが取れるようになるまでの期間は平均1年〜1年半くらいです。子どもは現地校で1日平均6時間過ごしますから、1年で1110時間、1年半で1660時間のインプット量になります。お子さんにバイリンガル教育を行っている方は1500時間〜2000時間のインプットを一つの目安としてください。

なぜ子どもは言語習得が早いのか?

幼児期から小学低学年までの子どもは語学習得の黄金期にいます。この時期の子どもは世界中のどんな言葉であっても、大人よりはるかに短時間で習得することができます。その理由は「無意識に言語を吸収できる」からです。

子どもは、環境にあるものを無条件に取り込む力を備えているのです。子どもの仕事は、身の回りの環境に適応することです。子どもの頭脳が「生きるために必要である」と判断すれば、どんなスキルでも吸収してくれるわけです。

日本で生まれた子どもにとって日本語は生きるために必要なスキルです。環境に日本語があるから子どもは日本語を自然に身に付けるのです。学習意欲を持って、努力して日本語を身に付けたという子どもはいないはずです。

環境に「英語」が豊かにあれば、子どもの頭脳は「英語は生きるために必要だ」と判断します。すると英語をせっせと吸収してくれるのです。子ども時代にたくさん英語環境に触れさせて「英語は生きるために必要だ!」と脳に思わせることが英語習得の近道です。

家庭でのインプットを増やす!

家庭でも英語環境を作ることによって英語のインプット量を増やすことができます。以下のような環境作りを心がけてください。

①英語の歌や物語を毎日流す(1時間くらい)

②英語のチャート(文字や単語)を家中に貼る

③英語の本を本棚にたくさん並べる

④英語のアニメや子ども向け番組を見る(30分〜1時間)

 

 

 

船津徹 (ふなつ・とおる)

TLC for Kids代表 教育コンサルタント

1990年明治大学経営学部卒業。大学卒業後、金融会社勤務を経て幼児教育の権威、七田眞氏に師事。
しちだ式教材制作に従事。2001年ハワイ州ホノルルにてグローバル教育を行う学習塾
TLC for Kidsを開設。
2015年に
TLC for Kidsカリフォルニア州トーランス校開設。2017年上海校開設。
アジア諸国からの移民子弟を中心に4000名以上のバイリンガルの子どもの教育に携わる。
イエール大学、ペンシルバニア大学など米国のトップ大学への合格者を多数輩出。
著書に「すべての子どもは天才になれる、親(あなた)の行動で。」(ダイヤモンド社)、「世界で活躍する子の〈英語力〉の育て方」(大和書房)。

 

 

 

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