Made In NYのしめ飾り 自由かつオリジナルな発想で

2019年最後の日曜日、フローリストの市川舞さんによる「フラワーレッスン」が行われ、多くの参加者が集った。

舞さんは、東京の「青山フラワーマーケット」での花屋勤務を経て、昨年6月にニューヨークへ移住。フローリストとして幅広く活動している。

この日は、新年に向けた「正月のしめ飾りレッスン」をテーマに、みんなでオリジナルのしめ飾りを作る。正月らしい琴の曲が教室内で流れると、みんなの気分も盛り上がってきた。

「しめ飾りは、魔除けを意味するしめ縄に縁起物の飾りを付けたのが始まりといわれています」と、その由来から始まり、「12月28日頃に飾り、1月7日に外すのが一般的です」との舞さんの説明に、参加者は「知らなかった」「勉強になる」とメモを走らせる。

 

基本となる土台を作った後、用意されたトッピングを自由に選んで作っていく

 

日本と同じ素材を見つけるのは困難なため、ニューヨークで手に入る自然な素材を使って作ることを目指しているという。「マーケットで探した材料と日本の千代紙や水引きを合わせて作っていきます」と話す。

イネの代わりに、他のイネ科のクサヨシやチャイナミレーなどの雑穀を使ったり、鈴の代わりにスカビオサのポット、扇に見立てて乾燥マッシュルームと、一工夫。そうやって舞さんが事前に集めた飾りの材料を、自由に使って作っていく。

ワイヤーでロープに水引きをくくり付け、梅に見立てたフェイクモスをグルーガンでくっ付ける。「ここはやっぱり赤がいいかなあ」と考え込んだり、配置を変えてみたりと、みんな頭をフル回転。事前に配布された舞さんの手書きのイラストの説明書を覗き込み、「これで合っていますか?」と不安そうに尋ねる参加者に、「こうやったら正解というものはないので、自由に作ってください」とほほ笑む舞さん。

主婦の金澤由紀子さんは、「前回のリース作りにも参加しました。今回はイラスト入りの説明書もあって、さらに分かりやすかったです。あれこれ集中して考えて、自分の好きなように飾り付けをする過程が楽しかったです」と話した。

 

舞さんのユニークなアイデアと発想が詰まった、ニューヨーク版のしめ飾りが完成

 

舞さんが一人一人を丁寧に見て回ってくれるので安心

 

ニューヨーク在住18年のペインター、須田久美子さんも参加2回目で、「先生の教え方が丁寧で楽しかったので、また参加しました。自分の思った通りの形にするのが難しかったですが、今回は付け方のテクニックと素材のバランスを学びました」と、好きなものを作る楽しさを満喫したようだ。

主婦の小宮沙織さんは、「お正月のお飾りが手に入らないので、自分で作ろうと参加しました。ワイヤーできつくしめる過程が難しかったですが、先生が用意してくれた材料のセンスがとてもよく、色使いもすてきだったので、作るのが楽しかったです」と大満足。

完成したオリジナルのしめ飾りを手に、参加者は新年に向けての喜びを味わっていた。

 

今週の先生

市川舞さん

今回はしめ飾りでしたが、今後も日本の文化に触れられるものを取り上げて行く予定です。作ったしめ飾りを家に持って帰って、いわれなどを話すことで、家族の会話が弾んだり、子供が日本の文化を知る機会にもなります。子育てで忙しく、なかなか自分の時間が作れない人や、「お花のレッスンはちょっと敷居が高くて」という人たちに、ぜひ気分転換に来てほしいです。

Flower Lesson

不定期で開催している。
日程などの詳細はメールで問い合わせること。
子供連れや初心者の参加を歓迎。
【問い合わせ】
maiichikawa.flower@gmail.comichikawamai.com

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