親子で楽しく遊びながら 日本語、日本文化を学ぶ

「クイーンズのフォレストヒルズに、子供たちのための日本語コミュニティーを作りたい」という有志の集まりによって、2018年秋より始まった「日本語ストーリータイム」。保育士と日本語教師の資格を持ち、2児の母でもある野崎知恵さんと、同じく2児の母で、日本とアメリカで障害児教育に携わってきた、テイタム裕佳さんが教えている。

参加者は、プリK入学前の子供とその親が多く、時には教室いっぱいの30人近くが来ることも。日本の季節を大切にしながら、毎回、読み聞かせ、俳句、リズム遊び、歌、クラフト、絵描きなどを通じて、日本語や日本文化を学んでいる。

絵本や俳句の読み聞かせ、リズム遊び、クラフトなど、日本文化を楽しく学ぶ場として、月2回開催している

参加した子供たちは始めに、「あなたのお名前は?」と聞かれると、自分の名前を照れながら言う子や、うれしそうに言う子などさまざま。

全員の名前を聞いたところで次は、絵本や俳句の読み聞かせ。取材した11月は秋のストーリーを読み聞かせていた。「それぞれの季節に合う作品を選んでいます」と話す野崎先生。

その後、黒板に書いてある童謡を一緒に歌い、テイタム先生によるリズム遊びが始まると、「グー、チー、パー」という掛け声にあわせ、子供たちは「グー、チー、パー」と手を広げたり閉じたりしながら、満面の笑みで手を動かす。

一つの流れが終わると、間を開けずに次から次へとカリキュラムを進める、野崎さんとテイタムさん。

本日のメイン、全員でジンジャーマンに色を塗るお絵描きが始まると、さまざまな色のクレヨンやシールを使って、好みの色やシールを真剣に貼る子供たち。親たちも手伝って、オリジナルのステキなジンジャーマンが完成した。

子育て中のママたちの、情報交換の場としても活躍

最後は皆で一緒に片付け。「遊ぶだけでなく、片付けも皆で行います」と、テイタムさん。

5回参加している2歳の娘を持つ、村上聡子さんは、「家から近いので通いやすく、娘と同じくらいの年齢の子供たちが通っているのもいいですね。先生たちも優しく接してくれるので、毎回楽しく参加しています」と話した。

エイク・リーさんは、ご主人と2人の息子の家族4人で参加。「日本語はよく分からないけれども、先生は英語でも説明してくれるのでとても分かりやすいです。子供たちのいい遊びの場になっているので、これからも通い続けたいですね」とにっこり。

2歳の子供を持つ、坂口寿恵さんは「すでに8回くらい参加しています。普段、日本語に触れる機会が少ないので、子供にとっていい環境だと思っています。子供の友達作りはもちろん、ママ友を作る場としてもいいですね」とほほ笑んだ。

「昨年は、約300人以上の子供たちが参加してくれました。クイーンズだけでなく、近郊から通ってくださる人もいます」と、2人の先生は語った。

カラフルなクレヨンやシールを使いながら、お絵描きを楽しむ子供たち

今週の先生
(左)野崎知恵さん
(右)テイタム裕佳さん

プリK進学前の幼い子供たちが多く参加しています。毎回、来てくれる子供たちの成長を見守れることが、私たちにとって何よりもの喜びだと感じています。日本人だけでなく、外国人親子も参加してくださるので、国際交流の場にもなっています。季節に合わせて内容も変えているので、毎回楽しい時間を私たちと一緒に過ごしませんか? ぜひ気軽にご参加ください。

 

Japanese Story Time

ノース・フォレストパーク図書館にて月2回、金曜午前10時30分〜開催。
子供と一緒に大人たちも協力して過ごしている。
誰でも歓迎。
【問い合わせ】
storytime injapanese@gmail.com(野崎)

 

 

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1244

オーェックしよ

コロナ禍で飲食店の入れ替わりが激しかったニューヨーク。パン屋においても新店が続々とオープンしている最近、こだわりのサワードウ生地のパンや個性的なクロワッサン、日本スタイルのサンドイッチなどが話題だ。今号では、2022年から今年にかけてオープンした注目のベーカリーを一挙紹介。

Vol. 1243

お引越し

新年度スタートの今頃から初夏にかけては帰国や転勤、子供の独立などさまざまな引越しが街中で繰り広げられる。一方で、米国での引越しには、遅延、破損などトラブルがつきもの、とも言われる。話題の米系業者への独占取材をはじめ、安心して引越しするための「すぐに役立つ」アドバイスや心得をまとめた。