~New Yorker’s English Expressions~ ニ&
世界中のさまざまなアーティストと共演し、アルバムもリリースする霧生ナブ子さんと、ヴァイオリン奏者、編曲家、講師として活躍するファーグソン勝美さん。ジャズをこよなく愛する2人が主催する教室「Let’s Sing Jazz!」は、曲の背景や歌詞を学び、歌う人の声域や発生の仕方を丁寧に教えている。
まず始めは声の出し方から。「普段から歌を歌っていない人だと、喉を痛めてしまうこともあるので、まずは軽くエクササイズ。手を高く上げて深呼吸。肩を回してみてください」と、生徒と一緒に肩を回すナブ子さん。「息を吸ったら一気に吐くのではなく、少しずつ吐きましょう。おへその下をスッスーッっと押さえながら」と、生徒たち一人一人をチェックする。「風船の空気が抜けるような感じのイメージで」と、勝美さんもやさしくアドバイス。
次に、コール・アンド・レスポンス(指導者の真似をして歌う手法)で発声を始める。「ララララ〜」と歌うナブ子さんは、音程をまねる生徒に、「グッドグッド、バッチリですね」とにっこり。
この日の課題曲は、「Fly Me To The Moon(フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン)」。最初に全員で2回繰り返し歌った後、ナブ子さんは「ケータイを持っている人はボイスレコーダー機能で録音していいので、今日帰ってからの復習に使ってください」と勧める。
「この曲は、暗い音階で始まり、明るい音階で終わる曲。自分の声域にあったキーを選び、歌うことを学びましょう」と話し、歌詞の内容を説明。
男性生徒の音程が高いかもと気遣い、ナブ子さんが「あなたならCよりも、Cマイナーの方がちょうどいいですね。女性と男性では音域が違うので、その人の声の高さによってキーを変えます。みんなで最初に歌った時は、Eマイナーというキーだったんですよ」と解説すると、勝美さんもイメージしやすいよう、すぐにピアノを奏でる。「へぇー、そうなんだ」と生徒から感心する声が上がった。
最後に、再び全員で再び歌って教室は終了した。
コーラスを習っていた経験もある、初参加の福田有里子さんは、「今まで『第九』などを習っていましたが、歌い方の違いに驚きました。ジャズは自由に歌えるのがいいですね」と笑顔。
ナブ子さんと知り合ってから3年経つという坂本丈子(ともこ)さんは、「ずっとジャズを習いたいと思っていたので、こうした教室があるのはうれしいです。今後も続けたいですね」と次回を楽しみにしていた。
サクソフォンを勉強中の岡野大夢(ひろむ)さんは、「歌詞についても詳しく説明してくれるので、曲を深く理解できました。自分の声域も知ることができて良かったです」と多くを学んだようだった。
2人の先生は終始笑顔で、「リラックスして歌う楽しさを感じて、毎回帰ってほしいですね」と語った。
今週の先生
(右)霧生ナブ子さん
(左)ファーグソン勝美さん
集った人々たちによって生まれるハーモニーや、それぞれの声の特長を大事にできたらと思っています。ジャズはとても美しいメロディーで作られたすてきな音楽です。参加した人がそれぞれ、何か刺激を受けていただけるとうれしいです。歌うことが好きな人であれば、どなたでも参加歓迎です。一緒に楽しく歌いましょう!
Let’s Sing Jazz!
ユニオンスクエアのレッスンは、月2回ペースで不定期開催。
2020年は1月4日(土)と2月15日(土)の11am-12:30pmを予定。
【問い合わせ】
nabusing@hotmail.com(ナブ子先生)/bopjazzstrings@gmail.com(勝美先生)