抜群のチームワークで 勝利を目指し、シュート!

USナショナルコーチングライセンスを持つ、二宮忍さんが監督を務める、サッカーチーム「FCジャパン」は、1992年創設。全米最大の日本人サッカーチームとして、国内リーグに出場している。選手の大半は永住者と駐在員だが、近年は、市内に住む外国人も参加している。

体をほぐすため、練習はまずは軽いメニューからスタート。数人ずつグループに分かれ、サークルの中でパスやヘディングをしながら、少しでも長くパスをつなげる。「ボールの中心を見ろ」と、選手に声を掛ける二宮さん。続けて、向き合った2列の先頭がパスをした後、相手の列の最後尾に移動しながらパスの交換を続け、流れるようなリズムで数種類のメニューを順番にこなし ていく。

経験の浅い女性陣は、二宮さんが別指導。「やさしくボールを受けて足元に止めて、インサイドでしっかり押し出して蹴ってみて」と、ボールの受け方や蹴り方のコツを1対1で教える。一生懸命蹴る女性陣に対して「そうそう、その調子」と、笑顔で声を掛けていた。

最後は、女性陣も合流し、二つのグループに分かれて15分のミニゲーム。二宮さんも選手たちに混じりゴールを目指してボールを奪い合う。パスを受けた選手に、FWの選手が手を上げて「こっちこっち」と合図を送ると、美しく長いパスがその選手の前に。そのままゴールを決めると、両チームとも拍手。

 

ニューヨークのサッカー好きが毎週集っている。現在、リーグ登録と練習選手を合わせると70人が所属している

 

水分補給を挟み、後半15分がスタート。ボールを追い、汗だくで走り続けていた選手たちも、ゲームが終わるころにはみんな、晴れやかな顔になっていた。

約2時間の練習後は、全員で片付け。ボールや練習用具などをしまい、翌日に控えた試合の詳細を確認していた。

 

和気あいあいあとした練習でも、ボールに向かう時はいつも真剣

 

今季リーグ戦の様子。ゴールを目指し、コートを駆け巡る選手たち

 

普段は研究員をしているボランチの伊藤慶一さんは、「サッカーは小学1年から29年くらい続けています。このチームも5年目で、仲間たちとの交流が、リフレッシュできる時間です」とにっこり。

ニューヨーク駐在が2度目となるMFの景山大さんは、「このチームはさまざまな業種の人がサッカーを通じて集まっています。仲間の経験や知識など、サッカー以外にも学ぶことが多いです。個人的にはもっとうまくプレーできるようになれたらと思っています」と、抱負を語った。

ブラジル出身のFW、サンドロ・ロシャさんは、「サッカーを始めたのは10歳くらいで、ブラジルでは遅かった方。チームに入ってまだ2年くらいですが、試合へのモチベーションも高く、雰囲気もいいのでとても心地よくプレーできます」と、笑顔で話してくれた。

二宮さんは、「試合に勝つことも大事ですが、何よりも選手が、毎週練習に来たいと思う雰囲気づくりを大切にしています」と話す。選手たちとの絆の強さが伝わってきた。

 

 

今週の監督
二宮忍さん

リーグ戦にも参加していますので、レギュラーメンバーを目指して本気でプレーする人もいますが、仲間と楽しくサッカーをやりたいという気軽に参加したい人も大歓迎です。また、エクササイズの一貫で習いたいという女性も多いです。外国人選手も数人いますので国際交流もできますし、勝ち負けよりも、家族のように温かいチームメイトたちとの交流を、サッカーを通じて楽しんでもらえたらと思っています。興味のある人はどなたでも参加を待っています。

 

FC Japan

マンハッタン区イーストリバーパークで毎週土曜に練習
(土日試合がある場合は要問い合わせ)。
男女問わず参加歓迎。
【問い合わせ】fcjnewyork@gmail.comInstagram: @fc.japan.ny

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