大学進学を考える 日本と米国、二つの国で学び暮らす選択
コロナ禍を経験して社会は大きく変わった。日本社会も例外ではない。未来を見据えて、グローバルな大学進学の選択肢の一つとして、米国と日本で自分たちのルーツを生かす学びについて掘り下げる。
広島の地で400年続いてきた武家茶道「上田宗箇流」を広めるため来米した、上田宗箇流正教授の長野佳嗣(よしつぐ)さんが主宰する、「武家茶道上田宗箇流茶道教室」。茶道の伝統や歴史を、本格的な稽古を通して学ぶことができる。
この日は、普段、茶道の所作について学んでいる生徒たちが、長野さんと共に毎月一つのテーマに沿って、一般の人を招いてもてなす茶会が行われた。
まずは、この日の茶会について参加者に説明。「本来の茶会は4時間あり、前半の2時間はお酒と食事、後半2時間で茶を堪能します」と話す。
今回のテーマは、初秋にぴったりな「お月見」。集まった参加者たちにウズラの卵の入った月見うどんを食してもらい、「お月見は月を愛で、その年の豊作を感謝する伝統行事です」と長野さんが説明。外国人の参加者には、同時通訳も入る。彼らには、正座も月見うどんも初めて。おわんのふたを開けると、「ビューティフル」と声が上がっていた。
まずは月見うどんで、日本の秋らしさを楽しみながら、長野さんが茶会の流れを説明していく
その後、隣の茶室へ。長野さん自ら抹茶に湯を注ぎ、茶せんを使いたてる姿を、静かに見守る。入り口の手水鉢にある水音が聞こえる静かな空間の中、1人ずつ順番にいただいた。
別の流派から参加した女性からは、流派での器の違いについて質問が。「広島の地で400年続く上田流は、元々、武士が日々戦いの合間に一服するやすらぎの時間のお茶。武士が使用するものなので、シンプルなデザインの陶器が多いですね」と長野さんが説明すると、参加者から「歴史が深い」「知らなかった」「クール」などの声が上がった。
全ての工程が終わると、質疑応答タイム。上田流や侍について、特に外国人の参加者たちは興味津々。アメリカでの抹茶の浸透率の高さもあり、お茶だけでなく、そのバックグランドについての質問が続き、終始和やかなムードのままお開きとなった。
別の流派から参加した大塚肇子さんは、「流派が違うと器も違いますし、武家流というのが初めてだったので新鮮でした。ニューヨークで茶道をやっている人たちと、こうした交流があるのはうれしいですね」と語った。
この日は国籍を問わず、お茶に興味のある多くの人が集った
日本から持ってきた茶道具で、長野さんが心を込めて茶をたてる
初めて参加したアメリカ人のエリアス・ボナロスさんは、「空手など日本文化に以前から興味があり、今回参加しました。先生のおもてなしとお茶の歴史が聞けて、とても楽しい時間が過ごせました。また参加したいです」と大満足の様子。
生徒の吉田奈央さんは、「毎週の稽古を通して、先生から一つ一つの動作を丁寧に行う大切さを学び、心にゆとりができました。茶会は毎回緊張しますが、お客様の喜んだ姿を見ると、次の茶会へ向けて励みになっています」とにっこり。
長野さんは「茶道の魅力に触れ、時間に追われがちなニューヨークで癒やしを体験してほしい」と話した。
Samurai Tea Ceremony Class
稽古は、フラットアイアン地区にある「Globus Washitsu(889 broadway)」で毎週水曜12-9:00pmに実施。
茶会はテーマ別に月に1回開催。
【問い合わせ】info@y-nagano.jp/y-nagano.jp/y-nagano.eventbrite.com
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