【4月18日(月)が申請締め切り】今から学ぶタックスリターンの基礎知識

期間限定掲載! 米国版・確定申告の季節が今年も到来だ。初めてトライする人は、基礎知識を身に付けてから専門家に相談しよう。

監修=尾崎真由美/尾崎真由美会計事務所(1040me.com)


タックスリターン(tax return)とは

・申告締め切り=2022年4月18日(月)
・申告先=米国税務省(IRS)および自身の住んでいる州または市
・対象者=米国内で所得がある全ての人、米国の市民権・永住権を持っているアメリカ国外在住者

日本でいう確定申告のこと。過払いの税金を払い戻す、あるいは不足分を納税することで、追徴税や罰金を防ぐ。昨年、一昨年と新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、締め切りが延長されたので、今回もイレギュラー事態の発生には注意したい。市民権や在住ステータスにかかわらず、米国内で所得がある人には申告義務が発生する。ただし、一部のF(学生)・J(インターン)ビザなどの保持者は、除外されるケースもある。

国税局の指定した書類を用意して自分で申請することも可能だが、専門知識が必要なので、会計ソフトウエアやオンライン代行サービスを利用するか、専門家である会計士・税理士に依頼する人が多い。

万一締め切りを過ぎてしまった場合は、IRSよりペナルティーが課せられる恐れがある。遅延期間分だけ利子が算出され、増税される可能性があるので、早めに会計士・税理士に相談を。なおケース・バイ・ケースだが、納税義務がある限り、最大3年分さかのぼって申請することが可能だ。

申請に必要なもの

・SSN(Social Security Number)
・Form W-2

米国で就労している人が対象のため、社会保障番号ことSSNは持っていることが大前提。新たに米国にやって来た人は、社会保障事務局に申請し、取得しよう。

ただし、就労ビザの配偶者・扶養者などで、SSNを持っていない状態で所得を得ている人は、移民局(IRS)が管理するITIN(Individual Taxpayer Identification Number)こと個人用納税者識別番号を申請することになる。

一昨年からのコロナ禍では、社会保障局とIRSが業務を臨時停止してしまい、どちらの番号も入手できなかったケースが多発していた。現在もなお取得できていない場合は、会計士・税理士に個別に確認しよう。

Form W-2は勤務先の企業から送付される書類で、1年間の収入と源泉徴収について記されている。万が一、紛失した場合は発行元の企業に対し、再発行を申請しよう。一方、フリーランスや業務委託の形態で就労している場合は、Form 1099と呼ばれるものがW-2の代わりに発行されるので、こちらを使用して申告しよう。

控除・クレジット

控除(Deduction)は諸経費を申告して収入から差し引き、かかる税金を抑える制度を指す。交通費や、仕事に必要な機材の購入費だけでなく、慈善事業団体への寄付、そして収入の10%以上の金額がかかった認可済み医療費なども控除に該当する。

一方、クレジットと呼ばれるものもあり、こちらは税金そのものを減額できる制度。高等教育の学費(最大2500ドル)、米国外での収入にかかる所得税、燃料電池自動車などが主に挙げられる。上限額があるが、控除と併用して申請される。

コロナ禍での各種保障

今年度(2021年度)のタックスリターンに限り、新型コロナウイルス政策の一環で、控除やクレジットの上限が拡大されているものがある(American Rescue Plan ACT of 2021)。これらの政策を有効に活用し、節税につなげたい。詳しくは会計士、税理士に相談しよう。

また失業保険(Unemployment Insurance Benefit)は所得扱いとなり、課税対象となるので注意が必要だ。

なお、米国政府から昨年、年間所得額が一定以下の個人・世帯に、給付金(Stimulus Check)が1回支払われたが、こちらは所得とは別に考えられているので、今回の課税対象には入っていない。

転職・転居の場合

複数の企業から収入を得ていたり、21年中に転職した場合、全ての企業が発行したForm W-2(あるいはForm 1099)が必要となる。

また、21年内に引っ越しを行い、別の市・州に転居した場合は、それぞれの市・州で申請が必要となるので注意。日本に永久帰国した際も、その1年間に所得があったのなら申請の必要がある。

自身で海外から申請手続きを行う場合はオンラインで可能。また、多くの会計士・税理士が、国外からの相談を受け付けている。

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1186

Black History Month 2023 黒人の歴史について学ぼう!!

米国史においてアフリカ系米国人が担った役割や功績を称える「黒人歴史月間」が来月から1カ月にわたり開催される。今週号は黒人の歴史や文化について学べるスポットや関連行事を紹介する。

Vol. 1185

~街歩き特集~お洒落なロングアイランドシティを開拓しよう!

近年開発が進み、ウォーターフロントには高層の高級アパートメントが立ち並び、話題のバーやレストランが点在するクイーンズのロングアイランドシティ(LIC)。住みやすい街とも言われる人気のLICの魅力に迫る!

Vol. 1184

特製おせち料理で新年を寿ぐ

新年を迎える節目に家族や大切な人と、縁起物が詰まったおせち料理で華やかにお祝いしたという人も多いでしょう。今回は、おせち商材の売れ行きや、在住者によるお正月の過ごし方&おせち料理などを紹介。