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日本人にはいまいちなじみの薄い制度である「信託」について解説する。やや複雑だが、米国での相続手続きでは多くのメリットがあるので、覚えておいて損はない。
裁判所を通した相続手続きのことを、プロベート(Probate)と呼びます。プロベートは費用も時間も掛かるので、エステートプランでは、いかにプロベートを避けるかが重要になってきます。特にパンデミックの影響で法廷でのプロセスが今非常に延滞されています。前号で遺言の重要性を解説しましたが、遺言はあくまで「相続の道筋」を示すもので、これだけではプロベートは避けられません。
またプロベートは公的文書なので、裁判の過程や個人情報は全て公開されます。故人が不動産物件を所有していた場合、プロベートでは物件の金額や所有者情報がすべて開示されてしまい、相続者のプライバシーが侵害される恐れがあるのです。そこで注目されるのが、信託(Trust)です。
所有する不動産物件や財産、証券取引口座など(ここでは「アセット」と呼びます)をまとめて入れている、金庫のような存在と考えてください。その金庫の中のアセットの元々の持ち主を委託者(Grantor)、そしてアセットを受託者(Beneficiaries)のために守って管理する義務を持っている人が、信託管理者(Trustee)です。この両方の私的契約が、信託です。
例えば、Aさんが自分の財産であるアセットをまとめた信託(金庫)を作るとします。その時点で、各アセットの所有権はAさん(委託者)ではなく、「A信託」に移り、個人の所有物ではなくなります。すると相続手続きでは、裁判所が本来追及するべきAさんの遺産が存在せず、プロベートが発生しません。米国で信託が多く使われるのは、ここに理由があります。やや複雑ですが合法な手段です。
Aさんが、信託管理者を指名します。信託管理者はA信託のアセットを扱う権限を持ちます。
Aさんが生前に作ったものは生前信託(Living Trust)と呼ばれます。このケースでは、Aさんは委託者と受託者を兼ねており、信託内のアセットを自由に出し入れできます。Aさんが無能力または無意識になった際の、代わりの信託管理者となる人物を、信託文書内で定めておくことができます。またAさんの死亡時も、配偶者と子供がアセットの受託者だとあらかじめ決めておけば、彼らはプロベートなしでAさんの財産を相続できるのです。
ただし、信託がある状態でも遺言書の作成は必須です。信託に加え損ねたアセットが残っている恐れがあるからです。ここで作成する遺言では、プロベート対象となるアセットがあった場合に、そのアセットの相続先が信託であることを明記しておきます。
効率的な節税計画、財産の保護、慈善活動なども信託のメリットとして挙げられますが、もっと一般的なのは、老年の長期ケア費用を支払ってくれるメディケイド(医療給付金制度)取得のための信託設立です。経済的な受給条件があるので、これをクリアするために信託を作るケースもよくあります。メディケイドについては、次回詳しく解説します。
ジア・キム弁護士
ニューヨーク州、ニュージャージ州弁護士。
ハンプシャー大学を経て、フォーダム法科ロースクール卒業。
米国および国際エステートプランや、メディケイド財産保護計画などを専門に担当。
英語や、日本語で相談可能。
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