控除(deduction)について弁護士が考える”控除・減額”

今月のテーマ:タックスリターン

仕事にかかった諸経費はもちろん、日本での確定申告では該当しないような支出も、税金控除の対象となる場合がある。ケース・バイ・ケースなので詳細は会計士に相談したいが、まずは基礎知識を知ろう。


 

 

Q. 控除(deduction)について知りたいです。

A.

タックスリターンの際に経費などを申告して収入から差し引き、税額を抑えることを指します。交通費や仕事に必要な機材にはじまり、非営利団体やチャリティーへの寄付など、一般的な「経費」のイメージにはない項目も控除の対象になります。

標準控除(standard de-duction)は1万2200ドル(夫婦合算は2万 4400ドル)までで、誰でも申請できます。これと別に項目別控除(itemized deduction)もあります。それぞれの経費を個別に申請する方式で、もし標準控除よりも合計金額が多くなったら、この項目別控除を使って申請すると得する可能性があります。家を持っている、申請する州の税金が高いといった人は、この項目別控除を選ぶことが多いですね。

Q. 医療費も控除対象と聞いたのですが、どこまでが範囲ですか?

A.

認可された医療費のうち、収入の10%以上の金額がかかると控除対象です。医院での診察、治療、疾患予防の他、処方箋、医療保険料も該当します。また、医療・介護保険、介護サービス、禁煙プログラムなどの費用も対象と見なされます。冷暖房器具や除湿機などが当てはまることもありますので、会計士に詳しく相談してみてください。

Q.クレジット(credit)は、控除とは何が違うのでしょうか?

A.

控除では収入から経費を引いた差額に税金が発生しますが、クレジットは税金そのものを減額できる制度です。高等教育の学費(最大2000ドル)、国外での収入にかかる所得税などが主に挙げられます。控除と併用して申請します。

17歳未満の子供がいる家庭は、最大1000ドルが対象となる他、共働きの家庭の合算申請の場合は、13歳未満の子供の養育費も対象になります。最大3000ドル(2人以上子供がいる場合は最大6000ドル)の20〜30%相当です。デイケア、サマーキャンプ、ベビーシッターを利用時に申請できます。

Q. 新型コロナの影響を受けて、申請時に気を付けたいポイントは?

A.

連邦政府による救済支援措置「CARES Act」による、中小企業への融資プログラム、PPP(paycheck protection program)では、経費の取り扱い方が少し変わるので注意ですね。

PPPは従業員の平均給与月額の2・5カ月分(個人事業主は算出方法が異なる)を借り入れられるもので、昨年8月8日まで申請を受け付けました。昨年12月31日までに利用すると返済が免除される制度です。受給額のうち、60%以上を従業員の給与に、残り40%を家賃、光熱費、インターネット費、モーゲージなどに充てた場合、返済義務がありません。

Q.PPP以外で押さえておきたいことは?

A.

昨年3月12日〜12月31日まで、事業主は従業員の給与の50%をクレジットとして受け取れました。部分・完全休業した、あるいは四半期の売り上げが前年同期比で50%以下だったことが条件です。ただし、PPPを給与に充て、返済が免除されている場合、このクレジットの併用はできません。

〈おことわり〉

当社は、掲載記事の内容に関して、一切責任を負いかねます。詳細は各専門家にご相談ください。

 

 

尾崎真由美会計士

ワシントン州CPA、ニューヨーク州会計士。
東洋大学法学修士、経営学修士。
アメリカ全域および日本に、会計・経理代行サービスや税務コンサルティングなどを行っている。
フロリダのオフィスから完全リモートで、問い合わせから12時間以内に対応する。

 

 

尾崎会計事務所

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