街がクリスマスイルミネーションで彩られ、ホリデーシーズンを実感するこの頃。本号ではニューヨークで美味しく食べられるクリスマスケーキにフォーカス。日本人ならクリスマスの食卓にケーキは欠かせないはず !
日本に親がいる人、将来日本で終活する予定の人必聴! 日本を拠点とするTOMAコンサルタンツグループは
米国で老後を過ごすことを考えている人は、「メディケイド」のことを理解し、受給できるよう、対策を講じよう。前号の「信託」の知識を踏まえて、専門家が制度の仕組みとワンポイントアドバイスを解説。
Q. メディケイドとは何ですか?
A.
医療費が日本に比べて非常に高い米国では、65歳以上向けの人や障害者向けの社会保険制度、メディケア(Medicare)があります。連邦政府が運営しているメディケアは、基本的な医療措置は保障しますが、例えば介護サービスや高齢者向け施設を利用するような、長期医療(long-term care)は対象外です。一般の健康保険でも、長期治療費はサポートしていません。
しかし現在、アメリカで暮らす70歳以上の約50%には、この長期医療が必要だといわれています。この利用費は、安くても1カ月で約5万ドルと、決して馬鹿にできない出費です。
そこで注目すべきは、メディケイド(Medicaid)です。これは、100%の医療費を保障する、政府による医療扶助事業です。
低所得あるいは無収入で、医療保険を利用できない人が主な対象です。従って、一軒家や少額でも財産を有する、中産階級以上は対象外となります。
メディケイドを受給していると、例えばアルツハイマーを患っている高齢者には、介護士を派遣してくれます。アメリカで老後を過ごす人にとって、メディケイドは必要不可欠な制度なのです。
また、税金を納めていれば、永住権保有者でも受給可能です。
Q. メディケイドの受給資格は?
A.
長期治療費を保障する、65歳以上の高齢者または障害者のためのメディケイドは、低所得者が対象の一般のメディケイドと受給資格が異なります。
具体的には、高齢者向けのメディケイドであれば、個人の場合、毎月879ドル、夫婦で合計1287ドル以下の収入で受給可能です。(2019年のニューヨーク州の基準)。
また、所有する財産に制限があります。個人なら1万5450ドル、夫婦は2万2800ドルまでの財産の所有が可能です。
ただし、条件から免除される財産もあります。例えば自動車1台、エクイティ(物件の純粋価値)が8万5800ドル以下の住宅などを所持していても、メディケイドの申請が可能です。
Q. どんな受給対策がありますか?
A.
メディケイドの受給資格をクリアするため、財産条件に該当するまで、全て寄付するのも一つの方法です。
また、前号で話した信託の一種「メディケイド信託」を作って、自分の財産を合法的に守りながら、メディケイドを受給することもできます。
また、月所得が基準より高くても、所得信託(income trust)というものを作成して、受給対策をすることもできます。
Q. 信託を作ってメディケイドを受給した場合、他にどんなメリットがありますか?
A.
例えば、受給者個人の介護費が3年間(長期治療利用の平均期間)、毎月2万ドルかかり、それをメディケイドが計72万ドル、負担していたとします。
すると、もしその人の死亡時に遺産が残った場合、72万ドルまでは政府に徴収されてしまいます。
しかし、信託を作っておけば、自身の財産は存在しない(=信託内にある)とみなされ、この請求ありません。これが、信託を作ることをオススメする理由です。
また前号でお話したように、信託を作ることで長期間、高コストのプロベートから、家族を守ることもできます。
ジア・キム弁護士
ニューヨーク州、ニュージャージ州弁護士。
ハンプシャー大学を経て、フォーダム法科ロースクール卒業。
米国および国際エステートプランや、メディケイド財産保護計画などを専門に担当。
英語、韓国語、日本語、スペイン語で相談可能。
「Pierro, Connor & Strauss, LLC」で業務を担当。
Pierro, Connor & Strauss, LLC
60 E. 42nd St., 46th Fl.
TEL: 646-248-6139(日本語)
info@jiahkimlaw.com
pierrolaw.com
日本に親がいる人、将来日本で終活する予定の人必聴! 日本を拠点とするTOMAコンサルタンツグループは
期間限定の連載企画! 米国版・確定申告の季節が今年も到来。しっかり基礎知識を身に付けてから専門家に相
日本に親がいる人、将来日本で終活する予定の人必聴! 日本を拠点とするTOMAコンサルタンツグループは
街がクリスマスイルミネーションで彩られ、ホリデーシーズンを実感するこの頃。本号ではニューヨークで美味しく食べられるクリスマスケーキにフォーカス。日本人ならクリスマスの食卓にケーキは欠かせないはず !
ホリデーシーズンの定番といえば、『くるみ割り人形』。なぜ全米で、この作品が定着しているのか? 経済効果、出演者インタビューを交え、さまざまな角度から掘り下げて紹介していく。
寒くて長いニューヨークの冬は温かいスープと麺でも啜りたくなる季節だ。しかし寒い時の外食は避けたいもの。そんな時は自宅で手頃に食べられて身体を温められるインスタントラーメンはいかが? 今回は知られざるインスタント麺の誕生秘話からアレンジレシピまで紹介。
この秋ニューヨークの最大の話題といえば、先月オープンした「ウェグマンズ」のアスタープレース店をおいて他にない。人気全米一の栄誉に輝く地元密着型スーパーだが、今までネイビーヤードに店舗があっただけで、その実態がよく知られていなかった。ところが、ここにきて売り場総面積8万7000平方フィートのフルサイズ店上陸である。抜群に鮮度のよい青果類と最高級の精肉。デリカも充実。しかも店内には日本の「魚屋さん」もあるとか。徹底解剖してみる。