メトロノース鉄道に乗って行く 週末のプチお出かけ〜コールドスプリング編〜
メモリアルデーとともに本格的な行楽シーズンが到来。日帰りディストネーションとしてニューヨーカーに人気のパトナム郡コールドスプリングを訪ねてみた。
「抽選永住権プログラム(DV‒2021)」の応募は、国務省のウェブサイト(dvlottery.state.gov)から行われる。前週までの基礎情報を踏まえ、今週は、当選した場合の具体的な申請手続きを見ていこう。
Q. 2種類の申請手続きがあるそうですが?
A.
抽選永住権プログラムで当選後の、永住権申請手続きには、「大使館申請(Consular Process-ing)」と、「ステータス変更(Adjustment of Status)」と呼ばれる、二つの方法があります。
一般的には、既にアメリカに滞在しながら応募した人は「ステータス変更」で、米国外に住みながら応募した人は、「大使館申請」という区別になります。
二つの具体的な違いは、次の通りです。
◆ステータス変更
労働ビザや学生ビザなどの非移民ビザから、永住権に変更する手続きのことです。合法的なビザステータスで米国に居住する日本人が対象です。
この手続きの場合、永住権申請のフォームは「I‒485」(ウェブサイトからダウンロード可能)。その他の必要書類(先週号=連載第2回=参照)と一緒に、米国内の国土安全保障省(Departmentof Homeland Security)に送付します。
面接は、移民帰化局から本人が居住する地域の最寄りの会場が通知されるので、そこで行われます。
◆大使館申請
日本を含め、米国外在住の日本人を対象にした申請手続きです。
この手続きの永住権申請のフォームは「DS‒260」(ウェブサイトからダウンロード可能)。その他の必要書類と一緒に、東京の米国大使館に送付します。面接も、米国大使館で行われます。
Q. 米国在住者が大使館申請をすることは可能ですか?
A.
可能です。合法的なビザステータスでアメリカに居住する場合、どちらを選択するかは本人の自由です。
しかし、現在米国内に違法滞在している人が当選した場合は、この限りではありません。米国内での「ステータス変更」ができないからといって、日本で手続きをする「大使館申請」にすればいいかというと、そうではないのです。
現在または過去に、短期間でも違法滞在したことがある人は、通常、当選しても申請段階で無効になります。
Q. 永住権申請には申請料がかかりますか?
A.
申請料は発生します。2021年に永住権が給付される今回のプログラムについて、今の段階で明確な金額は分かりません。
ただ、これまでの金額から察するに、「ステータス変更」で大体1人1000ドル強、大使館申請の場合は、少し安価で500ドル強でしょうか。
これは、申請段階で各自確認してください。
Q. 健康診断、面接、永住権取得までの経緯を教えてください。
A.
提出書類に不備がなければ、「ステータス変更」なら移民帰化局から、「大使館申請」なら在日本米国大使館から、面接の少し前に健康診断の指示が届きます。面接前に結核の検査や、各種予防接種を終えなければなりません。
そして面接を終えると、パスポートに有効期限付きの「移民ビザ」のスタンプが押されます。
「ステータス変更」の場合はすでに米国内にいるので、そのまま永住権が送付されてくるのを待ちますが、「大使館申請」の場合は、パスポートに押されたスタンプの有効期限が切れる前(通常は健康診断書の日付から6カ月以内)に米国内に入国し、その後米国内の住所に永住権が送付されてくるのを待ちます。
パスポートに押された「移民ビザ」スタンプの有効期限以降は、ビザは無効となります。
Q. 英語に自信がない場合、面接で通訳を同席させられますか?
A.
東京の米国大使館では日本語で面接が受けられます。米国での面接の場合、面接会場によって対応が異なるので、事前に面接会場に問い合わせ、必要に応じて通訳を手配してもらってください。
英語の堪能な友人に同行してもらっても、面接会場によっては同席が認められないことがあります。弁護士が同席したとしても、面接官は弁護士による代弁を嫌うものです。
ベストは、本人が直接面接官と話すことです。通訳の助けを借りながらでもいいので、自分で話す姿勢を見せると、心象もいいのではないでしょうか。
〈おことわり〉
当弁護士事務所は、記事内容に関して一切の責任を負いかねます。詳細は、国務省のウェブサイト(dvlottery.state.gov)で各自確認してください。またこの記事は、2017年に掲載したものを再編集しています。
エディット・ステルツナー弁護士
ハンガリーの首都ブダペストのELTE大学、ニューヨーク市のフォーダム大学法科大卒業。
在ニューヨーク米国ハンガリー商工会議所国際委員会委員。
米国への労働・移住ビザの他、米国での起業関連の法律を専門とする。
Law Office of Edit Stelczner
43 W. 43rd St., Suite 132
TEL: 212-859-5019
edit@stelcznerlaw.com
stelcznerlaw.com
期間限定の連載企画! 米国版・確定申告の季節が今年も到来。しっかり基礎知識を身に付けてから専門家に相
日本に親がいる人、将来日本で終活する予定の人必聴! 日本を拠点とするTOMAコンサルタンツグループは
雇用を守るERCと 技術発展を後押しするR&D パンデミックの影響をもろに受け、営業停止や大幅な利益
メトロノース鉄道に乗って行く 週末のプチお出かけ〜コールドスプリング編〜
メモリアルデーとともに本格的な行楽シーズンが到来。日帰りディストネーションとしてニューヨーカーに人気のパトナム郡コールドスプリングを訪ねてみた。
注目の起業家たちにインタビュー〈続編〉 ニューヨークで奮闘する革新者たち
既存のビジネスの枠に収まらない彼らが新たに切り開く道こそが、未来を変える。その情熱とアイディアの根源を聞いた。これから起業したい人必見!
今、ニューヨークを駆け抜ける 注目の企業家たち
社会にイノベーションを起こした女性起業家たちにインタビュー。彼女たちの情熱とポジティブなマインド、アイデアをビジネスに変えるまでの方法を聞いた。次号は男性篇をお届け。これから起業したい人はお見逃しなく!
肉食解禁! バーべキューの季節
メモリアルデーを皮切りにバーべキューシーズンが始まる。サマータイムのおかげでゆったりと流れるトワイライト時間を有効利用。裏庭であるいは公園の公式バーベキュースポットで極上の肉を夕風に吹かれながら頬ばる…これぞ米国生活の醍醐味だ。