クラフトビール好きの輪が広がる乾杯コラム

今日もビールがうまい! クラフトビール好きの輪が広がる乾杯コラム <Vol.2>

本場アメリカのブルワリー&ビア・バー巡り

米国にはブルワリーと呼ばれるクラフトビール醸造所が多く存在する。国内においてブルワリーの数は9,200以上(※1)、ニューヨーク州だけでも440以上あり、大手ビールメーカーにまで成長した醸造所もあれば、地元の人々に長年愛されているような小さな醸造所もある。そんなビールの歴史と奥深さを探求し、ニューヨークを中心に注目のブルワリー&ビアバー紹介していく。

(※1)アメリカ・ブルワーズ・アソシエーション調べ/www.brewersassociation.org


ブルックリン区イースト・ウィリアムズバーグに醸造所兼タップルームを構える「グリム・アーティサナル・エールズ」は2018年にグリム夫妻がオープンして以来、その人気はニューヨークのみならず国内外にもファンが多いことで知られている。以前は音楽家だった夫のジョーさんと、彫刻アーティストだった妻のローレンさん夫婦は、以前住んでいたベルギーで出会ったベルギービールに魅せられ、趣味でビール作りを始めたことがきっかけでこの世界へ。フレッシュで美味しい王道ビールの種類も豊富に揃うが、他の醸造所と一線を画すところが、樽での製造に力を注いでいることだ。「Blended Barrel Aged Sour」と呼ばれる樽の中でフルーツと熟成させるビールや、「Spontaneous Ale」と呼ばれる技術で自然発酵、熟成させるビールなどがあり、そのアイディアと奥深さにビールの概念が覆される。スパイスがアクセントに効いた風味や、フルティーかつ繊細な酸味もあり、ワインとも普通のビールとも一味違い、それはここでしか味わうことができない。

また、地元を拠点に活動する注目のアーティストらによるラベルのアートワークも忘れてはならない。今回ボトルを手掛けているグレタさんによる水彩画のようなタッチのデザインは、思わずボトルを収集してしまいたくなるほどだ。

週末には話題のフードベンダーによるポップアップやDJイベントも開催されるので、斬新なクラフトビールを楽しみに是非タップルームを訪れてみては。

樽で熟成させたGATHERINGシリーズ。果実の甘味、酸味、そしてアロマが引き立ち、爽やかな味わいのビール。 一番手前からSTONE FRUIT(2022)、BLUEBERRIES、RED CURRANTS & WHITE NECTARINES、MERLOT、BLUEBERRIES & BLACKBERRIES

(左)「Jub Jub Bird」。アップステートにあるレストラン「Blue Hill」とのコラボレーション。ポーポーと呼ばれるフルーツを使用し、トロピカルなフレイバーが特徴。(右)「Tum Tum Tree」。同コラボのダークエールズ。ブラックペッパーとシトラス、バニラの風味がアクセントに効いた上品な味わい

Grimm Artisanal Ales

ピザ窯で焼くアツアツの焼きたてピザとビールが楽しめるレストラン&バー「LALA’S」、同建物2階、ループトップに来春オープン予定

990 Metropolitan Ave., Brooklyn, NY 11211
TEL: 718-564-9767
grimmales.com

関連記事

NYジャピオン 最新号

Vol. 1226

寒い日にお家で食べたい袋麺はコレだ!!

寒くて長いニューヨークの冬は温かいスープと麺でも啜りたくなる季節だ。しかし寒い時の外食は避けたいもの。そんな時は自宅で手頃に食べられて身体を温められるインスタントラーメンはいかが? 今回は知られざるインスタント麺の誕生秘話からアレンジレシピまで紹介。

Vol. 1225

これが噂のウェグマンズ

この秋ニューヨークの最大の話題といえば、先月オープンした「ウェグマンズ」のアスタープレース店をおいて他にない。人気全米一の栄誉に輝く地元密着型スーパーだが、今までネイビーヤードに店舗があっただけで、その実態がよく知られていなかった。ところが、ここにきて売り場総面積8万7000平方フィートのフルサイズ店上陸である。抜群に鮮度のよい青果類と最高級の精肉。デリカも充実。しかも店内には日本の「魚屋さん」もあるとか。徹底解剖してみる。

Vol. 1223

ラジオシティー・ミュージック・ホール魅力

ニューヨークに住んでいると一度は訪れたことがあると思われるラジオシティー・ミュージック・ホール。冬の公演、『クリスマス・スペクタキュラー』のロケッツはもちろん、長い歴史の裏側は意外と知られていない。今号では、知っているようで意外と知らない同ホールについて紹介していく。