本場アメリカ&#
ニュージャージー州フォートリーで、日本人を中心とした地元住民が、開店を今か今かと待ち続けた店がある。日本で最も有名であろう回転寿司チェーンの一つ、「くら寿司」だ。
日本では店舗総数450軒以上。台湾やロサンゼルスにも進出したが、実は東海岸では今回が初出店。東海岸展開の鍵を握る旗艦店として、社内外から熱い眼差しが注がれている。
元々は今年春にオープン予定だったが、新型コロナウイルスの影響で延期に。それでも、地元住民には「くら寿司ができるらしい」と噂があっという間に広まり、開店準備中の頃から「いつ開くの?」と訊ねてくる人が多かったという。
そして9月上旬、満を持して屋内営業がスタート。今や、平日でも客足が絶えず、週末は予約なしだと1時間待ちなんてことも。みんな一様に、キラキラした瞳で、レーンに流れる寿司を眺めている。
目指すのは「日本の体験をそのまま」
「海外店舗では、通常、巻き物(ロール)の人気が高いのですが、ここフォートリー店では日本人をはじめとした、お寿司好きのお客さまが多くて、握りがよく出るんですよ」と話すのは、菅原大樹店長。
フォートリー店では、大手チェーン店としてのノウハウを遺憾なく発揮して、「日本の店舗と変わらない雰囲気」がすでに出来上がっている。
メニューは食材の仕入れまで日本の本部が細かく管理していて、基本的に全店舗共通。タッチパネルを使った注文方法も、食した皿の枚数に応じて景品がもらえる「びっくらポン」システムも同じ。さらに従業員を教育するノウハウが豊富なので、現地スタッフを多く雇用し、即戦力にできるという強みもある。
「日本に帰省することも難しい今、来店したお客さまに『くら寿司に戻って来られた』と思っていただければ」と菅原店長。
メニューは半年に1回のペースでアップデートが行われる他、月替りの特別メニューも用意(※米国全店舗が屋内営業に切り替わり次第、再開を検討中)。
また、食事ごとにポイントが貯まり、50ドル分で5ドル割引になる「Kura Reward」も提供している。足しげく通う楽しみがあるのだ。
妥協しないこだわり
一方で、提供するサービスにはきめ細やかな配慮が光る。来店した客が席に着いたタイミングで、シャリを用意し、寿司をレーンに流し始める。なるべく作り立ての寿司を食べてほしいという、同店のこだわりだ。
食品添加物や人工着色料などの一切を排除していて、シャリはカリフォルニア産のオーガニック白米を採用。老若男女が安心して食べられる寿司を目指す。
ここまで力を入れつつ、寿司の価格は1皿あたり2.95ドルに押さえている。全ては、客に気軽に皿を手に取ってほしいからだ。
サイドメニューのラーメンは、ダシを毎朝厨房で取る他、デザートのわらび餅も少量単位で作成し、作りだめはしない。「回転寿司以外でも手は抜きません」と菅原店長。
来店前には、専用アプリ(iPhoneまたはAndroid)での事前予約を推奨。
【店舗情報】
Kura Sushi Fort Lee
2151 Lemoine Ave., Fort Lee, NJ 07024
(マンハッタンからのアクセスはこちら)
TEL: 973-939-6756
月〜木: 11am-9:30pm/金・土: 10:30am-10:30pm/日: 10:30am-10pm
kurasushi.com