巻頭特集

コロナ禍のクリスマス ニューヨーカーはどう過ごす?

新型コロナの影響で例年と異なるホリデーシーズン。観光客も少ないニューヨークの冬は今年だけかも!?あなたは家派?それとも外出派?限られた環境を楽しむ今年ならではのクリスマスの過ごし方を特集する。(取材・文 / 音成映舞)


例年と違う
2020年クリスマス

サンクスギビング(感謝祭)が終わると、街はカラフルに彩られたホリデーシーズンへ。1年を振り返り、来年に向けて抱負を抱く時期でもある。でも、そもそもクリスマスとは、いつから始まったのだろうか。

6番街にあるラジオシティー・ミュージックホール付近で見ることのできる、ホリデー限定装飾

クリスマスの起源は
「光の祭」の儀式

イエス・キリストの降誕祭だが、新約聖書ではキリストの生まれた日を特定はしていないため、降誕祭とは「キリストの誕生日」ではなく、「キリストが生まれてきたことをお祝いする日」とされている。

クリスマスの始まりの年代ははっきりと分かっていないが、2〜4世紀頃に始まったという説が有力だそうだ。その説だと、ローマ帝国時代にキリスト教は国教だったものの、民衆に定着していなかった。

その同時期に、ペルシャから別のミトラス教という宗教が伝わってきた。この宗教には、「光の祭」という大切な行事があるのだが、一年で最も昼間が短くなる「冬至」が12月25日だったこと、さらに、ローマ帝国が元々「土着の祭」としていた、農耕の儀式も12月25日前後に執り行われていたことから、ローマ皇帝はイエス・キリストを「光」に例え、「光=太陽の復活はキリストの復活」として、土着の祭りを全て吸収するかたちで12月25日をキリストの降誕祭に制定したという。

一方、クリスマスと共に盛大に祝われるのがユダヤ教のハヌカだ。ハヌカの祝いに欠かせない「ハヌキア」という燭台を見たことがある人も多いだろう。

この燭台の起源は、紀元前2世紀。イスラエルの地はシリアに住むギリシャ人の弾圧を受けていたユダヤ人たちが神殿を取り戻したとき、その神殿で汚されていない油つぼが一つだけ見つかった。油が少量だったにも関わらず、火を灯すと8日間も燃え続けたことを祝して、祭日としてハヌカが祝われるようになったという。そのため、ハヌカは別名、「光の祭」とも呼ばれているそうだ。今年のハヌカは12月10日(木)〜18日(金)まで。

どちらの祝いも、「光の祭」がきっかけというのがおもしろい。

コロナ禍のクリスマス

2020年は新型コロナの影響により、3月中旬から外出制限で世界中の人々の生活を一変させた。そうした中でもホリデーシーズンは変わらずやって来る。人が密集するイベントはほとんど中止となったが、ガイドラインに沿って開催しているものも多い。

例えば、5番街にあるロックフェラーのツリーや、6番街のブライアントパークで行われるホリデーマーケットなどだ。普段であればこの時期、観光客でにぎわう街も、ロックダウン以降郊外へと人が移動し、市内の人口は減り続けている。毎年、人混みをかき分けて見に行っていた人にとっては図らずも朗報だ。なんと言っても、短時間の待ち時間で自分だけのホリデー記念を記録に残せるのがうれしい。

また、サンタクロースの膝に座って子供が願い事を唱えるような接触型のイベントも、ほとんどが中止となっている。サンタの姿すらなかなか街のイベントで見掛けない、静かなクリスマスは間もなくだ。

いまだ鎮静化しない新型コロナとの共存の中で、一つ屋根の下、家族や友人と普段よりも絆を深めることで、今年ならではの「密」なクリスマスを過ごせる機会となるだろう。

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