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コロナ禍で指名のスタイリストが帰国したり、お店がクローズしたりと何かとアップデートが必要になるヘアサロン事情。髪質やニュアンスの違いを理解してくれるのはやっぱり日系のサロンという人も多いだろう。髪の悩みやイメージチェンジなど、顧客のさまざまなリクエストに応えてくれるヘアサロンを特集。(文・取材/野々村慧・伏見真理子)
トカ・サロン
丁寧に髪を1本1本カットし積み上げていくカット技法
高級ブランド店が立ち並ぶマディソン・アベニューにあるトカ・サロンは、ヘアカットやネイル、アイブロウ、スパ、マッサージなどを行うトータルビューティー サロンとして人気を集めている。メニューによって専用の個室も完備され、ラグジュアリーな気分を味わえることから、特別な日やブライダル・エステに利用する顧客も多いのだそう。そんな同サロンに在籍する日本人スタイリスト、山根英治さんは世界最高峰のカット技術といわれるニューヨークドライカットの第一人者。彼のカットを求め来店する顧客は国内だけに止まらず海外にも多くの顧客を抱える。そんな彼にニューヨークドライカットの魅力について話を聞いた。
毎年日本で開催されるヘアショーで技術を披露する英治さん
─ニューヨークドライカットとは?
乾かした髪を一切削がずに、ストレートアイロンを当てながら1本1本切っていく繊細なカットで、立体的なシルエットと質感、動きを形にしていきます。1 本1本切るので時間は約 1時間半いただきます。毛先が落ちる場所や、髪の重なりによる重さや動きを見ていくので、生えグセや毛量、毛流れがどのような状態であっても、イメージしたシェープを作れます。硬く多い髪にやわらかな質感を出したり、細い髪に自然なボリューム感を出したり、クセを活かしたり、抑えたり、髪の条件によらず、 様々な表現を作りだすことができます。
─仕上がりのイメージはどのように?
もちろんお客様のご意向も聞きますが、ニューヨークのお客様は私の意見を聞きたがることが多いです。施術前にシャンプーして髪を乾かすのですが、髪に触れているとその人に合うスタイルが体の中から湧き上がってきて、感じ取ることができるんです。
─どんな人におすすめ?
髪の毛のクセを理由に自分のヘアスタイルを諦めている人にはぜひ体験してほしいです。髪の毛のクセはカットで決まります。つまりカット次第でクセは変えられるし、作れるのです。あとは、「いいスタイルでニューヨークの街を歩きたい」と思う方にぜひ来てほしいですね。
カット一つで髪の重さや質感をコントロールする
─400ドルという価格設定は?
正直、日系の方は高いという印象をお持ちの方もいらっしゃるようですが、カットの技術は美容師が一番時間をかけて学び、カラーよりもパーマよりもテクニックを必要とします。私は時間をかけて丁寧にカットしますし、その料金に見合うサービスを提供できれば、必ずお客様に満足いただけると信じています。
─今後について
ニューヨークの美容師全体で、少しでも技術を向上していけるような活動をしていきたいと思っています。コロナ以降、ニューヨークの美容院は大変な思いをしている店が多いですが、やはり技術を上げていくことは美容師にとって一番大事なことですから。私自身もまだまだ技術を追いかけてますし、日々、勉強です。
<お話を聞いた人>
山根英治さん(スタイリスト)
1981年、22歳で地元福岡から単身渡米。故ジョンサハグ氏のドライカットと哲学に魅了され師事。以後マンハッタンのサロンでトップスタイリストとして働く傍ら、28年間ニューヨークコレクションのヘアデザイン担当を務めたり、日本での講習会、ヘアショー開催なども行う。
TOKA SALON
TEL: 212-517-5133 / 601 Madison Ave.5 & 6 floor
〈おすすめメニュー〉
・ニューヨークドライカット(Eijiさん)400ドル
・ニューヨークドライカット(Kenjiroさん)300ドル
・スパ(Yoshieさん)250ドル
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