こだわりいっぱい 町のお肉屋さん
地元で愛され人々の食卓を支える町のお肉屋さん。店主が直接目利きした肉を仕入れ、常連客のリクエストに応える精肉店で購入するメリットは、いつでも新鮮な肉が手に入るのと、気のおけない店員から肉の選び方や調理法を教えてもらえることだ。本号ではそんな町で愛されている精肉店を調べてみた。
私とパートナーは、2014年に地域の動物シェルターから引き取った保護猫と共に暮らしている。彼女は時々やんちゃを見せつつおっとりした、人懐っこい甘えんぼさん。そして何より、定期健診の結果はいつも良好──これができるだけ長く続くといいな、と願っていた。
ところが2年半ほど前から、皮膚を執拗に掻く場面が見受けられるように。なでるとかさぶたのような塊が感じられ、脱毛も増えた。そこから、私たちの新しい現実が始まった。
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獣医科学専門医のチーム
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まず向かったのは、町の動物病院。馴染みの獣医は食品への反応である可能性を疑い、特殊な餌の処方箋を書いてくれた。しかし数種類試しても改善は見られなかったので、次のステップとして、皮膚科学が専門の獣医を紹介してもらうことに。動物の皮膚科があるんだ…驚いた。
臨床経験が豊富な皮膚科医は、症状の原因はかなり複雑だと判断。他州にある大学の研究機関に生検組織サンプルを送り、検査を受けるよう薦められた。その結果、彼女の皮膚に現れているのは自己免疫性疾患の症状だと判明。難病と考えていいと伝えられた。
診断を得られたことには安堵したけれど、ショックは大きかった。この診断に至るまでの数カ月、症状に加え度重なる通院や検査で、猫にもすでに多大なストレスが掛かっていたはず。そこに強い薬物療法が始まり、副作用を観察すべく2カ月おきに血液と尿の検査も必要に。治療開始から1年後、恐れていた血糖値上昇が見られ始め、永続的なインスリン注射を要する状態に近づいていた。薬をやめると症状が悪化する、でも高血糖症は避けたい…私たちは頭を抱えた。
そこで今度は、動物の薬物療法分析のドクターを紹介してもらい、カウンセリングを受けることに。獣医にはそういった専門までいるのね…またも驚いた。 今も治療は続いていて、町の獣医、皮膚科医、薬物療法ドクターは情報を共有し、猫にとっての最善を一丸となって考え提案してくれる。最小限の処置での症状抑制が目標として共通しているのも、安心できる。
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時間も尽力もお金も要る、動物の医療
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こうやって私たちの経験を書いたのには、理由がある。それは、適切な検査、診断や治療を受ける重要性と、その困難を示したかったから。私たちは信頼できるチームに巡り合えたけれど、幸運だっただけかもしれない。時間と尽力も必要だし、正直なところどれもとても高額(私たちには)。人間のものと同様に動物の場合も、医療・保険システムの問題は根深く、状況により手が届かないケースも想像に難くない。動物シェルターでは、病気やけがを理由に手放された保護動物を見たことが何度もある。
私が住む地域に複数いる、近隣住民でケアする「コミュニティー路上猫」のことも思い出す。医療の助けを要する際は、カンパで費用を捻出し通院する。しかしそれは、路上で暮らす動物やいわゆる野良動物のほんの一部に過ぎないだろう。
とはいえ、治療を受ける説明や同意の会話を動物とするのは不可能であることを考えると、そもそも何が正しいかなんてわからなくもなる。
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Adopt, Don’t Shop
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昨年この連載の第3回で、ニューヨーク州で施行予定の、ペットショップでの犬・猫・ウサギ生体販売禁止法案について書いた。こういった動物の多くは人間のためにつくり出され、生み出され過ぎた。今すでに存在する動物は保護が追いつかないほど増え、しかし人間用に設計された都会の路上で生きていくにも病気やけがは避けられない。さらに残酷なことに、人間が望むよう「開発」されブリーディングが繰り返された動物は、疾患や苦痛を生まれ持つ場合も多いと聞く。私たちの猫も、背景を辿ればそこにいき着くかもしれない。
里親として引き取った猫の治療を通して、動物と暮らす新たな大変さを実感する今改めて、私は思う…Adopt, don’t shop(買うのではなく、里親になって)。今すでにある命を大切にし、ひいては現状を変える動きが、もっと増えて欲しいと願っている。
COOKIEHEAD
東京出身、2013年よりニューヨーク在住。ファッション業界で働くかたわら、市井のひととして、「木を見て森を見ず」になりがちなことを考え、文章を綴る。ブルックリンの自宅にて保護猫の隣で本を読む時間が、もっとも幸せ。
ウェブサイト: thelittlewhim.com
インスタグラム: @thelittlewhim
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HISと日系メディ
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