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さまざまな文化が入り混じるニューヨークは学ぶことがいっぱい! 今回は大人向けのお稽古をピックアップ。新しいスキルをつけるも良し、楽しみながら学ぶも良し!(取材・文 / 菅 礼子)
茶道
現代人に必要なマインドフルネスな日本の茶の湯を世界へ
Yoshitsugu Nagano Japanese Tea Ritual Master
茶道とはどんなものですか?
茶の湯はもともとは室町時代より武家文化として発展したものです。現代では茶の湯は華やかで明るいイメージが強いですが、千利休や秀吉が生きた戦国から安土桃山期(茶の湯全盛期)は茶道人口のほとんどは武士で、言葉少なく静寂な非常に精神性の強い雰囲気でした。日々、命を賭け戦う武士にとって禅の精神性を基にした茶の湯は心を落ち着かせ、日常からひととき間を取り、ストレスやプレッシャーから解放される場として欠かせない心の拠り所となっていったのです。また、日々戦が起こる中で、「一期一会」の考えが芽生え、茶室は互いに生きて会えることの喜びを深く共有する場としても機能しました。
もちろん現代の我々は武士ではありませんが、ストレス、プレッシャーを抱え、またコミュニケーションが希薄になりがちな現代において言葉を超えた深い心の交流が求められる点はかつての武士と重なります。ニューヨークのような場所では特にそうでしょう。
茶の湯はこれまでほとんど海外で知られることはなく、日本国内でのみ行われて来ました。しかしながら上記のように茶の湯の本質は日常から間を取り、言葉を超えたコミュニケーションを共有する場ですから、日本人だけに求められるものではなく、世界中に必要とする人が多くいると思います。
禅の精神が息づく茶室での茶道体験からは色々なものが得られると評判だ
茶道の魅力とは?
普段、見落としがちな些細なことを感じられるようになることです。例えば茶室に入ると静寂の中、次第に湯の沸く音、畳の香り、風の音、光の移ろいなどなど、普段気に留めない些細な自然の機微が際立って感じられます。豊かな事象が美しく自分の周りに存在していることに気がづく感度が養われると、日々の暮らしもより鮮やかに感じられるようになります。
また、茶の湯には茶を点てるための多種多様な点前が存在していますが、一つとして自分自身のために茶を点てる点前はありません。どの点前も他の誰かに茶を点てて差し上げることを前提にしています。互いに茶を点てあうことで互いを思いやり、深い心のつながりが生まれます。現代の我々は多くのコミュニケーションを言葉に依存していますが、先人が築いた茶を通したコミュニケーションは人との繋がり方、相互理解の幅を広げ深めてくれます。特に多様なコミュニティーが共存するニューヨークにおいては言葉に依存しない交流、コミュニケーションはより重要でその価値の大きさが実感できます。
生徒さんからの反応は?
一番多いのはお茶室で静かにお茶と向き合うと自然と心が落ち着つくという感想。毎週稽古に通うことで1週間をリセットし、また新たな新鮮な気持ちで次の1週間を始めることができる、ということです。無心でお茶をたてて、飲んでいると自然と自分の思考が整理されてすっきりする。侘びの美──不完全なものの中に美しさを見出すという、西洋と違う美意識に感銘を受けたなど感想をいただきます。
日本人の方からはニューヨークにいながら日本文化に触れることができて、故郷に戻った時のような落ち着いた気持ちになると喜ばれています。
長野佳嗣さん
愛媛県生まれ。
2018年に武家茶道 上田宗箇流の最高位である「盆点台天目」の伝を最年少で取得し、同流儀の正教授者となる。
2019年にニューヨークに移住し、茶道を広める活動を行う。
2022年よりChanoyu Week NYCの代表・総合ディレクターに就任。
Yoshitsugu Nagano Japanese Tea Ritual Master
● マンハッタンクラス
Globus Tea Room
889 Broadway
● ブルックリンクラス
Japan Village
934 3rd Ave.
Brooklyn, NY 11232
ブルックリン区グリーンポイント地区に住み始めて6年と少し。ニューヨークに移住したのは11年前なので、
6月最終週、ニューヨーク州各地では、州や連邦の上院・下院代表などの各候補を選出する予備選が行われた。
毎年6月はプライド月間。NYジャピオンでも、今月第1週号でニューヨークのプライドムーブメント特集が組
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