巻頭特集

チャイナタウンで 春節を祝おう

「春節」と呼ばれる旧正月は中国の旧暦に基づく新年を意味し、一年の幕開けを祝う最も大きな祝日。中国語圏を始め韓国や香港、台湾、ベトナム、マレーシア、インドネシアなどで祝われ、習慣や風習は国や地域により異なるが、皆縁起を担ぎ、盛大に行う。今回はニューヨークのチャイナタウンで見つけた春節をお届け。(取材・文/伏見真理子)


意外と知らない旧正月
何をするべき日か徹底解説

この時期、街の至るところで目にする旧正月の訪れ。「春節」と呼ばれるこの祝日は、中国の旧暦に基き毎年異なる。今年は1月22日から始まり、ニューヨーク市内のマンハッタン区やクイーンズ区にあるチャイナタウンを始め市内各所で、赤い灯籠や提灯、春聯(しゅんれん)と呼ばれる祝いの言葉が書かれた赤いお札などが飾られ、獅子舞によるパフォーマンスや、パレードが行われた。多くの見物客が訪れ、街全体がお祝いのムードに包まれた。

春節は準備が肝心

旧正月の10日前頃から春節に備え、日本と同じように大掃除でその年の煤払いし、良い年を迎える準備をする。春節に備えた買い物も重要で、人々は春節の間に食べる食材の買い出しや、伝統的な飾り、新しい赤い服などを買い揃える。また、中国には日本でいうお歳暮のような習慣もあり、その年にお世話になった人へ渡すプレゼントを用意することが重要とされている。

大晦日は家族で豪華な食事とともに

大晦日では「年夜飯(ニェンイェファン)」と呼ばれる豪華な夕食を家族や親戚と一緒にとる。地方により食べられるものは異なるが、中国の北地方ではメインに水餃子が食べられる。餃子は日本でいう年越し蕎麦のような感覚で食べられ、餃子の文字の「交子」の子という字は昔、23時から25時を表す時間のことで、新しい時間(年)に変わることを意味している。また、昔の中国のお金の形に似ていることから、お金が沢山入ってくるようにという願いを込めて食べられるようになった。

南地方では、「年糕(ねんがお)」と呼ばれる、もち米粉と、とうもろこし粉などで作る甘いお餅が食べられている。「年々運気が上昇するように」という願いを込めて食べるそう。また、丸ごと一匹を調理した魚料理も定番の一つで、「余裕のある生活ができますように」という意味があり広い範囲で食べられている。

中国では偶数は縁起が良いとされており、料理の数の品数も偶数であることが大事。近年ではレストランで「年夜飯」を食べる世帯も増えているが、春節の期間中は基本的に店は休みにあたるので、空いているレストランは人気が高く予約が殺到する。

新年の伝統を守ってこそその年が良い年になる

中国では、爆竹で1年を締めくくり、新年のスタートを切る風習が今も続いている。爆竹は「魔を払い、幸運を呼び込む」と信じられ、新年を迎えた朝には、朝食前にも爆竹が鳴らされる。これは、「開門爆竹」と呼ばれ、街の至るところで行われる。

日本のおせちの様に縁起のいいものを食べてその年の飛躍を願うのも伝統的な春節。地方によりアヒルを一週間かけて食べたり、餃子や春巻きを一週間かけて食べるところもある。

また、お年玉を配る(もらう)習慣もあり、昔は赤いお年玉袋が定番だったが、今は「微信」というオンラインでの送金が主流で、子供だけでなく大人同士でも送り合う。

春節の間の「タブー」も忘れてはいけない。まず、財運が逃げないよう家の中を綺麗に整えたり、掃除、ゴミ捨てはしてはいけない。幸運を切り落とさないために、散髪や美容院へ行ってはいけない。福を洗い流さないように、お風呂に入ったり、洗濯をしてはいけない。子供は泣くとその年は泣いて過ごすようになるので泣いてはいけない。他にも様々なタブーがあり、人々は春節の間は守りながら過ごしている。


チャイナタウンのお宅拝見!

どのような春節飾りをしているかチャイナタウン在住者に聞いてみた。

 

Helen Chiangさん

チャイナタウンで生まれ育ち毎年家族と共に旧正月を祝うエレンさん。「大晦日にマツなどの枝に小銭やザクロの花などをつけた縁起ものを飾ります。今年はダイニングテーブルに葉のついたみかんと、福の文字を飾り金のご祝儀袋で家族の財運を願いました。」

 

Wai Cさん

昔チャイナタウンでお店を営んでいたというご夫婦。「毎年家中に縁起物を飾ります。今年も家族の健康と幸せを願って飾り付けをしました。」

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