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イベントのキャンセルや延期が相次ぐニューヨーク。しかし、「集まれないなら家で楽しめばいいだけ! 」と、ニューヨーカーはテクノロジーの力を借りて、新たなエンタメスタイルを続々と生み出している。
オンライン・クラブナイトは、その際たるものだ。画面を介してDJと繋がろう! というコンセプトで、市内のDJやクラブハウスが続々と開いている。
現在参加できるものはいくつかあるが、今回は、以前掲載した巻頭特集「いまさら聞けないクラブのこと」で紹介した、ブルックリンベースのクラブイベント団体「The Get Down」をピックアップ。ウェブミーティングサービスの「ZOOM」を使った仮想クラブだ。
元々、「踊ること」「好き勝手にノリノリになること」に特化している「The Get Down」は、クラブ初心者にはかなり敷居が低く、オススメなのは、巻頭特集でも述べた通り。
「平日の少し早い時間に踊って解散」というコンセプトはオンラインでも健在で、夜は午後6時前後にスタート! こんな時間から踊れるのは、ある意味、自宅待機中だけかも。
音楽はビートとテンポ重視で、実にさまざまなジャンルが流れる。アップテンポでガンガン踊るというより、永続的に体を揺らしたくなるような心地よさがいい。
セッションの始めと終わりには瞑想(めいそう)タイムもあり、回によってはミュージシャンの生演奏があるのも、オンラインならではの新たな試みだ。
100人以上にものぼる参加者の過ごし方も、画面越しに見ることができる(※参加者がカメラをオンにしている場合のみ)。ソファに座ってくつろいでいる人、画面の前で本当に踊っている人、参加者やDJの様子をじっと眺めている人…。みんな、ほどけたような優しい表情をしているのが印象的だ。
約1時間のセッションの終わりに、主催者のターシャ・ブランクさんが漏らした一言が印象的だった。
「大変なときだけど……みんなここにいる、つながってる。もう怖くない」
ソーシャル・ディスタンスで生まれる寂しさや、明日の行方や自分の未来が分からない恐怖・ストレスを、音楽がなぐさめてくれる。
またここに戻って、「みんな」に会いたいと思わせる。
普段クラブに行かない人も、音楽に興味がない人も、踊らない人も————参加してみれば、きっと感じるものがあるはずだ。
The Get Down NYC
https://www.thegetdownnyc.com/get-tickets
Instagram: thegetdownparty
不定期をうたっているが、最近はほぼ毎日「ZOOM」で開催中。日時はインスタグラムで随時告知。
eチケット代は任意で、$6〜20。購入者に、開演直前にメールで「ZOOM」のリンクが送られてくる。