ドクターベルモンテが教えるウェルネス道

頭痛の緩和法いろいろ(前編) カイロとストレッチ

頭痛の緩和法いろいろ(前編)カイロとストレッチ

(Vol.29)

現代に生きる老若男女が健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


頭痛の原因は百人百様ストレスも原因の一つ

今回は頭痛について一緒に考えてみましょう。頭痛の原因は百人いれば百あります。そのうちの8割は、姿勢を正すことやストレッチ、鍼やカイロプラクティックといった治療で緩和することができます。ただ、別記の「今月の教訓!」にあるように、急性の頭痛は要注意です。生命にかかわるかもしれないので、すぐに医師の診察、検査を受けてください。

検査を受けて異常がない場合、または慢性的に頭痛がある〝頭痛持ち〟の場合は、ほとんどが脊柱の関節のずれや、筋肉の凝り、過去のけがが原因です。そして軽視できないのは精神的なストレス。ストレスが溜まると体が緊張して、頭痛が起こることも珍しくありません。今回はカイロプラクティックによる治療と、ストレッチをいくつかご紹介しましょう。

慢性頭痛にはカイロ

頭痛の治療といっても、カイロプラクティックではすぐに首や肩に着目するわけではありません。脊柱を矯正することで骨格を正常な状態に戻し、神経や筋肉に余計な緊張が及ばないようにします。それによって血行を促し、結果として頭痛を軽減させるという遠回りのアプローチです。慢性の頭痛に悩む人におすすめの治療で、その場しのぎの治療よりも、体全体のホリスティックな治療によって長期的な効果が期待できます。

さらに、痛みや悩みでストレスが続くと、それらから体を守るために副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されます。人体にとって重要なホルモンですが、過剰分泌が続くと、頭痛などの体調不良を引き起こします。これも、カイロプラクティックで血行を促し、体のバランス、ホルモンのバランスを整えましょう。鍼、漢方を併用するとより効果的だと思います。

簡単・首のストレッチ

当院の理学療法士・城戸あきえが、日常的にできる首と胸部のストレッチを推奨しています。3つ、ご紹介しましょう。

 

①= 背筋を伸ばし、姿勢良く座って(立っていてもOK)まっすぐ前を向き、右手を背中に回します。左手で横から頭を抱えるようにし、頭を軽く左側に向かって押さえます。背中側の右腕・手・肩に力が入らないように、脱力した状態で。こうして頭を左方向に傾けることで、首の右側をストレッチします。この状態で30秒キープしましょう。同じように、反対側も行い、左右3回ずつが目安です。

 

 

②= ①と同じように、背筋を伸ばし、姿勢良く座って(立っていてもOK)まっすぐ前を向き、右手を背中に回します。左腕で頭のてっぺんを抱えるようにして、左手を右耳の後ろに置きます。この状態で、左斜め前に向かって頭を傾け、30秒キープします。背中側の右腕・手・肩に力が入らないように、脱力することも①と同じです。反対側も同じように行いましょう。左右3回ずつです。①とよく似たストレッチですが、少し首を斜めに前倒しにすることで、別の筋肉がストレッチされるのを感じられるはずです。

 

③= 自宅でもオフィスでもいいので、部屋のドアを開けて、両手を胸の高さに上げて左右の壁につけます。この時足は、左右どちらかを一歩前に出し、ゆっくりと体重を前に移していきます。胸筋の張りを感じるので、そこで30秒キープ。これも3回行います。この時も、背筋を伸ばして姿勢良く立つことを心がけてください。

いかがでしょう。これなら自宅やオフィスで、ちょっと時間がある時にできますね。頭痛予防にもなるので、ぜひやってみてください。来月は、頭痛の原因となるストレートネックや姿勢についてお話しします。

 

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

E. 53 Wellness
211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com


今月の教訓!

「急性の頭痛はすぐに診察を」

これまで経験したことがないような頭痛が急に起こった時は、様子見せず、すぐに主治医や内科医に相談し、検査を受け、原因を調べてもらってください。頭痛の8割は姿勢や筋肉、骨格からくるもので、これはカイロプラクティックや鍼、ストレッチで対応できますが、残りの2割は脳腫瘍や脳血管の病気、貧血など内科疾患が原因です。その場合、生命にかかわる危険性を含むので、どんなに忙しくても受診を最優先してください。

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