ドクターベルモンテが教えるウェルネス道

カイロ+漢方でぐっすり 不眠のタイプはいろいろ

今月のテーマ:夜よく眠るためのあれこれ(後編)(Vol. 18)

不調が起きやすい今だからこそ、さまざまな体のメンテナンスが大切だ。健康でいるための生活のポイントを、カイロプラクターのドクターベルモンテが教えてくれる連載。


前回に続いて、不眠対策について考えてみましょう。今回は、カイロプラクターと東洋医学専門医という二足の草鞋(わらじ)を履く、当院のリン・チャン先生に話を聞いてみました。

そもそもカイロプラクティックと東洋医学は、洋の東西こそ違えど「包括医療(ホリスティックメディスン)」という共通点があります。痛みや症状の原因を探し、体全体からアプローチする治療法です。とはいえ、西洋医学の先生たちも「病気を治すのは自分で、薬はそれを助けるだけですよ」と言われますよね。その通りなのです。カイロプラクティックと東洋医学は、人間の体が持つ自己治癒能力を最大限に発揮させるお手伝いをします。

そして、カイロプラクティックの手技、東洋医学の鍼や指圧は、医療者が患者の体に直接触れるという共通点もあります。個人差はありますが、人間の体は誰かに触ってもらうことでリラックスするものであることは、前回お話ししました。夜の睡眠は、=リラックスすることでもあります。

この東西の包括医療を融合することで、睡眠の質を上げ、不眠を緩和・解消することができたら、素晴らしいですよね。私は、当院でそうした治療を提供できることをとても嬉しく思っています。夜よく眠れるようになれば、仕事や勉強の能率も上がり、毎日の生活も楽しくなるでしょう。

「足三里」=万能ツボですが、特に「血虚」タイプの不眠のツボ

あなたはどのタイプ?

さて、チャン先生によると、東洋医学的に不眠の理由を分析すると、究極には人によって全く異なる理由があるので、不眠治療には個々の診断が必要不可欠だそうです。ただ、いくつかの大まかなパターンがあるので、それについての説明を私なりに噛み砕いてまとめてみました。

まず、疲れて眠れないタイプ。東洋医学で「血虚」と言われるタイプです。誤解のないように説明すると、この「血」はヘモグロビン値で見る血液のことではなく、東洋医学専門医が脈や舌の状態を見て診断する「気血水」というコンセプトに基づいたものです。これについて知り、しっかり自分の「不眠タイプ」を知りたい人は、ぜひチャン先生に診てもらってください。

このタイプは、人間関係や過度な労働などでストレスが溜まり、体が疲れ、精神が不安に陥った状態。そうすると慢性疲労、記憶力低下、不眠症といった症状になって現れます。高齢者や、出産直後の女性も「血虚」による不眠になることがあるそうです。このタイプの不眠には、果物のデイツ(date=ナツメヤシの実)が効くそうです。スーパーマーケットで乾燥デイツが売っているので、試してみてはどうでしょうか。

脚の内側マッサージ。写真のように座り、脚の内側を上下に擦る(写真はチャン先生)

次に、慢性疾患やホルモンの影響で眠れないタイプ。更年期の女性や、年齢性別に関係なく欲望が高すぎる人、普段から落ち着きがない人に多く見られ、このタイプは腰痛を伴うことが多いそうです。

三つ目が「肝の気」が滞っているため眠れないタイプ。怒りっぽい人に多く、なかなか眠りに落ちない、眠りが浅くいろいろな夢を見る、夜中何度も起きる、といった不眠症状が見られます。このタイプには、頭痛や首の痛みを訴える人が多いそうです。

最後に、これは医学の東西も関係ないかもしれませんが、過食による不眠。食べ過ぎないように気をつけるのが一番ですが、もし食べ過ぎてしまった時は、消化を助ける漢方薬があります。これは赤ちゃんも同じで、中国には夜泣きする赤ちゃん(生後6カ月以上)のため、消化を助ける赤豆を使った漢方ベビーフードがあるそうです。

以上、それぞれのパターンに適した漢方薬があり、通常は一種類ではなく、いくつかの漢方を調合するそうです。不眠に効くツボと、足のマッサージは左上の写真を参考にしてください。

心臓の気を整える漢方(左)と、肝の気を整える漢方。チャン先生が処方する漢方薬は飲みやすい粉末やカプセル状

 

 

 

 

ジョン・J・ベルモンテ 先生
John J. Belmonte, DC

E. 53 Wellness院長。
カイロプラクター(Doctor of Chiropractic)。
全米カイロプラクティック協会会員、ゴルフPGAツアー・スポーツ医学チーム所属。
アスリートのけがの治療、妊娠中の痛みの緩和、成長期の子供のカイロ治療も手掛ける。

 

E. 53 Wellness
211 E. 53rd St./TEL: 212-980-4211
e53wellnessnyc.com


今月の教訓!

「不眠治療は原因を知ることから」

一言で不眠と言っても、症状や原因は100人いれば100通り。慢性疲労が原因の人もいれば、常に興奮状態にあるために眠れない人もいます。巷で「ナントカというハーブやキノコが不眠に効くそうだ」とブームになることがありますが、そうしたハーブやキノコは、あるタイプの不眠には効きますが、それ以外には効果がないと、チャン先生は指摘します。本当に不眠で辛い人は、まずは自分がどのタイプの不眠症かを知ることが第一歩です。

リクエスト募集中▶ドクターベルモンテへの質問や取り上げてほしいテーマについてはeditor@nyjapion.comまで!

 

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