日本にいる高齢の親の介護 あなたはどうする?

日本にいる高齢の親の介護 あなたはどうする?

介護のプロフェッショナルがアメリカ在住邦人に向けて、遠隔介護または親の介護とどう向き合っていくのかを紹介。


日本の介護保険サービスどうすれば使えるの?

日本の「介護保険制度」は、40歳以上の人が全員強制加入の社会保険で、介護を必要とする人の状態に合わせて様々なサービスが受けられる制度です。対象となる人は利用料の1割~3割(資産と収入により変動)を自己負担するだけで、介護保険サービスを利用することができます。今回は、日本の介護保険サービスを利用するための申請方法をご紹介します。

利用するための手続きや申請の流れ

介護保険サービスを利用するには、市区町村の窓口や地域包括支援センターで申請を行い、要介護度の認定を受ける必要があります。大まかな流れは次のようになります(上図参照)。

介護保険の申請は病院に入院中でも行えます。主な病院には「地域連携室」や「医療相談室」などの相談窓口があり、医療ソーシャルワーカーが在籍していますので、気軽に相談してみましょう。また、サービスを受ける人がお住まいの地域包括支援センターに相談すれば、介護保険の申請手続きやケアマネジャー探しについても相談にのってもらえます。

よくある3つの疑問「費用」「申請場所」「認定が出るまでの期間」

介護保険を利用するにあたり、「費用」「場所」「認定が出るまでの期間」など、よくある質問は次の3つとなります。

①介護保険の申請にお金はかかるの?
費用は一切かかりません。主治医意見書の作成にかかる費用は市区町村が負担します。
②介護保険認定が出るまでの期間は?
申請から介護保険の要介護(要支援)認定までは1カ月~1カ月半くらいかかります。早めに申請しておきましょう。
③介護保険申請、どこにいけばいいの?
地域包括支援センターや市区町村の介護保険窓口で受け付けています。

要支援1に認定されれば、ディサービスなどで理学療法士の指導のもと、介護予防運動や筋力維持のための指導も受けられます。今の身体状態をキープして介護度の進行を防ぎ、社会との関わりを保つことで心身共にハリのある暮らしの一助となります。介護保険サービスを使うまでには申請から早くて1カ月間かかりますので、早めに申請することをお勧めします。

日本の介護保険サービスは使えるの? 今は米国に住んでいるけれど、老後は日本で暮らしたい

現在は米国在住で、老後は日本に帰国して日本での暮らしを希望している場合でも日本の介護保険制度が使えます。日本では65歳以上の国民は、お住まいの市区町村にて住民票登録と健康保険の手続きをすれば、その日から介護保険の加入ができ、介護保険の申請をして要介護度の認定を受ければ、介護保険サービスを利用できます。詳しくは、居住希望の地域包括支援センターに相談してみましょう。

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サロンドハースでは、日本への本帰国や日本にいる親の老後・介護問題、変化する日本の住宅事情、資金調達など、年々増える皆様の不安や疑問を共に考え、学び、安心に繋ぐためのセミナーを毎月レギュラーで開催しております。また、個別相談も実施していますので、ぜひ、ご活用ください。

 

横畠文美(よこばたけあやみ)

一般社団法人Hearth代表理事。国際介護アナリスト。
前職の㈱ベネッセスタイルケアにて新規老人ホームの立ち上げや広報等に携わる。
41歳の時に「世界のご高齢者の暮らし」をレポートしながら夫婦で7カ月間かけ世界一周。
訪れた高齢者施設は世界各国で200カ所以上、取材したご高齢者やご家族は2,000人を超える。
「介護を通じて日本と世界を幸せに」をモットーに活動中。


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